Vol.1 ― BIGBANGのSOL「消費するための音楽をするのがつらかった」
10asia |
歌は、歌手の心を表現する“言語”だ。少なくとも20年余り前から、このように言うのが恥ずかしいほどに、普遍的なこととして受け入れられている。しかし、最近このフレーズは、他の意味合いも含む。誰しも歌について語るとき、真実を言おうとしない。とある声を持つボーカルが人気を集めると、それがすぐにトレンドになり、歌一曲に多くのビジネス的な問題がのしかかる。マスコミが“4秒歌手”(グループ歌手で、数秒ほどしか歌わないメンバーのこと)や“MR除去”(Music Recordedを取り除き、歌手のボーカルのみが聞こえるようにすること)”について触れるときも、論理の焦点がその歌手がどれほど歌が上手いのかということだけで、その歌が何を表現しようとしているのかについてではなかった。でも、BIGBANGのSOLは歌謡界の中心人物として、自身の歌を“本当の心を表現する方法”と言う。大きく成功したアイドルの中の一人である彼はインタビューで、「歌うことがただ自身の仕事や好きだという次元ではなく、本当の自分を表現する方法」だと言った。それはミュージシャン、またはアーティストとして認められたいアイドルの音楽に対する強迫観念ではなかった。彼は、音楽を崇拝する対象や複雑な存在と捉えるよりも、“世界とつながる方法”として受けとめていた。彼はなぜ音楽を自身の言語にしているのだろうか。1stアルバム「SOLAR」で自身の確信を探し当てたと信じる彼にとって音楽とは、またその生き方について聞いてみた。
―相変わらず忙しいでしょう(笑) 「I'll Be There」のプロモーションもあるし、ライブの準備もされていますし。
SOL:はい、最近は大変です(笑) 「I'll Be There」についてはライブ前まで活動しようと思っています。
―バラエティ番組SBS「強心臓(カンシムジャン)」で、少女時代のライブを観て一番目を引いたのはLEDとおっしゃっていましたが(笑) これはライブで使う予定はありますか?
SOL:まだわかりません(笑)
SOL:すべてのことに気を遣います(笑) やはり、今回のアルバムの曲のほとんどを初めて披露するので、新曲に一番気を遣います。今回は曲の流れがあるため、その流れをコンサートでどのように見せようかについて悩んでいます。
―おっしゃる通り、今回のアルバムは流れがあると感じています。でも、この流れがアルバムの8曲目である「After You Fall Asleep」から分かれるかと思います。7曲目までの流れと、「After You Fall Asleep」からは、変わりますよね。アルバムの収録曲を一度“ひっくり返した”とおっしゃいましたが、7曲目まではそうした後の曲なのでしょうか?
SOL:7曲目までは、実際にアルバムをひっくり返した後の曲です。2009年はとてもつらい時期でした。自分自身の気持ちもそうですし、状況もそうですし。しかし、心を開かないまま音楽と仕事をすると、音楽で感情を伝えるのは難しいと思うようになりました。何だか世界と遮断された感じと言うか。だから、心をちゃんと開いた時の曲が、1曲目から7曲目でした。
―以前も2009年はつらい年だったと聞きましたが、何か特別なことでもありましたか?
