Vol.2 - 2AM「今の僕たちに必要なのは、自らが持つ余裕」

10asia |

― 今回のアルバムをリリースする前、3年ぶりにお休みを取って旅行に行ったと聞きましたが、楽しかったですか?

チョグォン:行く前は将来について考えたり、色んな事に関して何か書いてみようと思ったけど、いざとなると全てのことを忘れて何も考えられなかったです。しかし、それで本当に良かったと思います。旅に出てこれまで溜まっていたストレスが全てなくなった感じがしましたから。そんな時間が本当に大事だと思います。

スロン:僕にとっても今回のアルバムを出す前までの時間が非常に重要だったと思います。それは、様々な考えをまとめることが出来たからです。そのため、今回のアルバムをレコーディングしながら、曲の中に今一番表現したい感情を表すことが出来たと思います。その感情というのは、表に出すことは出来ないけど心の中ではとても気になるけど、他の人のため、少し我慢して何ともないふりをするような…そんな感情です。年を取るにつれ、騒ぎを起こしたり泣きながら周りの人々に悲しいと言うことが難しくなるじゃないですか。1歳ずつ歳を重ねれば重ねるほど考えることが多くなって、捨てるべきものや我慢すべきことが多くなるじゃないですか。そういう感情を豊かに表現することが出来るようになったと思います。

― 捨てたり諦めるようなことがありますか?

スロン:僕が持つ悪い部分を諦める必要があると思います。人々に認められるというのは、結局僕が表現するものが人々に認められた時に可能なことじゃないですか。歌もそうだし、番組で一言言うにしても、僕がちゃんとしていないと人々はそんな僕を受け入れないからです。だから、ずっと成長し続けたいと思っています。


「仕事においては着々と一歩ずつ踏み出していきたい」

― チャンミンさんが「愛してる 愛してる」という自作曲を発表しましたが、他のメンバーたちはその曲を歌う時、どうでした?

スロン:チャンミン兄さんっぽい曲だと思いました。曲がチャンミン兄さんにそっくりなんです(笑) アドリブラインやビートがチャンミン兄さんに似ています。

チャンミン:「愛してる 愛してる」は2AMだけのために書き下ろした曲です。頭の中ではすでにメンバーそれぞれのパートが決まっていました。ここはあいつに歌わせようとか、ここであいつが高音を出して、あいつのハーモニーを入れるようにしよう、みたいな。そして、僕たちをよく知らない方はメンバーたちの歌い方や音域のチェックが必要ですが、僕たちはそういう過程が要らないので、「今、レコーディング室に入って君がここをこんな風に歌って」と言うことが出来るんです。そんな風にやりとりしながら、メンバーそれぞれ最大限に表現できるポイントを見つけ出すことが出来ました。

― チャンミンさんは今回、ボーカリストとしての面でも声のボリュームの調整が上手いと感じました。高音を出す部分でもただ声を大きく出すのではなく、聞く人々がドラマチックに感じられるように声量を調整しているように感じましたが。

チャンミン:「君も僕のように」は感情を吐き出す曲ではなく抑えながら歌う曲です。そのため、僕が練習してきたテクニックをより多く披露することが出来ました。また、歌う時に僕自身辛い部分があるんですが、辛くないフリをしながら練習して(笑) それが落ち着いて悲しみを表現することに役立ったと思います。

― ボーカリストからスタートして作曲をするようになりましたが、その過程で感じたことってありますか?

チャンミン:仕事においては着々と一歩ずつ踏み出していきたいと思っています。作曲において僕は晩学者だからです(笑) 他の人は10代後半に学校に入って習う和声学とかピアノ演奏などを僕は今習っているんです。だから、そんな人たちから見れば、僕はピアノもまだ上手に引けないし、やっとミディなどを使うようになった立場なんですね。なので焦らず、長い目で見守って欲しいです。学びながら長い間音楽で愛されたいと思っていますし。

― アイドルグループはある時点になるとソロ活動のようにそれぞれが自分の道を見つけますよね。なので、自分の人生について考えなくてはならないことが多くなりそうですね。

チョグォン:僕はソロアルバムのことを考えると頭が痛くなります。これまで多くの人々にたくさん愛されてきたのに、それを無視することは出来ないじゃないですか。だけど、いつも明るかった人がカッコよく決めて出てきてもあんまりだし、ただ明るいイメージで人々の前に立ってもそれは今までと同じだからダメだと思えるし。どうすればいいんでしょうか(笑) だから、自然に自分を見せようと思いました。みなさんに見せたイメージをあえて消す必要もないし、無理やりカッコよく決めても無駄だと思うし。適切なポイントを見つけ出そうと思っています。

― では、10年後にはどんな姿になっていると思いますか?

