【CLOSE UP】Block B ― イメージ管理のようなものは、僕たちには必要ありません

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あっという間にスタジオが埋まった。7人もの若い男がどっと流れ込んできたが、それは決して狭苦しくなったということではない。スペースを埋め尽くしたのは、彼らが放つエネルギーだ。それぞれが明るく挨拶を終えるとすぐに、鏡を出して身なりを整え、短くやりとりをした後に自ら撮影を準備する姿勢からは、新人らしいの物怖じした姿はかけらも見当たらない。そしてその場の空気さえも変えるほどの自由奔放さが適度なタイミングにたどり着いた瞬間、リーダーのジコ(ZICO)がメンバー全員をカメラの前に呼び集めた。Block Bはそのように動くチームだ。


「アイドル」の許容範囲を軽く超えてしまったアイドル

実際、ヒップホップというジャンルも、7という数字も、アイドルというアイデンティティも、これ以上メリットにはなりにくい飽和状態の市場ではあるものの、2010年の4月に「Rap、dance、performence/想像以上の何かを見せるから信じて/僕たちにはリハーサルはいらない」(「Wanna B」より)という挑発的な歌詞で華やかに現れた彼らの歌声は、思いきりが良い。

10代からインディーズのヒップホップ界で活躍していたラッパーのジコは、過去の彼を知る人々のほとんどが意外に思った“転向”について、「ラッパーもいいけど、いつかプロデューサーや制作者にもなりたくて、メインストリートでもう少し多くの人が僕の歌を口ずさんでもらえるようになりたかったんです。僕はまだ若いから、僕が望む音楽に関わることのできる時間は長いし、その前に挑戦できることはみんなしてしまおうと思っています」と、明快な説明をした。

ジコとは小学生の頃からの友人で、やはりインディーズで活動してきたパクキョン(PARK KYUNG)は、笑いながら「女の子にモテたくて音楽を始めました。(効果は)すごかったんですよ。今はデビューしたからセーブしてるけど」との軽い冗談を口にするほど、アイドルの許容範囲を軽く乗り越える。

そのため「イメージ管理のようなものは、僕たちには必要ありません」と言う“笑顔担当”のユグォン(U-KWON)の言葉通り、NTVリアリティー番組「MATCH UP」で、無防備な下着姿でカメラの前に現れ、ミッションを遂行するよりもお互いを懲らしめることに命を懸けるようなこの青年たちは、今までに登場したどんなアイドルよりもずっと“強いキャラクター”だ。

一番年上だが、一番あどけない外見のため“赤ちゃんテイル”とあだ名を付けられてしまったメインボーカルのテイル(TAEIL)は、早くに音楽への進路を定め、6年以上をトレーニングに費やしてきた努力家だ。体格が大きく声も大きい年下のメンバーらの中にいても、自身のペースを乱さない。

末っ子ながらも、その低い声だけを聞けば一番年上のようなP.Oは、初期メンバーのオーディションで脱落したものの、すぐに10キロ減量して再チャレンジし、合格したほどの根性を持ち、ただダンスとステージパフォーマンスにしか関心がないというビボム(B-BOMB)は、宿舎で“妹”を育ててみたいと言うほどの大胆な一面を持ち合わせている。

誰が見ても“チームの顔”であるイケメンのジェヒョ(JAEHYO)は、実際は宿舎に入ってきた蛾が怖くて大騒ぎするほどだが、バラエティ番組に出演しては「メンバーたちのために」ポンテギ(蚕のさなぎ煮)の缶詰めを食べるほど、チームに対する愛情は深い。もちろん照れくさいことが苦手なメンバーたちだから、「あえて食べる必要はなかった」と冷たい言葉を口にするものの、お互いの一挙手一投足に注目し、からかうことに忙しい彼らの間には、ひとつの船に乗った高校3年の受験生らと同じような熱い友情を垣間見ることができる。


マグマが煮えたぎる瞬間

しかし、止まることなく疾走してきた道の上で遮られた情熱は、その場に止まる瞬間に灰になって燃え上がる。ジコやパクキョンが作詞、作曲のほとんどに携わったミニアルバム「New Kids on the Block」は、Block Bのカラーをひときわ明確にさせたが、新人でありしかも大手プロダクションに所属しているわけでもない彼らにとって、ずっと切実な問題だったのは、地上波の音楽番組という舞台だった。

「僕たちに10分という時間が与えられたら、3分ずつ分けて3回出演させてくれと言うでしょう。いや、他の新人たちに3分、3分ずつ分け与えて、僕たちは3分出演するだけでも良いです。僕たちと同じような境遇にいる方たちは、他にも確かにいるだろうから」という言葉は、誰よりもその切迫感を知っているからこそ出てきた答えだろう。

人々に何を見せたいのかという質問に、少しのためらいも無く“僕たち”と答えた彼らの原動力は、今まで何かを成し遂げたから抱く自負心ではなく、今後何であれ成し遂げることができるという自信だ。そのため今は、ゆっくり加熱されてきたマグマが煮えたぎっている時期だ。爆発の瞬間は、予想以上に早く来るかもしれない。

記者 : チェ・ジウン、写真:チェ・ギウォン、編集:イ・ジヘ、翻訳:平川留里