SOL:何と言うか…歌手として3年が過ぎてみると、慌ただしくステージに立ち、続けてアルバムを出さなければならず、時間的に余裕が無いのに作り出さなければらなくて。そんな状況が続き、いつの日かやりたくてやっているというよりは、何の感情もなくひたすらにこなしているのだと思えてきたんです。それが2009年でした。
―そのような状況は、人気ミュージシャンなら誰でも一度は通る道のようですが、音楽自体に対してのプレッシャーが他の誰よりも大きかったのではないでしょうか。
SOL:だから去年は辛かったです。そんな悩みが、僕が心を閉ざした原因のようです。時間が経つに従って幸せでない状態から、やむを得ず消費するための音楽を作らなければならない状況になり、とても辛く感じました。でも、ふとした瞬間、これではダメだと悟りました。そうやって考えて心を開いたら、それ以外の他のものが色々と見え始めたんです。だから今回のアルバムを制作できたんです。それができていなかったら、未だにアルバムは出せていなかったと思います。
―音楽のための音楽ではなく、自身のための音楽ができるようになったということでしょうか。
SOL:それが答えでした。僕は幸せになりたい思いから、音楽をしていました。でも、その観点でずっと音楽のことだけを考えて悩んでいたため、自分でも楽しくなくて、気づけば音楽だけしか考えない生活になっていたんです。
―なぜそのように音楽を大切に想うのでしょうか。
SOL:初めて仕事をした時からそうだったのですが、僕にとって音楽をしているということ自体が大切なんです。人々に対して自分を表現をしたり、気持ちを表すことについて、とても恥ずかしいと思うことがあります。幼いころから、何か感じたことがあると、それを自分の中の深いところで考えてたりしました。音楽は、僕にそんな感情を与えてくれる大切なものなんです。人と頻繁に会うよりも音楽を聴いて感動し、何かを感じることのほうが多かったです。直接経験しなくても多くのことに感動したり、心を表現できたんです。それで音楽をして、ステージに上がった瞬間は自分の感情を一番表現出来るし、また、自分を一番よく見せることもできます。
SOL:はい、気持ちが変わったので。前までそうすることはとても難しかったのですが、今はどんな曲であれ、自分のカラーに染めることができるという自信があるので、前とは違った音楽ができるようになったんです。今回のアルバム制作でとても良かった点は、つらい時期を経て自分の心を探し当てたということでした。だから、一度完成したアルバムをひっくり返したんです。このままでは良い結果を得られることができないと思ったから、そうやって悩んだ末に、今のアルバムを完成させることができたんです。
―そのように音楽を通じて自分の繊細な感情を表現するに至ったようですね。今までのアルバムには、作られた音楽をしっかりと自分のものにしたという感じを受けましたが、今回は自身が、曲の雰囲気を一つ一つ作っていったという気がします。「I Need A Girl」だけを見ても、声を伸ばすのか切るのか、キーを上げるか上げないかで、曲が全く変わってしまうほどボーカルの役割は大切なんだと感じました。
SOL:抽象的なことなのかもしれませんが、前より音楽の繊細な部分を感じて歌うことができたのは、大きな変化だと思います。この曲を歌ったとき、自分の感じに合うように歌わなければならないと思いました。だから、ボーカルの役割は大きいですし、歌うことにさらに気を遣います。声ですべてのことを調節しなければなりませんから。前まではリズムやサウンドにとても気を遣っていたのですが、今は声の雰囲気に重点を置こうとしています。
―そういった点で、今回のアルバムはガイドボーカル(歌手が歌を録音する前にメロディーを歌うボーカル)が必要なかったのではないでしょうか。本人がどのように歌うのかによって、メロディーが変わってしまいますから。
SOL:「I Need A Girl」は他の方が作曲した曲なので、ガイドはありました。でもそれ以外の曲はプロデューサーと一緒に作業し感情のままに歌い、すぐに録音しました。ガイドの歌を聴いて録音した曲は、ほとんどありません。ガイドが歌ってくれたとしても、プロデューサーが全体的な感じや表現について自由にさせてくれる方でもありましたし。
―「You're My」は特にそうでしたね。ピアノのみ、あとは声だけの曲だから、歌詞をどのように受け止めるのか、アドリブを入れるのかによって曲が完全に変わってしまう場合もありますよね。他の見方をすれば、歌を歌うこと自体が作曲をすることのようで(笑) 作曲家の本来の考えとはまったく違う曲になったのではないでしょうか。
SOL:「You're My」は自分の感覚を掴むのに少し時間がかかりました。それに、最初はガイドボーカルが歌ってくれていましたし。ガイドと似たような感じで録音したとき、スタッフは皆いいと言ってくれましたが、僕は気に入りませんでした。自分のフィーリングをはっきりとさせて初めてアルバムが完成すると思っていたので。だから、録音を何度もし、もともとあったサウンドを変えました。僕が望む声は別のもので、それをしっかりと表現しようとして、ちゃんと曲を理解し自分のやりたいように録音した後、この曲はこのようなサウンドを使いたいと話したのです。他の曲も同じです。
―「You're My」は確実に、ひと息で歌わなければならない曲なので、自分のフィーリングをどのようにキープするのかが大事になってくるように思います。
SOL:はい。正直、録音には時間がかかりました(笑) ずっとどのように歌えばいいのか悩んだ末に、頭の中をからっぽにしてただ感じるままに歌いましたが、そうしたら一発でOKが出ました(笑)
―自己主張をした分、スタッフとの人間関係が変わったりはしませんでしたか?今回のアルバムは最近の韓国のトレンドとは違う、どちらかと言えばゆったりとしたリズムの中で、声の変化でもって曲を展開させていますが、そのようなアルバムを制作しようとした時、多くの人を説得させなければならなかったのでは。
SOL:今回のアルバム制作過程で一番勉強になったのが、人間関係です。まず自分の意見を主張する前に相手の考えを聞き、その次に十分に話し合いをしながら自分が希望することを少しずつ主張する過程が大切でした。
―以前はそのように話をするのが難しかったのでしょうか?
