「君の声が聞える」ユン・サンヒョン“チャ弁は決してパシリではありません”

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写真=MGBエンターテインメント
外見は地味なチャ・グァヌ弁護士。しかし、1%でも正しい方を選び、真実のために戦う彼の姿は、視聴者に大きな感動を与えた。そして“チャ弁”(チャ弁護士の意)は、チャン・ヘソン(イ・ボヨン)弁護士、超能力少年パク・スハ(イ・ジョンソク)、殺人者ミン・ジュングク(チョン・ウンイン)の全員を成長させた。

ユン・サンヒョンは、最近放送終了したSBSドラマ「君の声がきこえる」でホダン(しっかりしているように見えるが抜けている人)の部分を持っているが、自身の信念や正義を必ず守る、理想高き国選専門弁護士チャ・グァヌを演じ、お茶の間に温かみを伝えた。

しかし、そのような彼も一部の視聴者から「パシリ」「屏風」と呼ばれたりもした。ヘソンの母を殺したミン・ジュングクを弁護士無罪判決を導き出しミン・ジュングクに復讐の機会を与え、不本意ながらもヘソンとスハを危機に陥れたからだ。

ユン・サンヒョンもまた、チャ弁の選択を残念がったが、誰よりチャ弁を理解していた。チャ弁は弁護士としての使命感が徹底しており、自身の信念と原則を守ろうとしたキャラクターだった。そして、困窮に陥った人たち、つまり私たちのために戦ったキャラクターでもあった。それでユン・サンヒョンは「チャ弁のような人が多ければいいと思う」と語った。

以下はユン・サンヒョンとの一問一答である。

―チャ弁のキャラクターについて残念に思うところもあるのでは?

ユン・サンヒョン:ミン・ジュングク、チャン・ヘソン、ソ・ドヨン、パク・スハなどのキャラクターたちが皆蓋然性を持っていたが、僕だけいきなり突き出たキャラクターなので、他のキャラクターたちとの蓋然性に乏しかった。シノプシス(ドラマや舞台など作品のあらすじ)が非常に素晴らしくて出演したかったが、パク・スハ役は高校生だったのでできず、チャ・グァヌは自分の年齢にも合っていたし、僕がうまく出来る役だった。好んで選んだキャラクターではなかったが、この役を通じて他の俳優たちが輝くことができるなら、犠牲になってもいいと思った。

僕がある程度犠牲になりドラマが成長するのならば、役者としてそうすべきだと思う。俳優がいつもいいとこ取りをすることはできない。

―チャ弁への視聴者の反応は、全部が全部良いとは限らなかったが。

ユン・サンヒョン:視聴者たちから「パシリだ」「屏風役じゃないの」というコメントも頂いたが、仕方がなかった。僕なりに、終わってからやり甲斐を感じたのが、チャ・グァヌによってヘソンが成長し、スハも成長し、ミン・ジュングクも成長したということで、後悔はない。

ドラマを撮りながら、書き込みに悪口が多かったのは初めてだった。母に「あんたどうしてミン・ジュングクを弁護したの」と聞かれた。イ・ボヨンは前作でも良いイメージがあったので、母がそういったイメージとして見てくれたが、「あんたはどうしてミン・ジュングクを弁護して悪口を言われるの」と言われた。

写真=MGBエンターテインメント
―チャ弁が屏風、パシリだというコメントに抗弁するなら?

ユン・サンヒョン:ドラマの展開につれヘソン、パク・スハ、ミン・ジュングクのキャラクターが成長する姿を見せるため、チャ・グァヌのキャラクターを入れたと思う。「パシリ」や「屏風」ではなく、あのキャラクターがなぜあのドラマに入ってあのような役をやっていて、あのように登場したのかは、ドラマを改めて観たら分かってもらえると思う。

―視聴者の反応の中で一番嬉しかったのは?

ユン・サンヒョン:ネットユーザーたちが「君の声が聞える」でイ・ジョンソクと僕が対立するシーンがあれば「シークレット・ガーデン」の似たようなシーンと比較する投稿をして、ジェスチャーや口調を比較分析しながら「未だにユン・サンヒョンはオスカーから抜け出せてないな」という反応を見せていた。「シークレット・ガーデン」でのオスカーのイメージが強かったのでそのイメージを拭いたかったが、「君の声が聞える」が終わってから、僕をチャ弁のイメージとして見てくれて、本当に嬉しかった。

―チャ弁から教わったことは?

ユン・サンヒョン:チャ・グァヌを演じながら、韓国にはチャ・グァヌのような弁護士が必要だと思った。単純に弁護士は、誰かの代わりに言葉だけ伝える人だと思っていた。弁護士がどのようなミッションを持ち、人にどのように接し私たちをどのように手伝ってくれるかがわからなかった。

弁護士はお金をもらって僕の代わりに法廷で法的に僕を勝たせてくれる人だと思っていたが、弁護士がこのような人だということを、チャ・グァヌを通じて大いに教わった。チャ弁は生真面目で正しい面があるが、ヘソンもそれを見ながら変わっていった。チャ・グァヌは1%でも正しい方を選ぶが、私たちはそれを知らないで生きているではないか。

―撮影がほとんど生放送に近い形で行われたが、一夜漬けの台本はなかったか。

ユン・サンヒョン:パク・ヘリョン脚本家は、そのようにしなかった。いつも一週間前に台本をくれた。そして、僕が弁護士役だったので、うまく弁論するには台詞が口に慣れるように確実に覚えておかなければならなかったので、撮影に取り掛かる前に脚本家に、一夜漬けの台本はやめてくれとお願いした。パク・ヘリョン脚本家は、今まで撮影前日に台本を配ったこともないし、本人も心配症なので、いち早く書いておくタイプだと話した。それで、台本を予め書いておき、一週間前にくれた。

―次はどのような役に挑戦してみたいか?

ユン・サンヒョン:出演したドラマで足りなかったことを、次のドラマで披露しなければならない。コミカル、または性格の良いイメージとして思われているが、今回は笑顔も見せず言葉も投げるような、そんな悪い男を演じてみたい。悪役も是非一度やってみたい。

記者 : カン・ソジョン