ロックフェスティバル、週に1回ずつ開催…“これでは共に破滅するのでは?”

OSEN |

写真=ANSAN VALLEY ROCK FRESTIVAL、CJ E&M
「誰がこんなに行くんですか?」

なんと、週に1回ずつだ。暑い夏を楽しむ公演マニアのためのロックフェスティバルが週1で開催され、観客誘致に乗り出している。需要はそのままで、供給は溢れ出ている。当然懸念の声も上がっている。

CJ E&Mが26~28日に開催した「2013 ANSAN VALLEY ROCK FESTIVAL」は総観客数7万8千人(主催集計)を動員した。昨年CJ E&Mが京畿道(キョンギド)利川(イチョン)市の芝山(チサン)で開催した「2012 JISAN VALLEY ROCK FESTIVAL」が10万人を突破し爆発的な人気を集めたことに比べると多少物足りない成績だ。ラインアップによって観客数が変わることがあるにせよ、どうしてもフェスティバルが増えすぎたため、観客分散現象も起こりかねないと解釈されている。現場に訪れた観客は「予想よりかなり閑散としていた」と口を揃えている。

これから次々と開催を目前に控えているロックフェスティバルも緊張しているのは同じだ。8月2~4日には2つのロックフェスティバルが同時に開催される。既に他のライブフェスティバルに観客を奪われた状態で、再び観客を両分しなければならないのである。

2つのフェスティバルともロックフェスティバルとして成功神話を残したことがある。「INCHEON PENTAPORT ROCK FESTIVAL」と「JISAN VALLEY ROCK FESTIVAL」がその主人公だ。仁川(インチョン)松島(ソンド)国際都市で開催されるペンタポートは、FALL OUT BOY(フォール・アウト・ボーイ)、ドゥルグクファ(野菊)、SKID ROW(スキッド・ロウ)、YBなど、国内外から30チームがラインアップに名を連ねており、「JISAN VALLEY ROCK FESTIVAL」はシナウィ、イ・スンヨルなどが出演する予定だ。とても強力なラインアップとは言い難い。

その次の週からはソウル都心で開催されるフェスティバルもある。あえて遠出しなくても良いという点で、既存のロックフェスティバルの強力なライバルとして浮上した。8月14~15日にオリンピック公園で開催される「SUPERSONIC 2013」にはチョー・ヨンピル、PET SHOP BOYS(ペット・ショップ・ボーイズ)などが出演する予定で、8月17日~18日には蚕室(チャムシル)総合運動場で開催される「CITYBREAK」にはMETALLICA(メタリカ)とMUSE(ミューズ)がラインアップに登場し期待を集めている。

このようにフェスティバルが増えたのは、ロックフェスティバルが儲かったことから、主催とイベントがたくさん分離されたためだ。ペンタポートから“ペンタポート vs チサン”に、チサンから再び“チサン vs アンサン”に分離するなど、供給を増やしてきた。ここにノンバーバルパフォーマンスNANTA(ナンタ)で有名なPMCプロダクション(SUPERSONIC)とポップスター公演で有名なHyundai Card(CITYBREAK)まで参入した。

フェスティバルが増えると観客はずる賢くなる。フェスティバル全体を楽しむのではなく、自身が観たい公演だけを探して観る。つまりフェスティバルのブランドよりはラインアップが重要になったということだ。ラインアップによってその年の存亡が決まるようになったこと。フェスティバルの関係者は「今やフェスティバルよりは自身が好きなミュージシャンの公演だけを楽しむために、1日券のみを購入するなど、楽しむ方式も変わっている」と伝えた。どのフェスティバルも次の年の成功を楽観できないということだ。

歌手たちもフェスティバルの存亡に関心が高くなるしかない状態。キャスティング競争が激しくなり、ある程度名の知れたミュージシャンには、ほぼ全てのフェスティバルからオファーが殺到する。人気バンドの関係者は「実は全てのフェスティバルから連絡が来る。そのオファーに全部応じると、週に1回フェスティバルに立つことになる。それを防ぐためにフェスティバルのオファーは慎重に検討している」と語った。

フェスティバルは秋にも10回ほど用意されている。これでは共倒れするとの懸念が強いが、ロックフェスティバルの人気は暫く続くとの楽観論もある。ロックフェスティバルの特性上、一度現場を経験すると、次の年にどのフェスティバルであれ行くことになるとのこと。観客を“分け”なければならないという悩みはあるが、差別化に成功すれば勝算はあるとの評価だ。

「ANSAN ROCK VALLEY FESTIVAL」の関係者は「観客数は残念ながら多少物足りないが、中身の評価にはとても満足している」とし「敷地が広くなり、むしろ快適になった。その前は住居団地のため音量制限があったが、今回は制限が解除され思い切りサウンドを楽しめるようになった。これからずっと続ける見込みでANSANに移転しただけに、長期的投資が行われている。成功裏に一歩踏み出したと評価する」と語った。

記者 : イ・ヘリン