キム・レウォン、除隊後復帰作「千日の約束」は重厚で悲しくて深みのある恋愛物語

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不治の病に冒されたヒロインと彼女を一途な愛で支え続ける男、そして家族の究極の愛のドラマ「千日の約束」。アルツハイマーで徐々に記憶を失っていくヒロインを愛で支えるジヒョン役を演じたキム・レウォン。除隊後、復帰した役者キム・レウォン、そして、復帰作となったドラマ「千日の約束」について語ったインタビュー。

―役者になろうと思ったきっかけは?

キム・レウォン:私は元々大韓民国バスケットボール協会に登録しているバスケットボール選手でした。ある時怪我をして2ヶ月くらい休んでいたのですが、その頃父の知り合いの方がCM監督をされていまして、バスケットボールのドリブルの演技の代役を私に依頼されたんです。軽い気持ちで引き受けました。お小遣いもくれるというので。それで撮影しに行ったところ、私の笑顔がきれいだと言ってくださって、せっかくだから記念にひとつ思い出を作ってあげる、ということになりまして、そのCMのメインモデルとして撮影することになったんです。その後またバスケットボールの道に戻ったのですが、バスケットボールをやめた後、そのCMをきっかけに自然といろいろなオファーを頂きました。それで1年後に活動を始めることになったんです。その後も自然にドラマなどの作品に出演するようになりました。こうして今振り返ってみると、大きな夢や意欲を最初から持っていたわけではありませんでした。最初はただのお小遣い稼ぎだったり、周りの人が喜んでくれるから始めたんです。実は私はやるぞと決心して始めるとたいがいはうまくいくのですが、演技だけは自分が思ったとおりになかなかできなかったんです。それでもっとうまくできるようになりたいという欲や情熱が湧いてきて、自然と演技の道を歩んでいました。

―役者になって感じた喜びはどんなことですか?

キム・レウォン:やはり、ドラマ撮影の後に視聴者の皆さんからの反応があった時です。映画の場合は、映画が公開されてたくさんの方が観てくださって喜んでくださる時ですね。それから、日本でのファンミーティング等のイベントで、ファンの皆さんが私のことを喜んで迎えてくださったり、いつも応援しています、というメッセージをくださったりする時に、一番大きなやりがいを感じます。

―演じていて楽しい瞬間はどんなときですか?

キム・レウォン:うーん、面白いシーンの撮影をしながらNGが出たりする時ですね。ずっと笑いが止まらなくなってしまうような楽しい雰囲気で撮影をしていると本当に楽しいなと感じます。

―笑顔の印象の強いレウォンさんですが、「千日の約束」では愛を貫く苦しい表情も多かったと思います、除隊後復帰作として今作を決めた理由は?

キム・レウォン:私にとって、奥深いメロドラマ、悲しいラブストーリーを演技するのにちょうど良い時期だと思いました。30代で最初の作品になるということ、20代では明るくて元気いっぱいのキャラクターをやってきましたが、30代になったので、重厚で悲しくて深みのある恋愛の演技ができたら良いのではないだろうか、と考えました。

―脚本、演出スタッフは大御所でしたが、優秀なスタッフに囲まれての撮影の心境はいかがでしたか?

キム・レウォン:そうですね。アルツハイマーにかかって死に向かっていく女性を描くドラマなので、撮影自体もシリアスな雰囲気の中で進んでいきました。私も大変でしたが、皆さんが大変だったと思います。特別な作品です。

―撮影前に体重を落とされたと聞きましたが、役作りのためにされたことを教えてください。

キム・レウォン:演技をしていなかった2年間の間にだいぶ体重が増えてしまったので、この作品のために体重を落としたのが一番大変でした。当時、約15キロ落としました。ダイエットをしながら、時折出てくる台本を読んだりキャラクターの分析をしたりしました。ですが、それほど大きな負担に感じなかったのはなぜかというと、このドラマは非常に堂々としたひとりの女性がアルツハイマーにかかって死にゆく姿を描いているのですが、その女性を愛する男性の役なので、その女性を演じるスエさんには大きな負担があったかと思いますが、自分にはそこまで大きな負担には感じませんでした。

―スエさんの印象はいかがでしたか? また、スエさんとのシーンで思い出に残っているシーンを教えて下さい。

キム・レウォン:第一印象は、とても素直で純粋で優しくて……非常に良い印象を持ちました。実際に現場でお会いするようになってからは、さすがプロだな、と思うようになりました。とても情熱に溢れていて私が困惑するくらいでした。演技に対する情熱と意欲が、溢れ出ていました。思い出に残っているシーンは、ある冬の日にプールで泳ぐというシーンがあるのですが、ドラマの設定としては夏の設定なのですが、撮影をしたのが冬でしかも野外だったのですごくすごく寒くて。スエさんもすごく大変だったと思います。

―ドラマで印象的だったところ、お気に入りのシーンを教えて下さい。

キム・レウォン:最後のシーンですが、スエさん演じるソヨンがこの世を去った後、この世にはもういないソヨンを思い描きながら一言セリフがあります。「僕はまだ君を愛している」と。その名セリフが印象に残っています。

―最後に、日本のファンへ一言お願いします。

キム・レウォン:私の役柄は二番目の主人公としてのキャラクターでしたが、個人的にすごくやりたかった作品です。この作品でのジヒョンの役柄は、典型的なかっこいいキャラクターではないので、嫌われる部分もあるのですが、より現実味のある、事実に近い表現をしようと、演技のためにすごく悩みながら努力しました。日本の皆さんがどのように観てくださるか、心配でもありますが気になります。皆さんにはぜひ女性主人公の気持ちになって観ていただき、私のことを嫌いにならないようにお願いしたいです(笑) 真実の愛を描いたドラマですので、そういったことも念頭に置いてご覧いただければと思います。

■関連サイト
・キム・レウォン ジャパンオフィシャルファンクラブ
・「千日の約束」公式サイト

記者 : Kstyle編集部、撮影:KIM SANGDUK