ソ・イングク、日本での活動はファンのおかげ「僕が愛されるだけの行動をできたと感じる」

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昨年、日本デビュー10周年を迎えたソ・イングクが9月6日(金)にMini Album「SIGnature」をリリース。ソ・イングク(SIG)の本質に迫り、自然体そのもの(nature)を表現したアルバムであり、タイトルからコンセプト、音楽まですべて本人が制作に参加している。

Kstyleでは「SIGnature」のプロモーションのために来日したソ・イングクを直撃! アルバムの誕生秘話や、ファンへの想い、作品やプライベートに至るまでたっぷりと話を聞いた。

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すべて日本語での歌唱「発音がいつも難しい」

――「SIGnature」はタイトルからコンセプト、音楽まですべて、ご自身が制作に参加されていますが、どのような経緯で誕生したアルバムでしょうか?

ソ・イングク:まずは「アルバムを出さないと」と思って周囲の作曲家の方々から曲をたくさんいただき、歌手のJueunさんからもらった曲がとてもよかったので「この曲をタイトル曲にしなければ」と思い「空のかおり」が誕生しました。家でひとりでお酒を飲みながら何度も曲を聞くうちに「MVはこんな感じで流れていくといいな」とストーリーが頭に浮かんでシナリオを書きました。僕と親しいイサンドク監督と一緒にMVの演出をして「SIGnature」というアルバムが完成しました。

――タイトル曲「空のかおり」のMVはいろいろなことを想像させられました。“なにもなくなった世界”を背景にしているそうですね。

ソ・イングク:音楽を聞きながら頭の中に浮かんだのはアポカリプスの滅亡した世界にいる少年少女が出会って愛を育むということ。そして大人になることを恐れつつも自然と大人に成長していく過程を作っていきたいと思いました。

――虫がお嫌いなのにMVで虫が登場していましたね。

ソイングク:滅亡した世界にひとりでいたら、どんな時間を過ごすだろうかと考えてあえていれたシーンです。虫は苦手ですが、飛んでいる虫じゃなければ大丈夫です(笑)。

――日本オリジナルアルバムであり、すべて日本語での歌唱ということで日本のファンにとっては最高のプレゼントとなりますが、決して簡単なことではなかったと思います。制作の過程でご苦労があったでしょうか?

ソ・イングク:僕が書いた歌詞が日本語に翻訳される段階で少し意味が違う部分があったのですが、その部分に対する僕の考えを伝えて、幸いにもその部分がうまく修正されて僕が意図したことに近い形になったのでよかったです。

――日本語のレコーディングはいかがでしたか?

ソ・イングク:いつも難しいですよね。やっぱり発音の面で「つ」や「ざ」とか……。全体的に見たときにメロディやボーカルのスタイリングがよく仕上がったとしても「つ」の発音がうまくいかなければ再度レコーディングして、「つ」の発音がよくできたなと思っても他の発音がイマイチだったらまたレコーディングし直してという繰り返しの作業が大変でした。

――収録曲のうち4曲に作詞、作曲に参加されていますが、制作秘話を教えてください。

ソ・イングク:特にビハインドといえるものがないんですよね。これまでにたくさんの音楽を作ってきたので自然に流れていく感じというか……。エピソードというよりも、今回のアルバムでおもしろいのは曲ごとに映像を準備しているということです。映像を撮るためにわざわざ鎌倉まで行ったんですよ。楽しみながら映像を撮影して今作業をしているところなので期待をしていただきたいです。

――鎌倉はいかがでしたか?

ソ・イングク:楽しかったです。「SLAM DUNK」の名所があるじゃないですか! そこに行ったら人があまりにもたくさんいたので見学だけして帰ってきました(笑)。

――なにか食べたりは?

ソ・イングク:僕はどこにいってもおいしいものを食べるのが好きです(笑)。鎌倉ではデザートを食べました。とても甘くてスイートでした(笑)。

――ダブルタイトル曲「運命の糸」は“「空のかおり」のMVがあまりにもせつないから、これで終わらせないようにMVを制作した”と聞きました。

ソ・イングク:最初はMVを1本だけ制作する予定だったのですが、ひとりでいるときにふっと思ったんです。「空のかおり」は美しい物語を表現したかったけれど、どうしても結果的に悲しい話が込められていたなと。このまま悲しい雰囲気で終わるよりも、次に少年と少女が大人になった時の愛をお見せしたい……。そんな考えで楽しい絵が頭にたくさん浮かんで撮影をしました。「空のかおり」にも出演してくださったキム・ジョンウンさんと、キム・サンドク監督と一緒に力を合わせて制作しました。
 

日本で朝番組「DayDay.」のエンディング曲に起用!

