宇宙とコネクトするX-POPグループXG!海外での実績を武器に日本へ逆輸入

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2023年に初開催された日韓共同プロジェクト「K-STAR Most Valuable Artist(K-STAR MVA)」。ファンによる投票が100%反映されるもので、XGがネクストスター部門で受賞。今回、1位に輝いたXGの魅力を改めて分析する。

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2022年1月、「XGALX - The Beginning」と題したコンテンツに続き、メンバーのダンス、ラップ、ボーカルの動画がアップされ、XGへの期待が徐々に高まっていく。7人は、3月のデビュー・シングル「Tippy Toes」で全貌を露にし、「世界の勢力図、変えて見せる。皆で最高傑作になる」と既存の音楽シーンへ宣戦布告。「驚くのはまだ早い」とばかりに「これはただの序章にすぎない」とのメッセージを放つと、そのクールな音楽に世界中が反応!! iTunes Song Ranking(Alternative)では、7ヶ国で1位を獲得し、ここからXGの快進撃が始まった。

7人の日本人メンバーからなるXG。だが、可憐なパフォーマンスで、ドメスティック・マーケットを主戦場とするJ-POPガールズ・グループとは一線を画し、7人は全ての曲を英語で歌い、スタート地点から日本をスキップする。最初から世界に向けて発信し、地球規模での勝負を挑んだのだ。



XGを統括するのはかつてDMTN(ダルメシアン)というK-POPボーイズ・グループで活躍したサイモンで、彼は「JAPAN KOREA PRODUCE BY SIMON」を意味するJAKOPS名義で7人を世に送り出す。日韓を往復するメンバーにはK-POP式のトレーニングが課され、それは5年に及んだ。育成過程だけでなく、SNSを積極的に活用するプロモーション、ハイクオリティなPV、ガールズK-POPの柱になっているガールクラッシュなイメージ、シンクロ率150%の群舞など、デビュー後の在り方もK-POPを強くイメージさせる。また、テレビ初登場も韓国の音楽番組「M COUNTDOWN」で行われ、日本での初ステージもK-POPの祭典「KCON JAPAN 2023」となれば、誰もが「XG=K-POP」と思うかもしれない。が、XGにとってJ-POP、K-POPといったカテゴライズは無用で、サイモンはXGの音楽をX-POPと規定し、世界基準のガールズ・グループを作りあげていく。そのため、「billboard」「Forbes JAPAN」「VOGUE JAPAN」など、世界的に信頼を集める雑誌の表紙を飾るのも必然のことだった。



総フォロワー数700万以上というSNSを通して、世界中に旋風を巻き起こしている7人。中でも、一番バズった動画はココナ、マヤ、ハーヴィー、ジュリンが英日韓のトリリンガル・マイクリレーを演じる「GALZ XYPHER」だった。ジュリンはレゲトンとジャズを不穏にフュージョンさせた「SAOKO」(原曲:バルセロナの歌姫、ロザリア)でラップするなど、4人のビート選びも秀逸で、アレサ・フランクリンの「I Know I Can't Afford To Stop」をサンプリングしたJ.I.Dの「Surround Sound」のビートの上で舞うココナにはJ.I.D本人も称賛のレスポンス。ソウルの女王、アレサの歌声の上で、次世代ラップ・クィーン、ココナがスキルフルにラップをキメる様はゾクゾクものだ。

また、R&BクィーンのシアラとGOT7出身のジャクソン・ワンは「Coachella 2023」で、XGの3rdシングル「LEFT RIGHT」をリミックスバージョンで演じ、巨大モニターにはXGも登場。シアラとの“共演”はXG人気を更に押し上げた。さらにアジアのヒップホップを発信するレーベル「88rising」主催のフェス「Head In The Clouds Festival」に招聘され、ニューヨーク、ロサンゼルスのステージにも降臨。そのパフォーマンスは、ヒップホップの本場、アメリカの聴衆をも熱狂させ、SNSでヒートアップした興奮はリアルな現場にも波及している。

