「海雲台の恋人たち」チョン・ソグォン“自分の演技に満足していない”

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「海雲台の恋人たち」で洗練された男、チェ・ジュンヒョクを演じるチョン・ソグォン

そうだ。彼の前作はSBS「屋根部屋のプリンス」だった。非常に面白く見たドラマだったが、KBS 2TV「海雲台(ヘウンデ)の恋人たち」が放送された瞬間、「屋根部屋のプリンス」の真面目な純情男ウ・ヨンスルの姿は消え、洗練された副社長のチェ・ジュンヒョクがいるだけだった。制作発表会の時にも「前作のキャラクターのイメージが強すぎるのではないか」と聞かれた俳優チョン・ソグォンは、前作を思い出せないほど「海雲台の恋人たち」に溶け込んだ。

世界的なホテルチェーンのオーナーの息子だったチェ・ジュンヒョクは、釜山(プサン)の海雲台に来て、背が低く長靴を履いた女性コ・ソラ(チョ・ヨジョン)に恋をした。最初はクールに接近したが彼女の心を掴めず、結局「今に見てろ」と復讐を図ったりもした。チョン・ソグォンは、そのようなチェ・ジュンヒョクについて「たくさんの女性と出会ったけれど、本当の恋はあまりしたことがないように見えます」とし「子供がおもちゃを奪われると泣くように、チェ・ジュンヒョクもとても純粋な人だと思います」と打ち明けた。

「主にあしながおじさんのような役をしてきました。『烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち』のキム・ジェハは弟に女性を譲り、『屋根部屋のプリンス』のウ・ヨンスルは王に譲歩しました。今回は、イ・テソン(キム・ガンウ)とコ・ソラがお互いに惹かれあっているので譲歩します。片思いではあるけれど、まったく同じだとは言えません。片思いの経験ですか?たくさんあります。一人で見守ったりしました。スポーツばかりしていたから、そばに女性がいてもどうすればいいのか分かりませんでした。そして、20歳の時からはたくさん恋をしました」


チョン・ソグォンが語るキム・ガンウ、そしてサムチョン水産

10%台の視聴率で幕を下ろした「海雲台の恋人たち」には、数々の問題があった。放送を控えてT-ARAのいじめ疑惑が起き、同グループのメンバーであるソヨンを非難する声が上がった。放送中には、チョ・ヨジョンの釜山方言に対する問題が提起された。だが、現場の雰囲気は外部とは関係なく、和やかな雰囲気だったという。これらの出来事を全部見守ったチョン・ソグォンは「本人が動揺していないのに他の人が動揺すればそれこそ迷惑になります。もちろん、傷付いたと思うけれど、笑顔で撮影する姿を見て逆に感動しました」と伝えた。

何よりチョン・ソグォンに感動を与えた人は、キム・ガンウだった。「NGをたくさん出したりするので、まだまだだと思います」と謙遜したチョン・ソグォンは「キム・ガンウさんを見ながら本当のプロだと思いました。僕もキム・ガンウさんのように立派にやらなければならないと思いました」と語った。黙々と自分の役に集中する姿を見習いたくなったと言う。

イム・ハリョン、イ・ジェヨン、パク・サンミョン、超新星のゴニルなど、サムチョン水産の人々もチョン・ソグォンに色々なことを気付かせた。演技を楽しむ先輩たちを見ながら気楽さと活気を学んだと言う。チョン・ソグォンは「サムチョン水産の家族が出てくると現場の雰囲気、カラー、空気、匂いが全部変わりました。スタッフの表情が変わるところを見ながら『僕は一体いつ、ああいうふうになれるのか』と思いました」と語った。

「自分の演技には、満足していません。他の人は気楽になったようだと言ってくれますが、僕としては物足りない部分が結構ありました。何かに閉じ込められていたようです。固定観念や自分への強迫観念、プレッシャーもあったと思います。キャラクターに息を吹き込むことが何より重要なのに、外見や技術的な面に気を遣いすぎてそれを忘れていました。徹底的に準備したというよりただ漠然と自信があっただけのようです。おかげで次の作品のための課題がたくさんできました」


「変化する、期待される、信頼される俳優になりたい」

普段から自分に厳しいチョン・ソグォン。先輩のイ・ジェヨンはチョン・ソグォンに「称賛の声は絶対に聞くな。君にとって毒になる」というアドバイスをした。チョン・ソグォンもまた「称賛の声を聞けば気分は良くなるけれど、やや傲慢になります」としながら「今はそんな時ではありません。いつも気を引き締めていようと頑張っています」と語った。

続けて2本のミニシリーズ(毎週連続した曜日に2話ずつ放送されるドラマ)に出演しながらバタバタして精神的に非常に大変だったという彼は「休みたいという気持ちで一杯でしたが、ソウルに戻って来てすぐ新しいスケジュールが入ってきました。僕は、一日も休めない人です」と笑った。運動、登山、読書など、やりたいことは多いが、もう少し良い演技を見せるために努力する時間を持ちたいと言う。釜山国際映画祭に参加し、新しい刺激もたくさん受ける計画だ。

「どんな俳優になりたいかと聞かれると……ウーン……何年か前までは何と答えればいいのかさえも分かりませんでしたが、今は『あの人は今度どういうふうに出てくるだろうか』と気になる俳優になりたいです。変化する、期待される俳優、信頼される俳優になりたいです。他の分野に挑戦する計画ですか?考えてもいません。一度始めたからには、一つでもきちんとこなせなきゃ行けないと思います。これでも精一杯です(笑)」

記者 : イ・ジョンミン、イ・オンヒョク