――「空のかおり」が日本テレビ系「DayDay.」の9月エンディングテーマに起用されましたが、感想をお聞かせください。

ソ・イングク:とても光栄なことです。1ヶ月間、日本の地上波の朝の番組に僕の曲が流れるなんて。本当に考えてもみなかったことなので気分がとてもいいです。

――MCの山里亮太さんはメガネがトレードマークなんですが、ソ・イングクさんもメガネをよくかけているから、ファンの方々が「ぜひ番組に出てほしい」「コラボしてほしい」と言っていました。

ソ・イングク:(笑)。もちろん機会があったら是非。

――アルバムのリリースイベントを東京、大阪、福岡でリリースイベントを行いますが、超多忙なスケジュールの中でファンと近い距離でイベントをされることに正直驚きを感じます。ファンに対するお気持ちをお聞かせください。

ソ・イングク:僕が日本で活動できるのはファンの皆さんがいらっしゃるからです。もしファンの皆さんがいらっしゃらなければ、いくら曲を出しても聞いてくださる方がいないのですから。だから僕にとってファンの皆さんと過ごす時間を設けることは当然のことです。ファンの皆さんと一緒に楽しい時間を過ごして思い出を作って、僕の曲を聞きながら一緒にたくさんのことをしたいといつも思っています。だから、そうしているんですね。

――逆にソ・イングクさんがファンとの交流の中で得るものは?

ソ・イングク:とても大きな癒しを得ています。僕は僕がしている作品や音楽について本当にいつも迷いが大きいんです。「果たして皆さんがいいと思ってくれるだろうか? 僕自身が満足できる音楽なのだろうか?」とか、迷いがあるのですが、ファンの皆さんと会うとその迷いがきれいさっぱり消えます。「僕がうまくやってきているんだな。僕がこの方々に愛されるだけの行動、作品を持って来たんだな」と。そして「ならば次はもっといい音楽を作りたい」という原動力にもなっています。

――11月に名古屋、神戸、横浜でファンミーティングを開催されますが、どんなファンミーティングになりそうですか?

ソ・イングク:ファンミーティングやコンサートをするときは、ファンの皆さんが喜んでくれることはなんだろうかって悩むのですが、今も悩んでいるところです。どんなことをしたら楽しいか、よい思い出になるのはどんなことだろうかと悩んでいるので、たくさん期待してください!
 

YouTubeでは寝起きやすっぴん姿も「楽しんでやる趣味に(笑)」

――YouTubeで普段の姿をマメにアップされていますが、超多忙なのに映像コンテンツまで発信するなんて、そのアグレッシブさはどこからくるのか不思議です。

ソ・イングク:(笑)。僕は楽しくないことはやらないんですよ。本当に本当におもしろくないなと思ったらあえてはやらないタイプなんです。実は一時期、音楽が楽しくないと思った時期があって実際にやらなかったのですが、今はどうしてか音楽に関しても自信がわいてきたのか楽しくやっていますし、YouTubeも楽しんでやる趣味になりました。最初はファンの皆さんに飾らない僕の普段の姿をVlogとかでお見せしたらどうだろうか。ファンの皆さんとコミュニケーションをとりたいという考えで始めたのですが、特に負担になることもなく、むしろだんだん趣味みたいに楽しくなってきたんです。

――寝起き姿とかすっぴんを堂々とさらしていますが、まったく抵抗ないんですね。

ソ・イングク:まったくないですね(笑)。

――YouTubeコンテンツの中で特に反響が大きかったものを教えてください。

ソ・イングク:どうでしょうかかね? やっぱりゲストコンテンツの「間奏ジャンプ」(ゲストを招いてカラオケをするコンテンツ)の反応がよい気がしますね。あとはVlogとソ・イングク飯(食べる様子に密着した動画)とか、日常生活や食べる様子を楽しんで見てくださっているようです。

――YouTubeには姪っ子さんや甥っ子さんも登場していましたが、彼らにとってソ・イングクさんはどんなおじさんでしょうか?

ソ・イングク:わからないですね。聞いてみないと(笑)。でも会う機会がそんなには多くなくても僕にとてもなついて、よく言うことを聞いてくれます。

――出演作について感想を言ってくれたりしますか?

