「ヨンガシ」イ・ハニ“他の俳優と比較はしない…演技は絶対評価!”

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イ・ハニに演技を問う……「ヨンガシ 変種増殖で感染される役、実はやりたかった」

元ミス・コリア、元ミスユニバースはやはり違っていた。インタビューのため待ち会わせた女優イ・ハニは、本当に美しくエネルギーに溢れていた。そのエネルギーは美人の代名詞だからではなく、演技への情熱によるものだと感じられた。彼女が席に座ってすぐに投げかけた映画「ヨンガシ 変種増殖」に対する質問に、長い答えが返ってきたためだ。それだけイ・ハニは女優として成長していた。

映画「ヨンガシ 変種増殖」は公式的にイ・ハニが前面に出た2番目の映画だ。昨年、映画「ヒット」を皮切りに主演の可能性を見せた彼女が、今回は感染を題材としたパニック映画にエネルギーを注いだのだ。

「映画は想像以上によくできていて、楽しく見ました。かなり心配していたんです。ムン・ジョンヒさんとは撮影の中盤に一度会って、撮影の打ち上げパーティーで会ったのが二度目だったほど、お互いの撮影が重ならなかったため、どのような映画ができあがるのか心配していたし、とても気になっていました。

空のビーカーを見つめながら、ヨンガシ 変種増殖がいると想像して演技をしました。CGでどのように表現されるのかと思いましたが、監督がおっしゃった通りにできあがったようです。この映画を見る人は誰でも、最初から最後まで入り込める作品を作るとおっしゃっていましたから」


「限られた予算で制作…その中でベストを尽くした」

「ヨンガシ 変種増殖」はハリウッドの超大作映画である「アメイジング・スパイダーマン」とも長く競合していたし、19日に韓国で公開される「ダークナイト ライジング」とも競合するようになるため、イ・ハニも心配が多かったという。

また、周りの人々から「ホラー映画ではないか」という質問を受けるたびに、イ・ハニは自分なりの論理で説得しているそうだ。「そのように見える映画が、かえって社会の暖かさを物語っていると思う。予想されたものとは違う感動を与えるのが『ヨンガシ 変種増殖』の力です」と話している。

「ハリウッドの超大作映画ほどの投資が、私たちにあったらどうでしょうか。かなり違っているはずです。私たちは30~40億ウォン(2~2.8億円)の予算を節約して、10回撮るようなシーンを1回で撮り終えたりしました。ヘリコプターのシーンや川辺の群衆シーンは、費用のため時間制限がありました。ヘリコプターが飛ぶ瞬間から時間をカウントしたそうです……。とても苦労したんです。その予算を考えれば、多分この映画はベストを尽くしたと思います。

人々が溺死するシーンがあまりにも多いという方もいたんですが、この映画が数百億ウォンものの超大作映画だったら、監督も数千人の人々が一度に溺れるのを俯瞰撮影したはずです。でもそれを分けて反復的なシーンにしたんです。事件へ入り込ませることを考えると、こっちのほうが良いと思いませんか(笑)」


「より感情を発散する役?もちろんやりたい!」

映画でイ・ハニが演じた役は、ヨンガシ 変種増殖感染の原因を探る国立保健研究員のヨンジュだった。直接ヨンガシ 変種増殖に感染されるのではなく、感染された人物を観察し、そばで助けようとする人物。キャラクターの面からみると、インパクトがやや弱く思われるのも事実だ。もっとドラマチックなキャラクターへの意欲はなかったのだろうか。

「実は女優の立場からは、もっと感情的な演技を見せるシーンがあったらと思いました。でも、ヨンジュというキャラクターは私が着ている服です。素敵なドレスであれ、ジーパンに白いTシャツであれ、いかにうまく着こなすかが大事だと思います。どんな役でも、私がうまく演じていくべきですね。

ヨンジュの役は、上層部に抗議したり、主に情報を伝える人物であるため、典型的になりがちなものでした。だから、その中でも多様性を表現しようと、頑張って考えました。典型的な人物ですが、緊張した状況で訴える姿にだんだん勢いが増し、最後には、上司に自分の家族が死んでいくことを訴える、そのような勢いにスピード感を与えようとしました。

ヨンジュは冷たい女戦士ではありませんから。どうすれば人間的に見えるかを考えたんです。トラックを運転して移動するシーンでも、愛している人が閉じ込められていると思って、震える姿を表現しようとしました。だけど、とても小さく撮られていて。観客にその演技を分かってほしいけど……(笑)」

イ・ハニは、ヨンジュというキャラクターを演じて、異質の物に見えないように、映画の中で調和することを望んでいたという。キム・ミョンミン、ムン・ジョンヒのような先輩俳優のなかで、ともに映画を撮影するために自分なりに下した結論は、「撮影の間、ずっとスピード感を保ち、緊張感を維持すること」だったという。目立たないキャラクターであるが、その中で熾烈な悩みがあったのだ。


「元ミスコリアという肩書きよりも女優としてのプレッシャーが大きい」

よく知られているように、イ・ハニは元ミスコリアで元ミスユニバースだ。まさに、美の基準となる象徴的な経歴の持ち主だ。女優としてドラマや映画で活躍しているが、このような肩書きは美しさを維持しなければならないというプレッシャーになるかもしれない。また、演技以外の姿にも、気を付けなければならない面でも負担にもなるように見える。

「元ミスコリアというプレッシャーより、女優としてのプレッシャーですね。私も人間だから、ばらつきがあるし、むくんだりする時もありますよね。でも人々の前では完璧でいたいと思います。みなさんもそれを望んでいるようですし。人々の愛や関心へ応える道として何があるだろうと考えましたが、自己管理をきちんとして、体と心を健康にしてよく暮らしていく姿を見せるのが、それなりの応えになると思います。

スタッフにもよく話すことですが、キレイになるのが一番大変です。本当に真面目にしなきゃ。私も足りない部分が多い人間だから、真面目に努力する必要があります。こんな話をしちゃうとたたかれるかもしれないけど……私は本当に油断してはいけないタイプです(笑)

私より3~4倍は食べるのに、いつもキレイな人もいます。『私ってなぜこうなんだろう?』と思ったりしますが、ポジティブに考えるようにがんばっています。仲の良い俳優さんに会っても、相対的に比較はしません。絶対評価をするのです。ある俳優が、ある作品でうまく行ったのは、その俳優のストーリーです。俳優は、いつ良い作品に出会えるか、誰も分かりません。熱心にがんばって、そのような作品に出会えれば、たくさん愛されるようになると思います。頭を使って有名になろうと思ったりはしません」

女優イ・ハニは演技からもそうだが、人間そのものとしても一層成長してきているように見えた。彼女の真面目さを確認しよう。まずは「ヨンガシ 変種増殖」、その次は映画「私は王である!」を通して。

記者 : イ・ソンピル