グループ名は“Xtraordinary Girls”の略で、日本語にするなら、“桁外れの、並外れた女の子たち”となる。XGの歌は自分たちへの自信に溢れ、ステージングにもそのプライドがキラキラと光り、輝きに満ちる。また今年9月に発表した1stミニ・アルバム『NEW DNA』では、自分たちを、常識にも枠にも囚われることのない、未知なるX遺伝子から生まれた“新たな種族”と謳う。新たな種族ゆえ、彼女らにとって他人との比較なんて意味がない。「自分を愛して、自分を信じて、前進しよう。そして自分がなりたい自分になろう」と呼びかけるメッセージは常に一貫し、2ndシングル「MASCARA」でも、同世代の女性を力強く鼓舞している。「挑戦する姿を皆さんにお届けし、XGの歌を通して、世界中の沢山の方々に、夢、希望、勇気、喜びを与えたい」と、歌とステージで世界中をエンパワーするーそれこそがXGの最大の魅力だ。

もう一つのポイントはそのスケールのデカさ。ジュリアは「別次元のギャラクシー(銀河)から願いを放つ」と歌い、マヤは自分たちのラップを「Intergallactical(銀河間空間)での戦術的なフロー」と表現している。このようにメンバーの歌は宇宙の彼方を連想させ、ファンに向け「一緒に宇宙へ行こう」と呼びかける。7人の並外れたステージは、最早、地球の規模では図ることが出来ず、既に銀河系基準に達している。大気圏を突き抜ける勢いのアストロ級な世界観とポテンシャルがXGのパフォーマンスを支えているのだ。

リーダーとしてチームを束ねるジュリン、オールラウンドな歌唱力を誇るチサ、透明感のある歌声でラブリーにさせるジュリア、イルなラップが光るココナとハーヴィー、朗らかに周囲をチアアップするマヤ、しなやかなダンスが魅力のヒナタ、そんな個性豊かな7人の結束は固く、メンバーは“へその緒”で結ばれていると話す。つまり、この世に生を受ける前から7人は一つになる運命だったわけで、メンバーは、円陣を組む時も「へその緒」コールで気合を入れる。さらに「ALPHAZ(XGのファン)とも“へその緒”で繋がっている」と明かすXG。そんな絆の強さこそが、世界的な人気の秘密でもある。

また、日本のALPHAZ的には、アメリカ、シンガポール、オーストラリア、アラブ首長国連邦など、海外を転戦するXGが海外のアーティストのように映った。日本でのメディア露出は抑えられ、日本の音楽番組にも出演していないことから、ALPHAZ以外の日本のリスナーにとって、7人はベールに包まれた存在だった。「もっと日本でも活動してほしい。もっとALPHAZ以外にも知ってほしい」と願うファンの声に応えるように、11月、XGは海外での実績を引っ提げて横浜で単独公演を行い、遂に日本本格上陸を果たす。



そして12月にニュー・シングル「WINTER WITHOUT YOU」をリリースすると、美しくも切なげなスロウ・ジャムR&Bに、ファンは「泣ける」と反応を見せた。特に魅惑のボーカルワークを爆発させたマヤには「ヤバい」との声が! またPVのオープニングではチサが「お元気ですかー? 私は元気でーす!」と叫ぶのだが、もちろん、これは岩井俊二監督『Love Letter』(1995年)へのオマージュ。ファンがそれを指摘すると、JAKOPSは拍手と宇宙人の絵文字で肯定し、韓国でも大ヒットした『Love Letter』からの引用は、JAKOPSならではの仕掛けか。「LEFT RIGHT」が米国「Rolling Stone」が選ぶ「2003、年間ベストソング100選」に日本人アーティストとして唯一リストアップされ、注目度は高まる一方。2024年はワールドツアーも予定し、XGの進撃は止まらない。

(執筆:きむ・たく)

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「K-STAR Most Valuable Artist(K-STAR MVA)」
「K-STAR MVA」特設サイト

<投票期間>
2023年9月26日(火)17:00~2023年10月11日(水)23:59

<各部門受賞者>
・BEST ARTIST(Men):BTS ジン
・BEST ARTIST(Women):NiziU
・NEXT STAR(Men):n․SSign
・NEXT STAR(Women):XG

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記者 : Kstyle編集部