「蜜の味」イム・サンス監督“カンヌより韓国が重要”

OSEN |

イム・サンス監督の映画「蜜の味 テイスト オブ マネー」が、2010年の「ハウスメイド」に続き、連続でカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された。ホン・サンス監督の「3人のアンヌ」もだ。これは、世界最高の映画祭と呼ばれるカンヌ映画祭がどれほど韓国映画を愛しているのかを物語っている。19日夕方にカンヌからの朗報を聞き、イム監督と電話で短いインタビューを行った。

―「ハウスメイド」に続き、「蜜の味 テイスト オブ マネー」がカンヌに行く。予想したことなのか。

新作「蜜の味 テイスト オブ マネー」が公開されると、いろいろ議論になるだろうとは自分でも思っていた。この映画を人々に見せれば、果たしてどういった反応が出るのだろうか。心配半分、期待半分だった。でも、一応カンヌから良い知らせが来て、本当に嬉しい。韓国では、5月初めから試写会などで映画関係者やメディアに公開する予定だが、世間がどんな反応をするのだろうかと緊張する。

―カンヌ映画祭での受賞を期待しているのか。

実は、「ハウスメイド」の時は、(コンペティション部門への招待は)予想外だったため良いニュースになった。カメラ・ドール部門くらいではないかと思っていた。でも、「蜜の味 テイスト オブ マネー」はコンペティション部門の出品作になるのではないかとある程度期待していた。

―イム・サンス監督の映画は、カンヌ映画祭出品作のうち、一番商業性が高いという話がある。

その通りだ。カンヌ映画祭に招待される他の20本のなかで、私の映画が一番商業性が高いと自負している。カンヌ映画祭に出品することは、非常に嬉しくて光栄だが、韓国の市場が最も重要だ。ヨーロッパの映画関係者から、イム・サンスの今回の映画が(「ハウスメイド」より)もっと商業性のあるものではないか(カンヌ映画祭関係者らが)心配しているという情報があったけど、無視した(笑) 今回は本当に嬉しい。(「蜜の味 テイスト オブ マネー」は)商業的な面でもベストを尽くしたし、カンヌ映画祭の出品作になれたから。

―カンヌがイム・サンス監督を愛する理由は?

この間カンヌに行ってきて思ったのは、ヨーロッパではアジア映画を見る時、または招待された時も、興味を持ってそれを見ているということだ。オリエンタリズムと関係のあるアジアの伝統的なもの、例えば酷い貧困の中で繰り広げられる光景や、ポルノグラフィ、政治的な抑圧を乗り越えていくものなど、ヨーロッパがかなり前にすでに体験し、克服したものなどを題材にした映画が好きなようだが、私の映画にはそんなものはない。私は(ヨーロッパと)同時代の感性でアプローチする。

「蜜の味 テイスト オブ マネー」は、韓国映画界きっての鬼才イム・サンス監督の作品らしく、感覚的で型破りの題材や映像で以前から注目を集めていた。ユン・ヨジョン、ペク・ユンシク、キム・ガンウ、キム・ヒョジンなどが熱演した「蜜の味 テイスト オブ マネー」は韓国上位1%に入る派手な財閥の尽きることのない欲望を濃厚に描いた。特に、ある韓国の巨大財閥一家の実際の姿を描いているような、イム・サンス流の錯覚を呼び起こす映画だと製作会社は言う。

もう一つ、「ハウスメイド」よりさらにグレードアップした「蜜の味 テイスト オブ マネー」の衝撃的な映像に映画ファンの視線が集中している。今月中旬に公開された「蜜の味 テイスト オブ マネー」のR-19指定の予告編は、審査ラインに抵触してしまい審議で2回も戻され、残念ながら削除されるしかなかったシーンを含め、完全に成人向けのバージョンで再編集された。この予告編がインターネットで公開されると、あっという間に広がり、一気に検索ワードランキング1位に上がる勢いを見せた。

記者 : ソン・ナムウォン