【スターコラム】NELL、過去と現在そして未来 ― Vol.3

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大衆的でありながらも単純ではない、特有の感受性と叙情で聞く人の五感を満足させるNELL。ユニークで中毒性があるため、待ち遠しくなる音楽だ。

誰もが一度ぐらいは感じるような感情を歌の中に入れるNELLは、絶えずコミュニケーションを試みる。十分な保有価値があり、待っているファンの欲求を満たす楽曲を着実に発表し、努力も怠らない。このようにNELLは自分たちだけの活動で音楽の新しいページを切り開いており、これからがさらに期待される。

10年以上活動しているNELLの過去と現在、そして未来について聞いてみよう。/編集者

NAVER スターコラム:NELL

ギターを始めた瞬間

僕が中学3年になったその年の6月、スイスに引越しすることになった。

6月から9月まで休みで友達を作ることもできなかったので、馴染みの薄い異郷の地で3ヶ月間一人で過ごさなければならなかった。幼い頃から色々な国で暮らしてきたので、それほど大変ではなかったが、問題は何をしながら過ごすかということだった。

子供の頃からバンド音楽が好きだった僕は、ちょうど時間もたくさんあったのでギターを習ってみようと決心した。その後すぐエレックトリックギターを購入したが、僕にギターを教えてくれる人がいなかった。

そのため、ギター屋さんに行って、そこにあるギターの教本とレッスンのビデオを全部持ってきて一人で学び始めた。たぶん一日平均15時間は弾いたと思う。何がそんなに面白かったのだろうか。本当にご飯を食べてトイレに行く時間を除けば、ずっとギターと一緒だったと言っても過言ではないほど熱心にやった。

今振り返ってみると、何かにそこまでハマッたのはその時が初めてではないかと思う。

もちろん、そのおかげでそれからも友達作りにはそんなに力を入れなかったけど。


友達からバンドのNELLに成長するまで

初めてバンドを結成した当時は、こんなに長い間一緒にするとは思わなかった。

これといった計画やビジョンがあったわけでもなく、ただ町の友達が集まって練習し、ライブをし、フライドチキン屋さんでビールを飲むことが楽しかった。

実は、今もそうだ。もちろん、責任やプレッシャー、ストレスは増えたが、今も音楽を作ってコンサートをするときが一番幸せで、またその姿が一番僕らしいと思う。


ソ・テジとの出会いで変わったこと

一番変わったことならプリプロダクション(録音前の作業の総称)、ポストプロダクション(録音後の作業の総称)への概念ができたこと?

例えば、楽曲を作って録音に入る前までの準備過程や、録音が終わった後のミキシング、ミュージックビデオなど、その音楽をさらに美しく表現できる方法に関する研究とか。

また、それまではマネジメントに関する部分がほとんどしていなかったのでアルバムが出ても人に聞かせる機会を確保することが難しかった。

「STAY」という楽曲が初めて出た時、テレビやラジオを通じてたくさんの人に聞かせることができ、とても嬉しかったことを覚えている。

音楽はそのものだけでも十分美しくて大切だが、たくさんの人に聞かせたり、歌われる時により輝くものだから。


韓国でバンドとして生きること

NELLはいつも境界線に立っている感じだ。

頻繁にテレビに出演する完璧な“オーバーグラウンド”でも、クラブ公演をたくさんする“アンダーグラウンド”でもなく、時にはポップ指向の音楽を、時には強いサウンドのロックをするバンドであるためだ。

それで、たまには寂しい感じもする。

放送局で他の歌手に会っても、コンサート会場で他のバンドに会っても混ざりにくいと言うか。

だが、幸いにも誰より近い友達と一緒にいるし、またNELLの音楽を愛してくれる方がたくさんいるので、大変と思うよりは幸せな気持ちだ。

そして韓国でバンドとして生きていくこと……。
うーん、すべてのことがそうであるように、簡単ではないと思う。

少なくとも韓国の音楽市場でバンド音楽は主流ではないため、経済的な問題で解散するグループもたくさん見てきたし。

たまに後輩たちが音楽活動をどうやって維持するべきなのかと聞いてくるが、「ただクレイジーなので」と話す。

短くない時間の間、韓国でバンドとして生きながら学んだことは他のことを考える暇がないほど夢中になっていなければ、とても辛くなるということだ。

正解があるならば、全部その道を選べばいいはずだが、そのような正解はないため、ただ自身がやりたい音楽を地道にする方法しかないと思う。

それからもう一つ、メンバーと非常に仲良く過ごさなければならないということだ。大変なことがあったとき、親友の慰めほど力になるものもないのではないか。


10年後のNELL

これまでそうだったように、NELLの音楽を愛してくれる方々に感謝の気持ちを持ち続け、僕たちだけの島でやりたい音楽をしているのではないかと思う。

もしかしたらしばらく留学に行くかもしれないが、行くとしてもメンバーたちと一緒に行きたい。

人生がいつ終わるか分からないのでメンバーとファンと共に最大限たくさんの思い出を作りたいと願っている。

文:NELL

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記者 : キム・ジョンワン