【MV審議 Vol.2-1】1曲の収入は1ウォン未満、審議費は10分で1万ウォン

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MVの審議について各界から不満が相次いでいる。関係当局は「3ヶ月(8月18日~11月7日)のテスト期間の間、問題点を収容する」と見解を明かした。

そこで、全て集めてみた。クレームの盛り合わせ。K-POPブームのアイドルから、テレビよりライブに注力するアーティスト型歌手、独立音楽人、外国系レベールの韓国支社、韓国のフラットフォーム会社、外国のK-POPファンまで。


アイドル“時が金なのに……”1週間ムダに

「私たちにとって時間はお金だ」人気ガールズグループの制作者K氏の訴え。日本をメインに活動する男性グループの制作者K氏も同意見だ。

韓国のアイドルはもはや韓国だけのアイドルではない。世界のアイドルだ。YouTubeから中国、タイ、フィリピン、アメリカ、フランス、イギリス、南米など各地で活動する。彼らはだいたい1~2年分のスケジュールをあらかじめ組んでいる。

海外に進出するアイドルは、現地の企画会社と徹底した調整をして、韓国でのレコード発売時期を決める。MVは発売スケジュールに合わせて完成している。アルバムを出して活動できる期間は2~4週間、短ければ1週間しかないときもある。それなのに、審議のため1週間をムダにするかも知れないのだ。

前向きな面もある。ガールズグループの制作者K氏はMVの質について言及した。K氏は「これまでタイトなスケジュールのため、MVを適当に作ったこともあった。これから審議という段階が出来た。前もって準備し、より良い作品を作ろうという気持ちもある」と話した。


アーティスト型歌手「創作の自由、侵害しないで」

韓国音楽レーベル産業協会(以下、L.I.A.K。会長:キム・ビョンチャンFLUXUS MUSIC代表)は「著作人格権が侵害される」と一喝した。

L.I.A.KはCLAZZIQUAI PROJECTの所属事務所FLUXUS MUSIC、紫雨林(チャウリム)のサウンドホリック、ユ・ヒヨルとチョン・ジェヒョンが所属しているアンテナミュージック、Epitone Projectのパステルミュージックなど、ライブ歌手中心のレコード会社が集まった協会だ。

会員会社であり、レコード制作者であるルバト(ハン・チュンワン、チョン・ウォンヨン所属)代表のアン・ジョンイル氏は、「動画に強制で表記する方式は元著作物の同一性維持を著作権者が主張できる“著作人格権”を侵害する」とし、「著作者が望まない場合、強制的な侵害が行われたり、公衆配布が不可能だ」と主張した。

アン氏は「映画とビデオに関する等級分類は社会的合意が必要だ。しかし、MVは違う」とし、「該当サービス会社ではない政府が法令によって事前に等級審議を主導する場合は、全体主義国家を除いてない」と強調した。


数千の公演、公演映像まで審議の対象?

法で指定した審議対象がMVと予告映像だけではなく、全般的な音楽映像物である点も問題だ。アン氏は「当局はテレビが主な活動舞台である芸能人型歌手のMVだけを規制の対象と見なしているが、実際そうではない」とし、法規制の不安全性を指摘した。

実際、アーティスト型歌手が一日に行う公演は数百件である。結果的に数千件以上の彼らの公演映像までもが審議の対象になりうる。

アン氏は制度の実効性についても問題点を提議した。「オンラインコンテンツに等級表示やIDを通して制限するとしても、青少年が見られないわけではない」とし、「むしろ等級分類がなければ、露出されない未成年者観覧不可の映像も見るようになる」と説明した。

費用も問題だ。等級審議料は10分当たり1万ウォン。映像等級審議委員会によると、審議実費用の15%に過ぎない金額だ。

アン氏は「聞き放題のストリーミングサービスで1曲を利用することによる収入が1ウォンにも満たない」とし、「制作者は審議料以外に、等級表示による映像物を再編集する費用まで負担しなければならない」と話した。

続いて、「サービス業者にも等級表示によるデザインの変化と利用制限ソリューション開発と適用など、莫大な規模の費用と時間が余儀なくされる」と付け加えた。

記者 : イ・スア