【スターコラム】NELL、僕らにとってコンサートとは? ― Vol.1

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写真=Woollimエンターテインメント

“速さ”が主流の現在の音楽界。音楽サイトの順位は絶え間なく変わる。多くの音楽が溢れ出してはいるが、過去のように“国民音楽”と呼ばれる歌の誕生は極めて稀なのが事実だ。

2001年、多少見慣れないモダンロックバンドNELLが姿を現した。ボーカルのキム・ジョンワン、ギターのイ・ジェギョン、ベースのイ・ジョンフン、ドラムのチョン・ジェオンがチームを組んで音楽界にデビューしたのである。

感性的なメロディと独特の音色、そして心に響く歌詞などがNELLの音楽のポイントだ。同じ1980年生まれの友達で構成された彼らは、アルバム全曲の作詞、作曲、演奏、プロデュース、レコーディングなど制作の実務的な部分を、メンバー自らが直接担当しているバンドだ。

最近、彼らは新しい挑戦をした。“速さ”を全面的に否定したのである。新アルバム「Holding onto Gravity」がそれだ。「Gravity 3部作」という大きい枠組みの中に、2枚のシングルと1枚のフルアルバムが収められた形だ。音楽界のリアルタイムチャート導入によって、音楽の流れが短くなり、鑑賞の呼吸もまたそれに比例するようになった音楽界に、真正面から立ち向かったのである。

NELLの真価は公演で更に力を発揮する。特に定期的に開催するクリスマスコンサートは、彼らが最も力を注いでいる公演の一つだ。2012年も、より多彩で豊富な公演で観客を楽しませると覚悟をしている。もはやNELLと公演は、切り離して考えることのできない関係だ。「複雑な世の中に疲れた人々に癒しとなる音楽をプレゼントしたい」という彼らの“公演の話”を聞いてみよう。/編集者

NAVER スターコラム:NELL

NELLと言えばコンサート! → 冷たいビールで一杯!

こんにちは、NELLのボーカル、キム・ジョンワンです。どのような話しをどのように語っていくか、たくさん悩みました。でもやはり、飾ったり足したりもしない、ありのままの姿をお見せしたいと思います。

ちゃんと聞いてくれますか?ハハ

NELLの初公演は1999年3月、弘大(ホンデ)の小さなライブハウスでした。詳しいことはもう覚えていませんが、おそらく下手だったと思います。うーん……ところが、観客が1人?それくらいしかいなかったので、それほどご迷惑はかけていないと思います…ハハ。

当時はほとんどのバンドがカバー曲(既存の曲を自身ならではのスタイルで解釈し歌うことを指す言葉、主に公演の演奏曲として使われる)を中心に公演をしていましたが、我々はどこから出た自信か分かりませんが、誰も知らないオリジナル曲で公演をしていました。そのせいか、公演が終わった後のライブハウスの社長たちの表情は常に暗かったです。これといった報酬はなく、公演が終わると飲み物をくれたりしたんですが、「うむ……これは違うな」と思った瞬間、炭酸が入ったぶどう味のジュースをビールに変えてくれました。「ああ、頑張らなければいけないな」と思いました。

そのようにして僕たちは2、3年ほどライブハウスでの公演を持続しました。

初めてのフルアルバム「Let it rain」をリリースしてからは、もう少し体系的なシステムが整った公演ができるようになりました。もちろん今と比べると規模は小さかったんですが…それでもNELLの公演にNELLだけではなく、他のスタッフが参加することは初めてでした。最初は不便だったり、人々と接することが苦痛な時もありましたが、音楽のほかに照明や、映像、公演の流れなどを学ぶことができました。その頃に学んだ全てのことが、今のNELLの公演に大いに役立っています。

そのやってNELLの公演は始まり、僕らの一番大きい原動力になりました!


待って!NELLはどのようにしてチームになったの?

<キム・ジョンワン(ボーカル)、イ・ジェギョン(ギター)、イ・ジョンフン(ベース)、チョン・ジェオン(ドラム)からなる4人組のモダンロックバンドNELL。自分たちだけの音楽スタイルを持つ彼らは、どのようにして出会い、またどのような課程を経てチームになったのか>

イ・ジェギョンとチョン・ジェオンと知り合ったのは中学生のときでしたが、親しくなったのは高校3年生のときでした。当時僕はスイスから帰国したばかりの頃で、不思議なことにすでにイ・ジェギョンはギターを、チョン・ジェオンはドラムをしていました。更にイ・ジェギョンの実の兄が僕の兄と親しかったので、一気に仲良くなりました(記憶では毎日のように会って音楽の話をしていたような気が……)

