【2011放送決算】ハン・ソッキュ、シン・ハギュン、ユン・ジェムン「これこそが俳優だ」

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TVリポート DB
スクリーンで活躍していた俳優たちが続々とドラマに移動している。熟成した演技を披露したハン・ソッキュ、無愛想なカリスマで圧倒したシン・ハギュン、表情だけも芝居ができるユン・ジェムン、言葉がいらないほど存在感の大きいキム・ジョンテまで。今年1年、ドラマを豊かにした映画俳優たちの活躍を集めてみた。

ハン・ソッキュ、優しくも実直だが、冷徹なイ・ド

16年ぶりにテレビに戻ってきたハン・ソッキュは、圧倒的なカリスマで韓国のお茶の間を席巻した。朝鮮世宗(セジョン)時代の訓民正音(フンミンジョンウム、ハングルのこと)頒布に関する物語を描いたSBSドラマ「根の深い木~世宗(セジョン)大王の誓い~」(キム・ヨンヒョン脚本、チャン・テユ演出、以下「根の深い木」)で、彼はイ・ド(世宗)として重みのある演技を披露した。

仁慈な風貌に髭までつけた彼は、イ・ドと完璧にシンクロをし、また素晴らしい演技力で視聴者の心を鷲掴みにした。ハン・ソッキュの好演に後押しされ、「根の深い木」は連日、自己最高の視聴率を記録し、魔の20%を超え、水木ドラマの王座についた。

ハン・ソッキュは、今月31日に行われるSBS「演技大賞」で大賞候補に名前が挙がった。「大賞はハン・ソッキュ」という意見が圧倒的だ。1994年、MBCドラマ「ソウルの月」でスターとなった彼は、そのままスクリーンに進出し、「シュリ」「8月のクリスマス」などで人気を博したが、2000年代に入ってからは「白夜行」「2階の悪党」などが振るわず、人気が低迷していた。しかし、「根の深い木」での好演で、再び全盛期を迎えた。

シン・ハギュン、ツンとしているが、愛の前ではピュアなイ・ガンフン

昨年、ケーブルテレビtvNの「危機一髪!プンニョンマンション」(チャン・ハンジュン脚本、チョ・ヒョンタク演出)で7年ぶりにテレビドラマに出演したシン・ハギュンは、KBS 2TVドラマ「ブレイン 愛と野望」(ユン・ギョンア脚本、ユ・ヒョンギ演出)で冷徹な医師イ・ガンフン役を演じ、視聴者の心を掴んだ。

物語の序盤では自己中心的で、わがままだったガンフンは、ユン・ジヘ(チェ・ジョンウォン)に出会い徐々に変わっていく。カドナム(冷たい都会の男)で、すぐ怒鳴りつける男にしか見えなかった彼も、愛の前ではピュアな心を表し、女性視聴者の心を虜にしている。特に、イ・ガンフンとユン・ジの“バブルガムキス”は、キスの新たなパラダイムを提示し、大きな反響を呼んだ。

SBSの「根の深い木」にハン・ソッキュがいるとしたら、「ブレイン 愛と野望」にはシン・ハギュンがいる。シン・ハギュンは今月31日、ソウル汝矣島(ヨイド)のKBS公開ホールで行われるKBS「演技大賞」の大賞候補となっており、受賞できるかどうかに関心が集まっている。

ユン・ジェムン、表情演技の達人

MBCドラマ「総合病院2」(2008)、KBS 2TVドラマ「アイリス シーズン1」(2009)以降、テレビ出演があまりなかったユン・ジェムンは今年、SBSの「マイダス」(チェ・ワンギュ脚本、イ・チャンミン演出)で野望に対して貪欲な役を演じ、「根の深い木」で視聴者を完全に圧倒した。

「根の深い木」の序盤で、視聴者たちは、半村(成均館の下で働く浅民たちが集まって暮らす村)の奴婢カリオン役を演じるユン・ジェムンを見たときに目を疑った。「ユン・ジェムンがこんな役で出るはずがない」ということだった。スクリーンで存在感のある脇役として活躍している彼が、小さい役を演じるのを見て、視聴者は「何かあるはず」と推測した。そして、ユン・ジェムンは視聴者の期待に見事応えた。

ドラマの中盤部、カリオンは密本の首長、チョン・ギジュンであることが明らかになり、彼はイ・ドと熾烈な頭脳戦を繰り広げた。カリオンの演技する表情、ハン・ソッキュと緊張感あふれる対立構図を演じたユン・ジェムンは、涙の演技も一級品だった。犯人に見立てられ、追い込まれた末にカン・チェユンに捕まえられたとき、涙ぐむ彼の姿は名シーンに選ばれた。

キム・ジョンテ、ドラマを制した能力者

今年、高い存在感を示した俳優はなんといってもキム・ジョンテだ。彼はSBSドラマ「プランダン 不汗党」(2008)、「太陽を飲み込め」(2009)、「赤と黒」(2010)など多数の作品に出演したが、今年はとりわけ、忙しい1年を過ごした。SBSドラマ「サイン」(キム・ウニ脚本、キム・ヒョンシク演出)で頭角を現し、チャンネルCGVのTVムービー「少女K」(キム・ジョンヒョン演出)では3部作という短い時間に強烈な印象を植え付けた。

また、MBC「ミス・リプリー」(キム・ソンヨン脚本、チェ・イソプ演出)ではヒラヤマ役を演じ、見事に悪人を演じきった。友情出演でドラマを始めたキム・ジョンテの比重は、時間が経つにつれ増えていった。登場するたびに逆転のある役を演じ、自分の魅力を存分に発揮した。

彼の魅力はそれだけではなかった。キム・ジョンテは、KBS 2TV 「ハッピーサンデー-1泊2日」助演特集に出演し、華麗なるトークを繰り広げ話題の人物となった。彼の妻チョン・ヨジンさんと息子のジフンくんまで関心を集め、話題をさらった。そして彼は、来年1月30日から放送されるKBS 2TVの「ドリームハイ2」(ホ・ソンへ脚本、イ・ウンボク演出)で教師役を演じる。彼の大きな存在感が再び発揮できるのか、期待が寄せられている。

記者 : チェ・ミンジ