ソ・イングク:いいえ。そういう話はしません。もし家族がそういう話をしたら僕は逃げます(笑)。仕事の話をするのは嫌いなので(笑)。

――家族の反応は聞かないとしても、ファンの意見はどうですか? 作品に出た時やアルバムを出した時に反応をエゴサするほうですか?

ソ・イングク:それはしますね。僕が意図した部分をキャッチしてくれるファンの方がいると、とてもうれしいです。今回の「空のかおり」のMVも人によって受け止め方が違うじゃないですか。結末も“想像力を働かせて推測をしてみて”という感じのMVになっていますが、たくさんの方々が僕の意図を把握してくださったようなのでとてもうれしかったです。

――妹さんが経営するカフェで1日アルバイトをされましたが、どういったきっかけでされたのでしょうか?

ソ・イングク:パク・ボヨンさんとか、周りの俳優さんたちが家族とか親戚が経営しているカフェを手伝っているのを見て、とてもいいなって思ったので、僕も妹のカフェで一度アルバイトをやりつつ、YouTubeも撮影してみようと思ったんです。

――やってみていかがでしたか?

ソ・イングク:楽しかったですよ。といっても実際に僕ができるのは注文を受けて決済をするくらいですけど。僕が注文を作ったら時間がかかりすぎちゃって、待ち時間が長くて妹の店の評判が悪くなっちゃうかもしれませんからね(笑)。カウンターからお客さんたちの様子を見たら、たくさんの方々が楽しんでくださっていたようだったのでよかったです。
 

ドラマも続々ヒット!「作品選びは僕の好みとカン」

――8月末にブラジルでファンミーティングを開催して大盛況でした。ブラジルはいかがでしたか? どんなものを食べたり買ったりしましたか?

ソ・イングク:ブラジルに行くのは初めてでしたが、ファンの皆さんがとても情熱的だったので大きなエネルギーを得てきました。プライベートの時間はまったくなかったから買い物とかはしていません。食べた料理の名前は覚えていないですが、シチューのようなものとか、海老やバナナなどを串に刺した焼き物、肉がぎっしり入ったハンバーガーを食べました。マデロだったかな? (ブラジルで世界一美味しいと言われているハンバーガーショップといわれているMADEROのこと)。そのお店がとてもおいしかったです。

――ブラジルは飛行機に乗っている時間も長いですが、いつも機内ではどう過ごしますか?

ソ・イングク:台本を読んだり、編集するものがあれば編集したり、あとはずっと寝ています(笑)。

――ブラジルや南米では「ある日、我が家の玄関に滅亡が入ってきた」の滅亡が大人気だそうですが、日本のファンからはどの作品が人気があると感じますか?

ソ・イングク:わからないですね。なにが人気なんだろう……。ファンの皆さんはさまざまな作品が好きだと言ってくださいますし、人によって「この作品のこの部分が好き」とおっしゃって、ある人は僕を「滅亡」と呼ぶし、「ミンソク(『ナイショの恋していいですか?』)」と呼ぶ方も「ユンジェ(『応答せよ1997』)」とか、「ムヨン(『空から降る一億の星』)」と呼ぶ方もいます。でも、やっぱり原作が日本の作品だからか「空から降る一億の星」を愛してくださる方が多いように感じます。

――最新出演作「もうすぐ死にます」も大ヒットしました。息をつく暇がなく想像がつかない展開の数々や作品全体のテーマなど見ごたえが多い作品でしたが、ソ・イングクさんにとって本作はどのような作品になりましたか?

ソ・イングク:実は、僕ととても不思議な縁がある作品なんですよ。ウェブトゥーンを読んだ時にとてもおもしろかったので事務所の代表に「これを制作してみたらどうか」と提案したんですが、すでに違う会社が制作をしているということだったんですね。そうするうちに数年後、僕に出演のオファーが来たんです。そんな運命的な縁があって一生懸命に取り組んだ作品です。

――12人に転生するという役柄でたくさんの俳優さんがソ・イングクさん扮する主人公イジェを演じましたが、他の俳優さんたちの演技を見て感じたことは?

