Shayne、明るくて純粋な青春を歌う

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写真=Lune communication

アルバムレビュー:Shayneの2ndミニアルバム「Shayne's World」

鼻音の混じった明るいトーンの美声と、流麗ながら弾くようなリズム感のある歌い方が特徴の歌手Shayne(シェイン)が2ndミニアルバム「Shayne's World」を発表した。

今回のアルバムには4つの恋物語があるが、Shayneは曲ごとに特有のみずみずしさと凛々しさを表現し、まだ“少年”らしさが残る二十歳の男性の感性をうまく伝えている。4曲ともに、けだるい春の日に聞けば元気をもらえそうな曲である。

「Summer Love」は始まったばかりの恋のときめきを表現した曲である。穏やかに始まって、リズミカルに変奏される導入部のピアノ演奏が雰囲気を盛り上げると、続くバンドの演奏が軽快に進み、終始気持ち良いエネルギーを発散する。一目ぼれした語り手の気持ちを歌った歌詞、Shayneの“甘い”歌い方、さわやかな編曲が調和した曲である。

「だから僕は生きる」は、今はいない恋人を思う男のひたむきな心を表現したバラード曲である。「誰が君をなんと言おうと、この手を離さない」「君は僕にとってたった一人の人だから」「生涯1つだけ僕の恋だから」など、切ない歌詞がピアノや弦楽器の演奏と調和し、湧き上がる感情のメロディが繰り返される部分も印象に残る。失恋の悲しさや惨めさというよりは、純粋な愛の喜びが感じられる点で新鮮に感じる曲である。

「君を見る」は、ひまわりのような恋をする男の気持ちを歌った曲である。恋人同士で、好きな度合いを比較すれば一方に傾くものである。語り手は、明らかに相手より好きな側である。イライラしながらも、そんな自分が「恥ずかしくない」し、「何もかもあげよう」と語る健気な歌詞も注目を集める。軽快なドラムビートと共に進むShayneのリズム感が際立つ曲である。

「びっくり」は、男が告白をする内容で、レトロなダンス曲である。詩と曲の構成が比較的やさしくシンプルで、一緒に歌いやすい。歌詞の中に何度も出てくる“カムチャクカムチャク(びっくり)”“サルチャクサルチャク(ちょこっと)”等の擬態語独特のリズム感と繰り返されるメロディ、テクノサウンドは中毒性がある。「僕と一緒なら世界がびっくり」と話しながら女心をくすぐろうとする語り手の告白がみずみずしく感じられるのは、もっぱら“少年”の感受性を持つShayneの声色のおかげである。

Shayneは、韓国語を母語としないため、限界があるにもかかわらず、韓国の歌手に負けないほど歌詞をうまく伝えている。特に「Summer Love」の歌詞は、彼自身がハングルで書いており、それだけを見ても音楽に向ける彼の情熱と努力を推測するのは難しくない。

特定の年齢にだけ表現できる感性が存在するとすれば、“シンガソングライター”を夢見ているShayneは、20歳前後の男性ソロ歌手があまりいない韓国の音楽業界で、その存在だけでも意味がある。今回のアルバムで彼が見せてくれたのも、純粋な青春の姿である。

勿論、それ以外にもShayneは長所の多い歌手である。影がなく、すれていない感性。珍しい声色、リズムに乗る感覚的な歌い方などは、これからの彼の成長に期待を抱かせる。今まで見せてくれたことより、これからが期待される歌手である。

記者 : ソ・ソクウォン