そのようにして彼らと日々を過ごしながら1998年の終わり頃、僕の学校の友人を通して素人のベーシストだったイ・ジョンフンと知り合ったのですが、とても内気な人だという印象を受けました。しかし、同時にヘアバンドと蛍光色のノースリーブシャツを何枚も重ね着するという果敢な姿に、「アイツは何なんだ……」と思いました。ハハ。


コンサートは僕らの力 → 開放と隠密の間

コンサート?会場?NELLにとっては、最も開放的な空間で交わす秘密の会話だと思います。

数千、ときには数万人の観客の前に立たなければならないので、手の行き届いた、ある意味では人為的なイメージを見せなければいけないような気がしますが、少なくとも僕らにとっては飾らない自分自身になれる時間と空間を設けてくれるのがコンサートです。

あ、もちろんメイクとヘアスタイルくらいのイメージは作ります!

コンサートはテレビとは違います。音楽番組では1曲だけを歌えば良いのですが、公演は20~30曲を歌わなければならないので、精神的、肉体的にも負担が大きいです。しかし!!舞台に立った瞬間、観客からエネルギーをもらえるので、ミュージシャンとしてエネルギーを補充することができます。

実は色々なことを経験するとミュージシャン、またはバンドとして生きることが大変に思えたりもしますが、会場を埋め尽くした観客の姿を見ると「僕は本当に恵まれた人なんだな」と自然に思います。その瞬間の一人ひとりの眼差しと表情を全部覚えることができないのが残念なくらいです。


クリスマス? → 公演する日!

クリスマス、または年末が近づくと色々な感情が複雑に絡まって押し寄せてきます。しかし僕だけでしょうか?冷たい冬の空気と灰色の都市、夜になると燈される数多くの光と、あちこちから流れてくる音楽の音が、温かさと寂しさ、愛らしさと孤独、またこれから迎える新年への期待と終わっていく年への名残惜しさなどの、相反する感情を同時に感じさせます。

軍服務による、ここ4年間の空白を除いては、NELLのクリスマスは常に公演と一緒でした。もちろん2012年も同じです。再び活動をはじめ、何か新しい気配を感じた今年も「CHRISTMAS IN NELL's ROOM VI」という公演と一緒に過ごすことにしました。

ひょっとすると僕らはみんな、冷たい冬の空気に混ざった熱い歓声を待ち望んでいたのかも知れません。先ほど話した色々な感情を、他の誰かと分かち合いたかったのかも知れません。とにかく、僕が感じている何かに、誰かが共感してくれた時、はじめて温かさを感じられるので、今回のクリスマスが寒くないということは間違いないです。

会場に訪れる恋人たちを見ると羨ましく感じることもありますが…そんな羨ましさなんか!!クリスマスイブに寂しさを胸に抱いて会場を訪れるシングルの観客を見ながらぶっ飛ばせばいいんです!心配ありません~ハハ。

特に2012年最後の31日は、釜山(プサン)公演で1年を閉めることになったので、寂しいだけではない12月になりそうで本当に嬉しいです。

実は今回の公演は、活動を再開してから初めて設ける公演なだけに精を尽くしました。今まで披露したどの公演よりも多い音響、照明と映像機器が投入されるので、準備過程自体も本当に複雑でした。

スタッフ会議が終わるたびに公演を1回終えたときよりも疲れを感じました。しかし多くのスタッフたちがたった1日の公演のために数ヶ月間も準備しているということと、多くの人々が僕らがステージに立つその瞬間を待っているという事実だけで、十分幸せなことではないでしょうか…?疲れている暇はありません。

ファンに見せたい理想のコンサート?個人的には会場で何か食べることは好きではありません。そこで味覚以外の視覚、聴覚、触覚、嗅覚を満足させる公演をしたいです。後ろには海が見えて、森の中にステージを作り、夕方から公演をスタートすれば視覚と嗅覚を満足させることができそうだし、触覚は……蚊の力を借りるとか?ハハ。聴覚はもちろんNELLの音楽!

楽しみにしてください!

1部が終わりました!いかがでしたか?楽しく率直に話そうとしたんですが、伝わりましたか?2部では、NELLの更に深い本音が聞けると思います。ミステリーバンドになった理由?そしてお酒に関する話も。公開される次回の話も期待して待っていてくださいね~

文:NELL キム・ジョンワン

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記者 : Kstyle編集部、編集 : ファン·ヨンヒ(イシューデイリー局長)