SOL:そうです。以前はそのような話をどのようにすれば良いのかよく分からなかったですし、自分が希望する方向でない時は、正直…そのままそっぽを向いて「やらない」と言っていました。
―相変わらず忙しいでしょう(笑) 「I'll Be There」のプロモーションもあるし、ライブの準備もされていますし。
SOL:はい、最近は大変です(笑) 「I'll Be There」についてはライブ前まで活動しようと思っています。
―バラエティ番組SBS「強心臓(カンシムジャン)」で、少女時代のライブを観て一番目を引いたのはLEDとおっしゃっていましたが(笑) これはライブで使う予定はありますか?
SOL:まだわかりません(笑)
「ステージに立ったとき、一番自分を見せることができる」
写真提供=YG ENTERTAINMENT
―ライブで特に気を遣う部分はありますか?SOL:すべてのことに気を遣います(笑) やはり、今回のアルバムの曲のほとんどを初めて披露するので、新曲に一番気を遣います。今回は曲の流れがあるため、その流れをコンサートでどのように見せようかについて悩んでいます。
―おっしゃる通り、今回のアルバムは流れがあると感じています。でも、この流れがアルバムの8曲目である「After You Fall Asleep」から分かれるかと思います。7曲目までの流れと、「After You Fall Asleep」からは、変わりますよね。アルバムの収録曲を一度“ひっくり返した”とおっしゃいましたが、7曲目まではそうした後の曲なのでしょうか?
SOL:7曲目までは、実際にアルバムをひっくり返した後の曲です。2009年はとてもつらい時期でした。自分自身の気持ちもそうですし、状況もそうですし。しかし、心を開かないまま音楽と仕事をすると、音楽で感情を伝えるのは難しいと思うようになりました。何だか世界と遮断された感じと言うか。だから、心をちゃんと開いた時の曲が、1曲目から7曲目でした。
―以前も2009年はつらい年だったと聞きましたが、何か特別なことでもありましたか?
SOL:何と言うか…歌手として3年が過ぎてみると、慌ただしくステージに立ち、続けてアルバムを出さなければならず、時間的に余裕が無いのに作り出さなければらなくて。そんな状況が続き、いつの日かやりたくてやっているというよりは、何の感情もなくひたすらにこなしているのだと思えてきたんです。それが2009年でした。
―そのような状況は、人気ミュージシャンなら誰でも一度は通る道のようですが、音楽自体に対してのプレッシャーが他の誰よりも大きかったのではないでしょうか。
SOL:だから去年は辛かったです。そんな悩みが、僕が心を閉ざした原因のようです。時間が経つに従って幸せでない状態から、やむを得ず消費するための音楽を作らなければならない状況になり、とても辛く感じました。でも、ふとした瞬間、これではダメだと悟りました。そうやって考えて心を開いたら、それ以外の他のものが色々と見え始めたんです。だから今回のアルバムを制作できたんです。それができていなかったら、未だにアルバムは出せていなかったと思います。
―音楽のための音楽ではなく、自身のための音楽ができるようになったということでしょうか。
SOL:それが答えでした。僕は幸せになりたい思いから、音楽をしていました。でも、その観点でずっと音楽のことだけを考えて悩んでいたため、自分でも楽しくなくて、気づけば音楽だけしか考えない生活になっていたんです。
―なぜそのように音楽を大切に想うのでしょうか。
SOL:初めて仕事をした時からそうだったのですが、僕にとって音楽をしているということ自体が大切なんです。人々に対して自分を表現をしたり、気持ちを表すことについて、とても恥ずかしいと思うことがあります。幼いころから、何か感じたことがあると、それを自分の中の深いところで考えてたりしました。音楽は、僕にそんな感情を与えてくれる大切なものなんです。人と頻繁に会うよりも音楽を聴いて感動し、何かを感じることのほうが多かったです。直接経験しなくても多くのことに感動したり、心を表現できたんです。それで音楽をして、ステージに上がった瞬間は自分の感情を一番表現出来るし、また、自分を一番よく見せることもできます。
「今回のアルバム制作で、一番勉強になったのは人間関係」
