「26年」チン・グ“彼の真価を発揮するときが来た”

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写真=イ・ソンピル

映画「26年」がクランクアップした10日…俳優チン・グに会った

映画「26年」で最も期待される俳優として、チン・グが挙げられる。時には強烈な姿で、時には愛らしい姿で、映画のスクリーンの中ではっきりした存在感を見せてきた彼だが、とりわけ興行成績には恵まれなかった。

実はチン・グは今回の映画で「忍耐の終結者(チョンギョルジャ:ある分野を極めた人)」になったと言えるだろう。2008年以降「26年」の制作が行き詰まり、制作が不透明になったが、チン・グは誰よりも長く待ちながら、映画が制作されることを祈った。

それに対する補償だったのだろうか。映画「26年」は2012年10月10日、最終的にすべての撮影を終了することができた。7月19日の初撮影からわずか2ヶ月あまりのことだ。映画で、チン・グはヤクザ出身で、1980年の大虐殺の傷を抱いている家族の一員で、“あの人”暗殺プロジェクトをリードするクァク・ジンベ役を演じた。


「悲しい話を描いているが、どの現場よりも楽しかった『26年』」

ちょうど最後の撮影に臨んでいた俳優チン・グに会えた。軍服姿のまま、母親(イ・ミド)に会いに行くシーンだった。映画では、最初にあたるシーンで、ヤクザ出身のチン・グが“あの人”暗殺プロジェクトに参加する主な動機を提供する部分だった。

「最後の撮影ということをまだ実感できません。実は撮影が終わってから2日後に、終わったことを実感します。終わった当日は打ち上げで、その次の日まで慌ただしいので。そして2日後になると現場からの呼び出しもなく、物寂しい気分になります。

幸いなことは、今まで天気が良くとても暑くて、スタッフもすごく苦労しましたが、大きな問題もなく無事に終わったということです。映画の特性上、統制や外圧を受ける可能性もありますが、大きな外圧もなく、順調に終わることができ嬉しいです。残念なことはありません」

「26年」に出演した俳優たちの情熱を比べることはできないだろう。にもかかわらず、俳優チン・グは積極的にスタッフたちやエキストラにまで気を配っていた。

現場の状況をチェックしていたあるスタッフは「チン・グさんはヤクザをリードする役で、撮影前に自身と共演する出演者との飲み会を設けた」とし、「映画で最も難しかったモブシーン(群衆が登場するシーン)で、エキストラ一人ひとりの目の色が違っていた。チン・グさんが雰囲気を良くしてくれたおかげだ」と伝えた。

チン・グ自らも現場を楽しんでいた。一緒に出演した俳優に対しチン・グは「みんなが初対面で、よそよそしい部分もあったが、そのよそよそしさが、映画での設定とよく合っていたと思う」とし、期待する様子を見せた。色々な出身の人たちが集まり“あの人”を断罪するだけに、それぞれの俳優たちが持っていた最初のよそよそしさが、良いエネルギーとして働いたのだろうという解釈だった。


「26年」の撮影“後悔はないが、負担になるのは事実”

チン・グは、自ら今回の撮影について後悔はないと、はっきりと言った。自身が待った時間や、選択に対しては全く悩んでいないということだ。その代わり負担はあると告白した。映画の中心に立つ主演俳優が感じる負担に、彼が歩んで来た俳優としての道から見ても「26年」が重要な意味を持っているためだ。

「どうしても負担になります。映画に対する反応が悪かったら『あ、僕は人々に好まれる顔ではないんだ、僕の演技は人々に好まれる演技ではないんだ』と考えると思います。最善を尽くしても駄目なことがあると思ってしまいそうです。しかし、素晴らしい映画なので後悔はありません」

確かに彼は、彼自身の充実した道を歩んで来た俳優だった。映画「卑劣な街」を経て、昨年「モビーディック」で見せた彼の演技は、作品とは別に観客を集中させるに十分だった。今回の映画を通じてチン・グが観客に残したいメッセージを頼んだ。

「観客に愛されるのは、僕ではなく観客が決めることなので、それについては何も言えません。その代わり、映画については、悲しい話、悲しい過去を抱えて生きている、ある意味では多少暗い映画じゃないですか。しかし、現場の雰囲気は僕が出演したどの作品よりも明るかったし、トラブルが全くないほど良かったです。映画の雰囲気の面では良い作品だと思います。悲しいだけではない、しかし必ず知っておくべき映画なので、多くの声援をお願いしたいと思います」

俳優チン・グとハン・へジン、ペ・スビン、イ・ギョンヨン、2AMのスロンが出演する映画「26年」は10月10日に撮影を終え、後半の作業を経てから観客に紹介される。11月29日に韓国で公開される予定だ。

記者 : イ・ソンピル