【アルバムレビュー】INFINITE“綺麗な顔に運動のできる男子生徒”

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新曲「Man In Love」INFINITEらしく、迫力のある甘い曲

INFINITEはいつも迫力がある。「Man In Love」という曲名とは裏腹に、今回のシングルもそうだ。クラスに1人ずつは必ずいた、綺麗な顔とは裏腹にものすごい運動神経を誇る男子生徒のようだというべきだろうか。シックな姿を掲げた「追撃者(The Chaser)」とは違い、可愛いコンセプトにしたにもかかわらず、サウンドから感じられるタフな質感に変わりはない。この妙な二面性が男らしさを倍増させる。

実は正面から地道に攻め続ける方法だけでも、INFINITEは良い評価に値する。時外れのLMFAOのハウススタイルを批判せず借用したり、間奏の間にしつこくダブステップのリフレインを取り入れていた、その他の曲を勘案すれば更にそうだ。New OrderやPet Shop Boysの匂いがする1980年代式のニューウェーブとファンクスタイルの再解釈を、次のトレンドとして押し付ける企画会社の頑固な意志が感じられる部分でもある。

早まった判断かも知れないが、現在K-POP市場でINFINITEほど、トレンドの輸入のレベルを乗り越え、未来に備えた長期的な布石を打つグループは、SHINeeとf(x)くらいではないだろうか。他のグループたちは既存のトレンドをどのような方式で加工するかという枠にとらわれているように見える。または“アイドルかアーティストなのか”の微妙な境界で熾烈に戦っているか。

センスのある布石、完璧はハードウェアそして不安なアルバム

このように主観のある抱負の中で「Men In Love」は、今までのスタイルを貫いているにもかかわらず、確かに新しい試みと言える。リズミカルなギターのリフレインを全面に掲げた「また戻ってきて」や、アグレッシブな展開を全面に掲げた「Be Mine」そして、ドラマチックな編曲で評壇から好評を受けた「追撃者(The Chaser)」いずれもきっちりしたサウンドと完璧な群舞(メンバーの動きがぴったり揃ったダンス)で勝負した。

ハードウェアの面では抜け目なく緻密だ。その分野でINFINITEは他の追随を許さない。ただ、アイドルとして少女たちにアピールできる感性には限界がある。

今回のアルバムのタイトル曲「Man In Love」は、その感性の空白を埋めようとする試みだ。心に訴える力を出来るだけ引き出そうとする努力が窺える。一節ごとにそれぞれのパートの楽器が交互に曲をリードしていた「追撃者(The Chaser)」を思い出せばその違いは更に際立つ。前作に比べサウンドがかなり控えめになった。反対にサビの部分は、サウンドが控えめになった分だけ派手だ。徹底してシンセサイザーのリフレインとギターのストロークを中心に曲を続けていく。一歩間違えると退屈になる恐れのある構成だ。

ここで作曲家のSweetuneの知恵が目立つ。全く違うカラーの二つのスネアドラムを節ごとに交互に使った。注目度が落ちかねないブリッジ部分では、響きの大きいスネアで緩急を調節した。拍子が遅くなる部分でスネアだけが強調されるため、無理にリズムを殺している感じがしない。

同時にサウンドの空白を十分に生かせる。音が薄い残りのスネアは、導入とフックの部分で走ることにだけ徹底して集中する。センスのあるアプローチだ。訴える力が強くなったにもかかわらず、サウンドの力強い迫力は依然として残っている。ここに彼らの完璧な振り付けが加われば…これ以上の説明は要らないだろう。

写真=Woollimエンターテインメント
しかし「Man In Love」の決定的に惜しいところは、曲の完成度ではなく、アルバム「New Challenge」の不安なトラック構成だ。トラックとトラックがお互いにしっかりと結集している姿が見られない。

このアルバムを聞いて「ただ並べるだけの感性」の典型的な例だと言う人もいるかもしれないが、それよりは、せっかく整えたサウンドを捨て、全く違う質感の曲をあえて挟んだのが原因だと思われる。いつもがそういうわけではないが、このように作曲家同士で感性の乖離が出来てしまうと、アルバムのコンセプトという本質自体が揺らぐ恐れがある。その不安さが残念だ。しっかりしたタイトル曲に相応しく、アルバムの構成をもう少し緻密にする必要がある。

とにかく、アルバムの完成度とは別に「Man In Love」は確かに評壇から好評を受けた「追撃者(The Chaser)」と共に、INFINITEのベストトラックと呼ぶに相応しい。二つの曲の優劣をあえてつける意味がないほどだ。アイドルであれば陥りやすい、ありきたりな公式を避けながら、アイデンティティのあるサウンドにこだわることは、決して容易なことではない。それがただのタイトル曲だけだとしても。その曲が甘さと迫力を同時に持っている曲であればなおさらだ。

一行まとめ:迫力のある甘さ。INFINITEらしい。しかし、アルバムは、まあ…

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記者 : パク・ジョンウォン