チョグォン:10年後はたぶん今の面白いイメージから(笑)、もう少しカッコいい姿に変わって音楽もやって演技もやっているんじゃないでしょうか。オム・ジョンファ先輩みたいに。シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)に出演した時、本当に楽しいと思いました。僕が上手に演じることの出来た部分が多かったのではという気がして、楽しく撮影することができたし、演技に対する意欲も以前より出てきました。


「10年後、心の余裕を持てる人になっていたい」

― ジヌンさんはある番組で伝説になりたいとおっしゃっていましたよね?(笑)

ジヌン:僕は死ぬまで音楽をやり続けたいから、10年後も音楽をやっていると思います(笑) 後からみなさんが僕の音楽を聞きながら”この人の音楽は必ず聞くべき”と言ってもらえたらいいなという思いです。音楽マニアたちが”この音楽は必ず聞いた方がいいよ”と言いながらお勧めするミュージシャンたちがいるじゃないですか。そんなミュージシャンたちと共に名前を残したいですね。

チャンミン:その伝説がビートルズではなく(「アイ・アム・レジェンド」の)ウィル・スミスになるんじゃないの?(笑)

ジヌン:あ、それも悪くない(笑)

スロン:ジヌンは伝説になると思いますよ。法的にも、違法でも(笑) 彼がやりたい音楽の色があまりにもはっきりしていて偉いと思いましたね。幼い末っ子と思っていたのに、自分がやりたいものをしっかりと表現するから。

チョグォン:そんな感性を持っているだなんて考えたこともなかったです。ジヌンの「歩いてくる」を聞きながら非常に寂しい気持ちが感じられましたが、それが伝わってきただけでも成功したと思います。

ジヌン:ありがとうございます(笑)

スロン:ジヌンももう一緒に話が出来るくらい大きくなったから(笑) 嬉しいです。

チャンミン:君が育てたんじゃん(笑)

ジヌン:誰のせいにしてるの?僕と3年間同じ部屋を使った人はチャンミン兄さんじゃん(笑)

チャンミン:18歳から4年間、ここまで育てたなんて(笑)

― チャンミンさんの10年後の自分はどんな姿になっていると思いますか?

チャンミン:以前はキム・ゴンモ先輩みたいになりたかったです。今も音楽面では先輩みたいになるのが夢ですし。しかし、最近はユン・ジョンシン先輩みたいに生きたいと思っています。ユン・ジョンシン先輩は作曲もするし、みなさんにも非常に近づきやすい感じを与えていると思うからです。行動一つ一つが話題になって攻撃的に見えるのではなく、すぐ隣にいそうな兄貴のような感じで、バラエティでは気楽に進行して、家庭的でもあるので。

― それが一番険しい道のように思えますが(笑)

チャンミン:一番難しいと思います。バラエティなんかしなくても、音楽で自分の立場を確保しながら平凡な家庭を築くミュージシャンになりたいです。複雑に苦しく生きるより、気楽に暮らして僕が曲を書きたい時は曲を書いたり、家庭を持つ人になりたいです。

スロン:僕は音楽を続けていると思います。演技もやりたいですし。しかし、どんな仕事をするというよりかは、心の余裕を持つ人になっていたいです。自ら心の余裕を持てば、成功しようが失敗しようが揺れないと思いますから。ゆっくり休んで出来る余裕を持つという意味ではなく、考えをうまくまとめてはっきりした主観を持つということです。

― 今はまだそんな余裕を持てていないんですか?

スロン:今のところは安定的だと思います(笑) 僕たちは人々の前に出て活動するため、やたら正直になることは出来ないです。そんな点で制約される部分があるし、逆に他の人々が持っていない自由を得ることも出来ます。また、今のところ、僕の中でそんな部分についても余裕を持って考えながら、ある程度うまくやっていると思います。そのため、僕に関して何か間違ったことが起こっても僕はあまり傷つかないと思いますし。それが僕の余裕だと思います。

チャンミン:スロンが言う余裕というものを持てたら、様々なものから解放されることが出来ると思います。このアルバムが本当にうまくいくのかという不安をなくすことは出来るけど、不安になってしまうと、それがチームに迷惑をかけるのではないかなという心配に繋がり、その余裕というものがさらになくなったりするからです。しかし、僕がやることに自信と余裕を持てれば、僕が心のバランスを取っているから結局上手くいくだろうと考えられるんだと思います。僕もそんな余裕を持てるようになりたいです。

― そういう余裕を持つ時期が来ましたか?

チャンミン:今がちょうどその時期だと思います(笑) これまで僕たちは下から上に上がってきたじゃないですか。だから、今は今の2AMのイメージとして残るか、それともみなさんを失望させる音楽でこれまで築いてきたものを失うかもしれないという状況に置かれていると思うんです。だから、むしろ余裕を持つことが出来るようになったと思います。今の僕たちに必要なのは人々の反応より自らが持つ余裕ですから。この調子で行こうと思っているんです。今みたいに多くの方から愛されているということだけでも僕たちには充分ですから(笑)

記者 : カン・ミョンソク、写真:チェ・ギウォン、編集:チャン・ギョンジン、翻訳:ナ・ウンジョン