N-SONIC「“やれば出来る”ことを見せたい」

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「やれば出来る」という言葉が万古不変の真理と思われていた時があった。この“無鉄砲”精神は、人々を勇ましく、そして残酷にもした。ところが、ある瞬間から「やっても出来ない」事が起こり始めた。人々は今、疲弊し始めた。「やれば出来る」という言葉が少しずつ力を失っていた。

だがここに、今も「やれば出来る」と叫ぶ青年たちがいる。ボーイズグループN-SONICだ。彼らはメンバー交代を2度も経験し、大変な時期も過ごしたが、今も変わらずこのように話す。「あきらめないで最後まで努力すれば出来るということを見せたい」と。もしかしたらN-SONICには「やっても出来ないこと」はないのかもしれない。

―韓国での活動は約1年ぶりだ。感想はどうか。

シフ:久しぶりなのでワクワクしているし、ファンの方々に会えることを考えると期待が高まる。新しい姿をお見せ出来るよう頑張っている。

―これまで中華圏での活動を行ってきたと聞いた。

シフ:昨年、中国・広州の3000席規模の会場で単独コンサートを行った。10月にはEXO、SISTAR、B1A4の先輩たちとコンサートを盛大に行った。貴重な経験だった。あ! 今年の頭に香港で開かれた「TVB8 金曲榜」でベストソング賞をもらった。

―賞もいいが、歌手にとってはやはりコンサートが最高だと思うが。

J.Heart:僕らの歌でこんなに長く息を合わせるのは初めてだった。大きな場所で多くの観客と共にして、歓声も非常に大きく、おかげで力が湧いてきた。その力が今でも残っているようだ。

―3月30日に新曲「Exalibur」を発売した。久しぶりのカムバックであるだけに準備過程も格別だったはずだ。

シフ:作業期間がいつもより長かった。作曲家、ダンサーチーム、ミュージックビデオ監督など、スタッフ全員が入れ替わった。デビューしてから歳月を経て、悩みもたくさんあった。年もとっていくし、いつもより熟した姿をお見せしたかった。幸いミュージックビデオ監督がそれに合わせたスタイルやコンセプトを作ってくれて、満足のいく出来映えになった。

―熟したスタイルは、誰が一番似合っていたか。

シフ:よく似合っているというより、普段とはかなり違うメンバーがいた。それがミンギだ。もともとよく笑って可愛いイメージを担当する子だったが、今回は男らしくカッコよく変身した。

―ミンギとボンジュンが新曲のミュージックビデオで演技もした。ミンギはウェブドラマの出演経験もあるが、ミュージックビデオの作業とはどう違っていたか。

ミンギ:やはりミュージックビデオは僕たちの作品だから、もっと気持ちが入る感じだった。そして、女優と息を合わせることも初めてだったけれど、幸いにも気楽に楽しみながら撮影できた。ファンの方々も僕らの狙い通り新しい魅力を発見してくださるようで有り難い。

―リリースに先駆けて音楽番組で活動を始めた。ステージの観戦ポイントを挙げるなら?

シフ:振り付け、そしてメンバー一人一人の表情ではないかと思う。最初から最後まで険しい顔ままの歌ではないので、カリスマ性のある姿から力を抜いた姿まで、多様な魅力を見ることが出来るはずだ。

―新曲を初めて知らせる舞台だった。プレッシャーはなかったか。

シオン:プレッシャーはなく、期待が高まる。以前BTOBと一緒に練習生生活をしたことがあるが、今回初めて同じ時期に活動することになった。BTOBに「僕はこんなに一生懸命走ってきたんだ。僕たちの歌どう?」と言いながら、これまでの成果を見せたい。

―意外な仲だ。そういえばシフはEXIDのソルジ、ボンジュンはEXOのチャンヨルと長年の友人だと聞いた。全員夢が叶ってから会ったので、互いに胸が熱くなる時もあるのでは?

シオン:2014年のドリームコンサートでBTOBに会ったが、新鮮に感じた。僕たちは当時、オープニングステージに上がったが、BTOBは本ステージに上がった。「あいつら、頑張ってるな。僕らも早く追いつかなくちゃ」とすごく思った。

―歌手仲間の他に、原動力になるものは何か。

シオン:BEASTの先輩たち。僕がものすごくファンだというのもあるけど、BEASTの先輩を見れば僕たちを見ているようだ。似た部分がある。BEASTの先輩が良い結果を出すのを見ると、僕たちもうまく行きそうな気がした。メンバー交代を経験しながら大変な時期もあったが、かと言ってあきらめるのではなく最後まで努力すれば出来るということを見せたい。

