イ・キチャン「6ヶ月前に破局…その時の感情を新曲に入れました」

OSEN |

歌手イ・キチャンが4年ぶりに音楽界に戻ってきた。その間OST(オリジナル・サウンドトラック)やシングルを発表してきたが、公式的なカムバックはなんと4年振りである。高校生のときにデビューし、もうデビュー16年目の歌手になった彼は、特有の切ないながらも感情を抑えるようなバラードナンバー「深夜1時」を11月1日にリリースし、ファンの元に戻ってきた。

あまり知られてはいないが、彼はすでに作詞・作曲などを手掛けており、著作権が登録されている楽曲だけで81曲に至るシンガーソングライターだ。ヒット曲「風邪」も彼が直接作った楽曲だった。今回のミニアルバム「Convince Myself」のタイトル曲「深夜1時」も彼の作品だ。

「深夜1時は、普通一番感傷的になる時間ですね。特に恋人と別れた後の2~3ヶ月が辛いようです。別れた直後は、泣きながら歌を聞いたりはしません。友人に会って話したり、酒を飲んだり。でも2~3ヶ月経って感情が収まった頃、平然と日常生活をしているとき、ふと思い出す瞬間がありますよね。一番感傷的になる深夜1時にそれが一番激しくなると思って、実際に深夜1時にこの楽曲を作りました」

「90年代のバラード曲を懐かしく思う方に癒しを与える歌になればいい」

心理描写が細かいと思ったが、やはり本人の経験が多く反映されていた。この曲を書いたのは6月。1年以上付き合った恋人と別れたのは、4月だった。

「実際、その時の僕の感情を正直に書きました。フルアルバムは、来年初め頃にリリースする予定ですが、特に今回の曲が秋によく合うと思って、先にリリースすることにしました。感情を伝えることが重要なだけに、テクニックよりも歌詞を伝えることに力を入れました」

すでに16年目の歌手だが、彼は他のことに目を向けたことがない。休みなく歌い、楽曲を作り続けた。同じ年頃の芸能人がビジネスをしたり、後輩の育成に目を向けることとは違った。もちろん、よく食べて、良い暮らしをしたいけれど、イ・キチャンにとってはそれがやりたい仕事をすることだ。お金は重要ではない。

「別に欲はありません。儲けたお金がたくさん貯まったというよりは、あまり使わないんです(笑) 音楽だけやります。僕の声で伝えられることが愛だと思って、愛の歌が多かったですが、これからは色々な人生の話もしてみたいと思います」

今回の新曲には、90年代の音楽を懐かしく思う人々にとって癒しを感じられる曲になれたらという気持ちが込められているという。「この頃聞きたい音楽がない」と感じる20代後半から30代の人々に喜ばれる音楽なのだ。

「僕は最近、キム・ゴンモさんやシン・スンフンさんの昔のレコードを聞いています。僕の周りの人たちもその当時の音楽を聞くと言います。もちろん、最近の速いテンポの楽曲も良いし、パフォーマンスで楽しさを与える立派なチームも良いと思いますが、それ以外の感性を求める方もいますよね。僕の歌が、秋を過ごすそんな皆さんの役に立てればいいなと思いました。その方々が僕の新曲を聞いてその当時の感性に浸ることができるなら、僕は本当に満足できると思います」

記者 : イ・ヘリン