沈没事故による芸能人の寄付…果たして「いくら寄付した」が重要なのか

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寄付額、寄付有無を重視する一部の大衆…本当の非難は彼らに向けられるべき

写真=クォン・ウソン
国家レベルの悲劇の前でも、芸能人は芸能人であるしかなかった。韓国が悲しみに浸っている時にも、芸能人は国民の一員である前に、話題を生産する芸能人としての役割を果たすしかなかった。今だけは彼らも話題を生産する対象ではなく、ただ1人の韓国国民であるべきだった。しかし、そうはならず、なれなかった。苦い気持ちだった。時には怒りを感じた。

セウォル号沈没事故のためにソン・スンホンが1億ウォンを寄付した。その後を次ぎ、チャ・スンウォン、ハ・ジウォン、キム・スヒョン、チュ・サンウクなどが巨額を寄付したとのニュースが報じられた。ヤン・ヒョンソクが5億ウォンを寄付したとのニュースと共に、総合格闘家の秋山成勲(韓国名:チュ・ソンフン)の家族とmiss A スジが、それぞれ5000万ウォンを寄付したとの報道も続いた。彼らの他にも、名前をそれぞれ並べられないほど数多くの芸能人たちがセウォル号沈没事故のために寄付金を送った。

美しいニュースだ。心の温まる慰みだ。大海原に投げられた家族を捜す人たちの絶叫を見守った国民であれば涙ぐみ、彼らと一緒に泣かずにはいられなかったはずだ。芸能人だとしても、そう違わなかったはずだ。

しかし、一部の大衆は彼らの気持ちの軽重を問い始めた。“模範的な芸能人”とのイメージを作るためのPR手段と冷やかす人もいた。5億ウォンを寄付した芸能人と5000万ウォンを寄付した芸能人の気持ちを天秤にかける人もいた。

さらには、寄付を強要する事態まで起こる。「これだけたくさん寄付する人もいるのに、何もしないとはとんでもない」とし「誰々は寄付して、誰々はしないのは不公平なのではないか」と、下手に問い詰める人たちの声が高まった。結局、この一部の大衆の頑悪な視線は、芸能人が自ら行なった善行を堂々と明かすことができず、隠されることになった。セウォル号沈没事故でも、匿名を要求しながら寄付する芸能人が増えていたという。

自身の名前を掲げたかどうか、PRを目的としているかどうか、寄付の金額、そういったことは大して重要ではない。あえて意図を区分してこそスッキリする数人の人たちには重要なのかもしれないからだ。だからといって、そういった人たちの予測が全て当たるはずもない。誰も人の心をはっきりと見抜くことは出来ず、ただ予測するだけだ。にもかかわらず、まだそれに気づいていない人が存在する。

芸能人たちが匿名で寄付に参加していることは、たくさんのことを考えさせる。韓国は今も涙に濡れている。あまりにも大切で大事な命を、我々は助けることができなかった。このような状況で誰が悪く、誰がもっと助けたのかを判断することに、果たして何の意味があるだろうか。セウォル号沈没事故で苦痛を強いられている人たちが本当に望んでいるのは、このように是非を問うことだろうか。

事故をさらに悲惨にするのは、慰みとは関係ない批判の物差しだ。それも、どこまでも主観的で恥ずかしさすら覚える批判の物差しである。セウォル号沈没事故のために義援金を寄付した芸能人たちは、如何なる批判を受ける理由も名分もない。匿名にしたかどうかによって本心かどうかと評価される理由もない。本当の評価と非難は、歪んだ物差しで世の中を斜めに睨んでいるばかりの人たちに向けられるべきだ。

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記者 : ウム・デソン