J.Heart:ファンの皆だ。曲を書く時、いつも舞台で歌う想像をする。しかし最近は活動がなかったから、一時期スランプに陥った。最近またファンの方に会って、眠っていたものが目覚める感じだ。僕がなぜ音楽をするのか分からせてくれた方々だ。

―そういえば、J.Heartは作曲ができるメンバーだ。今回は参加しなかったが、自分が書いた歌をメンバーが歌う時、気分は格別だろう。

J.Heart:楽しい。以前日本語で曲を作ったことがあった。翻訳や振り付けまで自分で手掛けた。大変だったけど、メンバーが全員よくついてきてくれて、楽しく舞台も作れて僕も嬉しかった。

―メンバーは外部の作曲家と作業をする時と、リーダーと作業する時、どう違うか。

シオン:まず曲の良し悪しは別にして、リーダーと作業をするのは気が楽だ。作曲家の中には怖い方も多い。だけどリーダーとするのは楽しみながら作る雰囲気になる。実際それでBEAST、Block B、BIGBANGの先輩たちのように曲を自分たちで書くグループが本当にうらやましい。

シフ:リーダーと僕たちは長い間見てきたから、一人一人の特徴をよく知っている。全体的な絵を見て、僕たち個人に合わせてパートを分ける。そうしているうちに、僕たちもしっかり表現できる部分ができてくる。

―作曲家としてのJ.Heartから見た、メンバーそれぞれの魅力は何か。

J.Heart:最年少のシオンは末っ子らしいエネルギーがある。声もしっかりした感じがあって、視線をさっと引かなければならない前の部分によく配置する。ビョルは美声だから僕と一緒にサビをよく歌う。ボンジュンは本当にカリスマ性のあるラッパーだ。どんなジャンルでもカッコいいラップをする。ミンギは舞台でエネルギッシュだ。この可愛いエネルギーを生かそうと頑張っている。シフはシフだけの素敵な雰囲気を持っている。メロディーをつなぐブリッジパートをよく与えるほうだ。

シフ:J.Heart兄さんは、何かがバン!と炸裂しなければならない時、気持ちよく張り上げなければならない時に出る。

―皆、恋愛の経験がないというと嘘になるだろう(笑) 演技や作曲をするときそれぞれの恋愛の経験を役立たせる方か。

ミンギ:恋愛経験も役に立つ部分があり、映画やドラマでの間接経験もかなり役に立つ。

シオン:僕たちの歌を見れば、いつも彼女を奪われて彼女が浮気をして……恋が叶ったことがない(笑) だけど僕はそのような経験がなくて、入り込むのに大変だった。「Excalibur」でも「終わりがない」という歌詞が出てくるけれど、実際のところ僕はとても単純で、縁を結んで切ってというのが明確な人だから、その歌詞は大変だった。(一同爆笑)

―作曲をする立場ではどうか。自分の経験が歌のもとになる場合が多いか。

J.Heart:80%くらいそうなる。だけど自分の経験をもとに使うというのはとても大変なことでもある。アーティストならば自分の中にあるものを全部表現することが正解で、「自分が歌の中の人物だとすればどうするか」気になる時もある。僕が勝ち抜かなければならない問題だと思う。とにかく、経験からにじみ出た曲でこそ、聞く人が一層大きな共感を得ることが出来るのではないだろうか。

―同じような内容で、芸能人という職業を持つ以上、断面的な部分で全体を判断される場合も多い。それはもどかしくないか。

J.Heart:もどかしい。だけど、それは自分が言葉で説明できる部分ではない。ただ活動しながら見せる姿で証明しなければならないと思う。だから活動を続けていきたい。

―メンバーの意見をまとめるのは上手くいくか。

シフ:僕たちで話をすれば合意点は出る。あるコンセプトは似合わないメンバーもいるはずだ。しかし良い曲が出たり、全体的な結果が大丈夫だと感じれば、グループのために一歩譲るようになる。

―メンバー交代もあったし、辛い時期も経験した。ひょっとすると、だからこそ同じ年頃の人たちよりも早く大人になれたのでは。

J.Heart:そうだと思う。苦労が人の人格を作るというし、デビューして6年が経つが活動は多くなかった。中華圏でそれなりに成功を収めることはできたが、その過程での苦労は多かった。互いが互いの心を知っているからメンバーがさらに団結することができた。

―最後に、ファンに伝えたい事をお願いしたい。

N-SONIC:長く待たせてしまい申し訳ありません。皆さんにとても会いたかった。皆さんの期待に応えられるよう頑張っていきたい。舞台も楽しんでいただきたいし、SNSでの宣伝もよろしくお願いします(笑) 今後もっと顔を合わせられたらいいですね。

記者 : イ・ウンホ、写真 : C2Kエンターテインメント、翻訳 : 前田康代