「天命の城」イ・ビョンホン“観客1000万人動員?それよりも心に響く映画になってほしい”

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写真=1st Look
「観客1000万人動員? 良いことだが、1000万人の動員ができなくても、心に響く映画になってほしい」

イ・ビョンホンは、主演を務めた映画「天命の城」のマスコミ向け試写会で、興行を期待する反応に慎重な態度を見せた。観客は多くなくても長く記憶に残る映画になってほしいと願った。

最近、ソウル三清洞(サムチョンドン) HUE PLACEでは、「天命の城」主演のイ・ビョンホンのラウンドインタビューが行われた。「天命の城」を見た感想や監督、俳優とのビハインドストーリー、“信頼できる俳優”という修飾語に対する考えを正直に話した。

「天命の城」は1636年仁祖(インジョ) 14年丙子の乱、進むところも退くところもない孤立無援の天命の城の中、朝鮮の運命がかかった最も熾烈な47日間の物語を描いた作品だ。

イ・ビョンホンは瞬間の恥辱を耐え、将来の事を選ぶようにと主張する吏曹判書(イジョパンソ:人事考課などを司る長官) チェ・ミョンギル役を演じた。朝廷の非難の中でも敵陣に一人で向かい、危機を乗り越えようとする人物だ。反対の立場を見せるキム・サンホン(キム・ユンソク) と激しく対立する。

「天命の城」は、「王になった男」で王と賤民を行き来する一人二役をこなして、観客1000万人をとらえたイ・ビョンホンが5年ぶりに選んだ時代劇として関心を集めた。ファン・ドンヒョク監督は「説得力と真心を同時に表現できる俳優はイ・ビョンホンしかいないと思い、毎瞬間イ・ビョンホンの演技に感嘆した」と絶賛した。

ところがこの映画にはイ・ビョンホンの他にもキム・ユンソク、パク・ヘイル、パク・ヒスン、コ・ス、チョ・ウジンなどの実力派俳優たちが多く出演する。単独主人公としても十分興行成績を上げることができる俳優たちだ。観客たちの期待は高まるが、俳優たちにはプレッシャーになりかねない。

イ・ビョンホンは「新しく作品に入ると、スタッフと俳優たちの組み合わせをみる。今回は期待と緊張が半分半分だった。初めて共演する俳優も多いので相性がどうか心配もあれば、ときめいたりもした。そんな気分が混ざった妙な興奮があった」と話した。

作業現場の雰囲気は良かった。一方、撮影に入る時はイ・ビョンホンも緊張するしかなかった。

「難しい言葉も多く、見慣れない単語も出てきて思わず緊張していたと思う。台本を見る時の姿勢が他の時とは異なっていた。全てのスタッフや監督、俳優たちも緊張しながら準備したと思う。僕とキム・ユンソクさんもそうだけど、その間で言い返したり、ずっと見守らなければならないパク・ヘイル(仁祖役) が一番緊張していたと思う」

「天命の城」はイ・ビョンホンとキム・ユンソクの演技対決を見るだけでも価値のある作品だ。なかなか共演できない俳優たちの出会いだからだ。イ・ビョンホンはキム・ユンソクとの息について「演技について話したことはないけど、声が大きく、熱の多い俳優だと思った」と話した。

映画ではチェ・ミョンギルとイ・サンホンが仁祖の前でセリフをやりとりする。対面して演技をするシーンが少なく、キム・ユンソクの表情があまり見れなかったというイ・ビョンホンは、後半に登場したシーンを思い出しながら「キム・ユンソクさんが投げたセリフと表情が胸に刺さった」と感銘を示した。

「天命の城」は歴史的な事実に基づいているため、重みのある映画だ。イ・ビョンホンは「大きな響きを受けてこの作品の出演を決めた」とし、「出演を決める時、僕に響いたのかどうかが大きな基準となる。監督の芸術になるか、俳優の芸術になるかは重要じゃない。『天命の城』の場合その響きがより深く、大きいだろうと思う」と満足感を示した。

「天命の城」に対するイ・ビョンホンの姿勢は作品全体に対する彼の態度と同じ脈略だ。“信頼できる俳優”と評価されるイ・ビョンホンが作品を選ぶ態度のことだ。彼は自身に対する評価には感謝すると言いながらも「それを意識したら映画を選ぶ範囲が狭くなるのではないかと思う。イ・ビョンホンが出演する映画は全部興行すると思われたらどうしようと思うからだ」と話した。

「僕はそういうもの(修飾語) からいつも逃れようとする。僕の考えが確かじゃないかもしれないが、僕の映画のファンがイ・ビョンホンの映画なら全部観てもいいと思うより、イ・ビョンホンのフィルモグラフィにはいろんな作品があるから選ぶことができると思ってくれたほうがいい」と語った。

「天命の城」は「トガニ 幼き瞳の告発」「怪しい彼女」のファン・ドンヒョク監督がメガホンをとった。「ラストエンペラー」「レヴェナント:蘇えりし者」の音楽を担当した坂本龍一が韓国映画としては初めて「天命の城」の音楽を担当し、話題を集めた。

「天命の城」は秋夕(チュソク:日本のお盆に当たる韓国の祭日) 連休である10月3日に韓国で公開される。

記者 : イ・ウイン