「ヨンガシ」期待値の低かった感染系映画だったが…ヒットの予感

OhmyStar |


限られた物理的環境で作られた上質パニック映画…韓国映画の低迷を終わらせるのか?

写真=CJエンターテインメント
映画「ヨンガシ 変種増殖」の公開は、低迷している韓国映画を復活させるきっかけになるのか?キム・ミョンミン、ムン・ジョンヒ、神話のドンワン、イ・ハニが出演する映画「ヨンガシ 変種増殖」が韓国で5日に公開された。映画界や映画館での反応は、まず悪くない。

複数の映画関係者は「ヨンガシ 変種増殖」のマスコミ試写会が開かれた先月27日、「期待より良かった」との反応を見せた。彼らは共通して、映画のテンポが速く、映画への集中度も高いとの意見を出した。懸念していた「ヨンガシ 変種増殖」のCGも悪くなかったとの評価もあった。

韓国映画市場で、パニック映画、それも寄生虫をテーマにした集団感染による災難との設定が見慣れないという点で、多くの関係者が映画のヒットを疑問に思った。映画の投資・配給を担当したCJエンターテインメントでさえも、映画への期待値を下げるようにとしていたほどだ。

ハリウッドブロックバスターに比べると、もちろん足りない部分が多いかも知れないが、映画「ヨンガシ 変種増殖」は構成の枠と限られた物理的環境で作れる最高の作品だとも評価できる。マーケティング費用を除いた映画の純制作コストは30億ウォンを少し超えた水準だ。少なくは数百億、多くは千億以上の予算を投入しパニック映画を制作するハリウッドに比べると劣悪な環境だが、映画の映像はそう悪くない仕上がりだ。


キム・ミョンミン、ムン・ジョンヒの競演がもたらす相乗効果

俳優キム・ミョンミンとムン・ジョンヒのコンビ力が目立つ作品だ。「ペースメーカー」に次ぐ「ヨンガシ 変種増殖」で、今年に入ってから強いキャラクターを捨て、力の抜いたキャラクターで勝負しているキム・ミョンミンは、映画の中心となり、それぞれの俳優を支えたと見られる。OhmyStarとのインタビューでキム・ミョンミンは「強いキャラクターで認識された過去の作品よりも、平凡なキャラクターで自分が出来る役割に集中している」と語ったこともある。

ここに、女優ムン・ジョンヒが見せ場を作った。映画の中心俳優のうち、唯一ヨンガシ 変種増殖に感染される役割を担当したムン・ジョンヒは、顔の表情演技と手足のジェスチャーに細部までこだわり、緊迫感と絶望感を表現した。日ごろの端正なイメージとはまったく違う、従順ながらも子供と夫のためなら何でもする強い母の姿を完璧に表現したのである。

映画「ヨンガシ 変種増殖」のヒットを予感できる、もうひとつの根拠は、公開直前に一般人を対象にしたモニタリング試写会の評点にある。CJ広報の関係者は「普通一般的な映画のモニタリングの平均評点が3点中半から後半(5点満点)であることに比べ「ヨンガシ 変種増殖」は4点台頭だった」と、慎重に映画のヒットを予測した。

映画館での反応でも「ヨンガシ 変種増殖」は若い観客から良い反応を得ている。CJ関係者によると映画の試写会が進むほど、10代から20代の若い観客が、題材であるヨンガシ 変種増殖に興味を示していくという。映画の公式Twitterでの反応でも、相当の数の若い観客が映画を好評していることが分かる。

最近国内のボックスオフィス(劇場でのチケット販売枚数)は「アメイジング・スパイダーマン」が制覇している様相だ。しかしこれ自体が韓国映画にとって悪材料とは言えない。「アメイジング・スパイダーマン」が観客を映画館に出向かせていると解釈することも出来るからだ。「アメイジング・スパイダーマン」とともに1、2本の韓国映画が、映画館を賑やかせることも可能な状況だ。

最近公開した「アブの王」、「ミスGO」が公開して間もないにも関わらず、芳しくない成績を見せていることを考えると、映画「ヨンガシ 変種増殖」が公開開始とともに勢いに乗るかどうかに、韓国映画の興行がかかっているとも言える。

記者 : イ・ソンピル