―完成に近づいていたアルバムを、再び1曲目から7曲目まで変えたのは、そのためでしょうか。感情の変化によって、音楽で表現したいことも変わりますし。SOL:はい、気持ちが変わったので。前までそうすることはとても難しかったのですが、今はどんな曲であれ、自分のカラーに染めることができるという自信があるので、前とは違った音楽ができるようになったんです。今回のアルバム制作でとても良かった点は、つらい時期を経て自分の心を探し当てたということでした。だから、一度完成したアルバムをひっくり返したんです。このままでは良い結果を得られることができないと思ったから、そうやって悩んだ末に、今のアルバムを完成させることができたんです。
―そのように音楽を通じて自分の繊細な感情を表現するに至ったようですね。今までのアルバムには、作られた音楽をしっかりと自分のものにしたという感じを受けましたが、今回は自身が、曲の雰囲気を一つ一つ作っていったという気がします。「I Need A Girl」だけを見ても、声を伸ばすのか切るのか、キーを上げるか上げないかで、曲が全く変わってしまうほどボーカルの役割は大切なんだと感じました。
SOL:抽象的なことなのかもしれませんが、前より音楽の繊細な部分を感じて歌うことができたのは、大きな変化だと思います。この曲を歌ったとき、自分の感じに合うように歌わなければならないと思いました。だから、ボーカルの役割は大きいですし、歌うことにさらに気を遣います。声ですべてのことを調節しなければなりませんから。前まではリズムやサウンドにとても気を遣っていたのですが、今は声の雰囲気に重点を置こうとしています。
―そういった点で、今回のアルバムはガイドボーカル(歌手が歌を録音する前にメロディーを歌うボーカル)が必要なかったのではないでしょうか。本人がどのように歌うのかによって、メロディーが変わってしまいますから。
SOL:「I Need A Girl」は他の方が作曲した曲なので、ガイドはありました。でもそれ以外の曲はプロデューサーと一緒に作業し感情のままに歌い、すぐに録音しました。ガイドの歌を聴いて録音した曲は、ほとんどありません。ガイドが歌ってくれたとしても、プロデューサーが全体的な感じや表現について自由にさせてくれる方でもありましたし。
―「You're My」は特にそうでしたね。ピアノのみ、あとは声だけの曲だから、歌詞をどのように受け止めるのか、アドリブを入れるのかによって曲が完全に変わってしまう場合もありますよね。他の見方をすれば、歌を歌うこと自体が作曲をすることのようで(笑) 作曲家の本来の考えとはまったく違う曲になったのではないでしょうか。
SOL:「You're My」は自分の感覚を掴むのに少し時間がかかりました。それに、最初はガイドボーカルが歌ってくれていましたし。ガイドと似たような感じで録音したとき、スタッフは皆いいと言ってくれましたが、僕は気に入りませんでした。自分のフィーリングをはっきりとさせて初めてアルバムが完成すると思っていたので。だから、録音を何度もし、もともとあったサウンドを変えました。僕が望む声は別のもので、それをしっかりと表現しようとして、ちゃんと曲を理解し自分のやりたいように録音した後、この曲はこのようなサウンドを使いたいと話したのです。他の曲も同じです。
―「You're My」は確実に、ひと息で歌わなければならない曲なので、自分のフィーリングをどのようにキープするのかが大事になってくるように思います。
SOL:はい。正直、録音には時間がかかりました(笑) ずっとどのように歌えばいいのか悩んだ末に、頭の中をからっぽにしてただ感じるままに歌いましたが、そうしたら一発でOKが出ました(笑)
―自己主張をした分、スタッフとの人間関係が変わったりはしませんでしたか?今回のアルバムは最近の韓国のトレンドとは違う、どちらかと言えばゆったりとしたリズムの中で、声の変化でもって曲を展開させていますが、そのようなアルバムを制作しようとした時、多くの人を説得させなければならなかったのでは。
SOL:今回のアルバム制作過程で一番勉強になったのが、人間関係です。まず自分の意見を主張する前に相手の考えを聞き、その次に十分に話し合いをしながら自分が希望することを少しずつ主張する過程が大切でした。
―以前はそのように話をするのが難しかったのでしょうか?
SOL:そうです。以前はそのような話をどのようにすれば良いのかよく分からなかったですし、自分が希望する方向でない時は、正直…そのままそっぽを向いて「やらない」と言っていました。
記者 : カン・ミョンソク、編集 : イ・ジヘ 翻訳 : 平川留里