「コードネーム:ジャッカル」スリラーコメディにしては弱すぎるパンチ ― 見る?見ない?

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伝説の女性殺し屋と女心を掴むトップスターのハプニング満載の出会いから繰り広げられるドタバタなエピソード。その主人公は、映画「レオン」のレオンに学び、映画「ソルト」のイヴリン・ソルトに認められた伝説の殺し屋ボン・ミンジョンと、生意気で傍若無人のトップスターチェ・ヒョン。二人はモーテルからホテルに昇格してちょうど1週間経ったパラダイスで一生忘れることのできない、戦慄の一日を過ごすことになる。

映画「コードネーム:ジャッカル」(制作:ノマドフィルム)は「少年は泣かない」「彼女を信じないでください」を演出したペ・ヒョンジュン監督がメガホンを取った。原作の間抜けな魅力を持った殺し屋に惹かれて、映画まで作ることになったと明かしたペ・ヒョンジュン監督。彼は今も、殺し屋ボン・ミンジョン(ソン・ジヒョ)の過去の物語が嘘なのか本当なのか一番知りたいと打ち明けた。

この映画はトップスターチェ・ヒョン(JYJ ジェジュン)の映画撮影現場を舞台に始まる。男性的な魅力溢れるジェジュンの強い眼差しで幕を開ける「コードネーム:ジャッカル」、見る?見ない?


感動 BEST

壊れたジェジュン:トップスターチェ・ヒョンは、自分を殺すというボン・ミンジョンの話を聞き、自分はチェ・ホンという名前のものまねタレントだと偽る。もちろん、そんな嘘はボン・ミンジョンにすぐばれてしまうが、ただ生き残るという執念のもと、つまらないプライドなんて投げ捨てた。彼はボン・ミンジョンの攻撃によだれを流し、頭を打たれて気を失い、高音が出せないお笑いタレントと比べても負けないくらい最悪な歌唱力と下手なダンスを見せる。特に縄に縛られて身動きがとれず悶えるジェジュンのコミカルな演技は、これまで見せてきた姿とはまったく異なる。

オ・ダルス vs ハン・サンジンの演技対決:「コードネーム:ジャッカル」は、オ・ダルス、ハン・サンジンコンビの演技なしには語れない。オ・ダルスの変態演技とハン・サンジンのせせこましい刑事の演技対決は、この映画の重要なポイント。2人がいなかったら、どうなることだったか。考えただけでもぞっとする。

パパラッチ、スポンサー風刺:映画では、現実の芸能界が抱える問題を指摘している。トップスターを追いかけるパパラッチ、スポンサーなどを描いている。スターの家をまるで自分の家のように出入りし、スターの一挙一動を追いかけるパパラッチ。これは映画だけでなく、現実においても深刻な問題だ。また、アンゼラ(キム・ソンリョン)とチェ・ヒョンの関係を通して芸能界のスポンサー問題も登場させる。どれだけ深くスポンサーが芸能界に関与しているかを間接的に見せてくれる。デリケートな素材であるにも関わらず、果敢に引き出してきた点は称賛するに値する。


涙目 BEST

殴り続ける、けれどまったく面白くない:なんでそんなに殴るのか?ボン・ミンジョンに拉致されたチェ・ヒョンは、刑事のマ班長(オ・ダルス)とシンチーム長(ハン・サンジン)が自分の部屋に来ると、助けてと切ない眼差しを送る。このような危機の瞬間、殺し屋のボン・ミンジョンは優れた瞬発力を発揮する。

普段からチェ・ヒョンが殴られることによって興奮するかのように偽装したのだ。ベルトで殴られるチェ・ヒョンもチェ・ヒョンだが、このシーンは見る人に笑いより、痛ましさを感じさせてしまう。さらに、これを見たマ班長が喫茶店の女性従業員と一緒にマネしている途中で、シンチーム長に殴られるシーンでは顔をしかめるしかなかった。

弱いインタパクト、退屈の連続:「コードネーム:ジャッカル」は殺し屋のボン・ミンジョンがチェ・ヒョンを拉致してから、同じ空間に閉じ込められたままストーリーが展開される。限られた空間の中で物語が展開されるため、つまらなくなることは予想されていた。二人の口ゲンカ、体当たりのケンカが続くが、見ていてあくびが止まらない。

結末に向かうほど、スリラーが息を吹き返して見どころもあるが、それまではじっとしていられない。コメディ映画のもっとも重要な要素であるユーモアの不足。インパクトが弱いという印象と“なんで見ているんだろう?”と見ている途中でふと思うかもしれない。

記者が観客だったら?

スリラーコメディ映画にしては弱いパンチ:ラブストーリーが弱い。甘いラブストーリーが見たいなら、この映画を選択するのは禁物。ペ・ヒョンジュン監督の前作「彼女を信じないでください」を思い浮かべることもNG。多彩なキャラクターが生きていることだけは変わりないが、スリラーコメディ映画にしては弱い。何か痛快さを届けることも、スカッとするパンチもなかった映画。

「コードネーム:ジャッカル」はソン・ジヒョとJYJ ジェジュンが主演を務め、キャスティングの時から話題になった作品だ。コメディとロマンス、スリラーというそれぞれ異なるジャンルを組み合わせ、勢いよく年末のスクリーン競争に飛び込んできた。しかし、殺し屋とトップスターという異色の組み合わせを残しただけだった……。

「コードネーム:ジャッカル」は、R-15指定で韓国で15日に公開される予定だ。

記者 : ファン・ソヨン