「グッバイマヌル」で“2%”足りないもの

10asia |

◆チャンネルA「グッバイマヌル〜僕と妻のラブ♡バトル」1~2話 月火 夜8時40分~
放送時間がわずか1時間のドラマ、KBS「夫婦クリニック 愛と戦争」でも、ある夫婦が恋愛を始め、結婚し、離婚に至るまでの過程を細かく描き出した。しかし、結婚生活を終わらせたいスンヒョク(リュ・シウォン)があがく姿を描こうとする「グッバイマヌル〜僕と妻のラブ♡バトル」の第1話は、冒頭のシーンから疑問だらけである。

格闘技の選手であるスンヒョクは引退試合の後、インタビューも断り、ソナ(ホン・スヒョン)の誓願式が行われる聖堂に駆けつけ、ソナにキスをする。タイミングよく聖堂に鐘の音が鳴り響き、スンヒョクを追いかけてきた取材陣のカメラのフラッシュは、まるでそんなニ人を祝福するために用意されたかのように思える。しかし、このニ人のキスシーンは、どこか炭酸が抜けた炭酸飲料のように見える。初恋の相手であるヒャンギ(パク・ジユン)だけを見つめてきたスンヒョクが、ソナに「僕の生死は君にかかっている」という切迫した手紙を送るまでの過程や、「こうしたら神様が私を受け入れてくれると思って」という根拠のない理由で、初めて見たスンヒョクに自分の膝を出したソナが、ベールを取ってスンヒョクのプロポーズを受け入れるまでの過程が省略されているからだ。

スンヒョクとソナがそれぞれ自分の夢を諦めてまで結婚を決めるほど熱烈に恋愛した時代はもちろん、スンヒョクが全国にいるすべての“オ・ヒャンギ”に電話をかけてまで初恋の相手を見つけ出そうとする未練がましい姿の理由もはっきりと描かれてはいない。その理由は妻が嫌いになったからか、ただ結婚生活に飽きたからか、それとも長い間抱いていた「死ぬ前に必ず、初恋の相手にもう1度会う」という自分の願いを実現させるためなのか。

「グッバイマヌル〜僕と妻のラブ♡バトル」が妻を愛した過去ではなく、妻と別れる現時点でスタートする作品という点を考えても、“不親切”という第1話の印象を拭い去ることが出来ない。スンヒョクの“グッバイ宣言”が虚しい叫びに聞こえないようにするためには、後から始まったヒャンギとの愛よりも、ソナとのうんざりする結婚生活を見せることにより力を入れるべきではないだろうか。

記者 : イ・ガウン、翻訳:ナ・ウンジョン