ソ・イングク:大変だろうなって思いましたね。なぜなら僕が他の俳優さんたちのキャラクターを演じるのではなく、他の俳優さんたちが僕のキャラクターを演じなくてはいけないからです。だから俳優の皆さんに「本当にすばらしい」と言いたいし、心から「ありがとう」と言いたいです。

――作品選びをする時のポイントを教えてください。

ソ・イングク:僕の好みとカンですね。まず最初に見るのは演じるキャラクターと魅力、台本に描かれたストーリーやエピソードが僕の興味をそそるものであるか、それが一番重要です。もしキャラクターがとても魅力的だけどストーリーが少し残念だなと思ったら少し考えますし、2つともいいと思ったら即決する感じです。
 

MV出演で“ワールドゲイ”ブームに衝撃

――K.willさんの「Please Don't…」のMVでのアン・ジェヒョンさんとの共演が話題を呼びました。今回11年の時を経て「僕に似合う別れの歌がない」で再びアン・ジェヒョンさんと一緒にMVに出演して“ワールドゲイ”ブームを巻き起こしていますが、11年前の反響と現在の反響について感じたことを教えてください。

ソ・イングク:11年前の反応が“衝撃的な逆転劇”だったとしたら、今は視聴者の方々が2人の関係を知っている状態じゃないですか。だから「待っていました」とか「せつない」とか「心が痛い」とか、そういう反応があったのがおもしろかったです。実際アン・ジェヒョンさんとはよくお酒を飲んだり、お互いに役立つことを話したりする、とてもいい関係の友達です。

――現在、原始部族の野生食文化を直接体験し、韓国料理文化をジャングルの隅々まで伝播するグローバル食文化交流記「ジャングル飯」がOA中ですが、なかなか過酷な番組ですよね。出演を決めた理由は?

ソ・イングク:以前「ジャングルの法則」に出演したことがありましたが、とても楽しかったんです。よい思い出として残っているから今回もやることにしました。移動時間が長いので大変ではありましたが、その部分を除いてはむしろなにか1つのことに集中してやることが楽しかったです。僕ひとりだけで海外でそんな経験をすることはできないだろうと思うとすごく楽しかったですね。

――これからの活動の展望をお聞かせください。

ソ・イングク:展望とかはそんなに考えていないですね。ただ今のように与えられたことに対して最善を尽くすソ・イングクでいること。それが一番です。

――プライベートでやってみたいことは?

ソ・イングク:家にいる時間がとても好きなので、仕事以外では家にいて好きなことをしています。さっき話したようにYouTubeも今や趣味になったので楽しいですし、スケジュールの合間にWebマンガを読んだりゲームをするのも楽しいし、僕が楽しいと思えることをちょこちょこと探しています。

――Webマンガはどんな作品を読んでいますか?

ソ・イングク:異世界ものがおもしろいですね。日本の作品にも異世界ものが多いじゃないですか。Netflixで配信されていたアニメ「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います」とか「転生したらスライムだった件」とか、そういうものを楽しんで読んでいます。

――異世界ものの魅力はどんなところにありますか?

ソ・イングク:自分が経験できないのはもちろん、漫画上でも経験できるわけではないですが、ゲームみたいな感覚で、主人公が徐々に成長していく様子を数値化して見られることが面白いですし、一つ一つの技術がスキルになっていくのも面白いです。最近の僕の人生作品(人生に影響を及ぼすほどの作品)は「進撃の巨人」で、漫画も全巻揃えました。

――興味深いお話をたくさんありがとうございました。最後に読者にメッセージをお願します。

ソ・イングク:Kstyleには何度か取材していただいて僕とは縁が深いですよね。今日もこのようインタビューをしていただいてとても楽しかったです。今回「空のかおり」という曲をリリースしましたので、読者の皆さん、ソ・イングクのファンの皆さんも、たくさんたくさん愛してくださったらうれしいです。そして、これからのソ・イングクの活動にも期待してください!



(取材:安部裕子 / 撮影:朝岡英輔)

■公演情報
SEO IN GUK JAPAN FAN CONCERT TOUR 2024 [Heart UTOPIA]

<名古屋公演>
日時:2024年11月4日(月・休)
1部 12:30開場/13:30開演(予定)
2部 17:30開場/18:30開演(予定)
会場:名古屋国際会議場 センチュリーホール

<神戸公演>
日時:2024年11月5日(火)17:30開場 / 18:30開演(予定)
会場:神戸国際会館 こくさいホール

<横浜公演>
日時:2024年11月7日(木) 17:30開場 / 18:30開演(予定)
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール

【チケット】 
全席指定:12,500円(税別)

■関連リンク
・ソ・イングク日本公式サイト
・ソ・イングク日本公式X
・ソ・イングク公式Instagram

記者 : Kstyle編集部