【REPORT】笑顔が似合ったSHU-Iファイナル公演 ラストツアーは素敵な未来を予感させる、第二章へのプロローグ

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8月に解散を電撃発表したSHU-Iがラストツアー「以上、SHU-Iでした!!」を開催し、東京、名古屋、大阪の3都市で3公演を行った。“彼らの歴史が聴ける”と謳われたこのツアー。謳い文句そのままに、6年間の歴史をギュギュッと凝縮した4時間超えのライブは実に濃密。また、懐かしさにキュンとしながら、別れの悲しみよりも明日への希望が勝る……そんな素敵なライブになった。12月21日、東京公演(会場:Zepp DiverCity) 公演の模様をお届け!


6年の歴史の重なりが永遠になる

2009年に「BOMB BOMB BOMB」で韓国デビューし、2011年に日本メジャーデビュー。SHU-Iは日本を主な舞台としながらも、韓国に帰ればK-POPアイドルとして活動してきた。そんな彼らだからこそ、この日も王道J-POPチューンを軸に、クールなK-POPソングでアクセントを効かせていく。

まずは日本メジャーデビュー前にリリースした曲を3連発。日本インディ盤に収録された「STAR LIGHT」と「虹をさがして」、そして本国デビュー曲のカップリング曲「Please Help Me」はファンにとっての懐かしいメモリー。「Please Help Me」ではインソクがラップで格好良さを全開にしファンを早くもノックアウト。予め、“この日のコンサートは4時間超の長丁場になる”とのアナウンスがあったにも関わらず、SHU-Iもファンも“ペース配分などお構いなし”と言わんばかりにテンションを上げていく。チャンヒョンは終始タオルで汗をフキフキし、会場はインソクが「スタートから雰囲気がいいですね」と語るほどの温まり具合。ジンソクの「チャンヒョンの体力が心配」なんてジョークに客席の表情も和らいだ。

和やかなトークでほっこり気分にさせた後はじっくりとした歌唱へ。「雨の日にぴったりの曲」(ジンソク) という紹介から始まったバラード「Candy Rain」は切なさの中に力強い歌声を光らせ、「Forever my friend」ではメンバーが両手を堅く握りしめながら歌い、その様は“メンバー間の永遠の繋がり”を示唆するかのよう。インソクの優しいナレーションがとってもムーディーで、ファンが4人の名前をコールする「Smile For Me」の終盤では4人がボーカルワークで聴く者を虜にした。
この曲は2011年5月4日に発表した記念すべきメジャーデビューシングル。当時のキャッチフレーズは“チワワ系アイドル”で、PVにもチワワが登場していた。渋谷の街にはプロモーション用のトラックも走り、彼らはそれが嬉しかったと懐かしんだ。

“チワワ系”な原点を振り返った後も絶品歌唱のステージが続く。曲紹介だけで客席から悲鳴にも似た歓声が起きた「Ash gray sky」は思い思いの場所に腰かけて歌うメンバーにピンスポットが当たり、言葉を飲み込む振り付けが楽しい「LOST LOVE」ではミンホの「ONE LOVE」という歌声に合わせて他の3人が指を高く掲げて、その印象をさらに強いものに。そして「FOREVER WITH YOU」では振り付けを封印してさらにじっくりと。歌だけでなく、スクリーンにもメッセージを映し出し、「変わらぬ愛の形を教えてくれた」ファンが自分たちにとって何かをこう表現した。

「未来に繋がる原動力」(インソク)
「忘れられない幸せな思い出」(ジンソク)
「忘れられない思い出」(ミンホ)
「みんながいて僕の今がある」(チャンヒョン)

最後は「重ねた過去たちが時代を超えて永遠となる」という歌詞の一部を大きく映し、歌をさらに意義深いものにしていた。


SHU-I サンタのビッグなプレゼント

自分たちの心からの思いを伝えた後はスペシャルなプレゼントタイム! チャンヒョンは白の豊かな髭をつけ、ジンソクはトナカイの角をつけるなど、全員がサンタクロースに変身! サンタバッグを片手に歌い、フロアにプレゼントを投げ入れる。親指と人指し指でキッス・サインを作る「Kiss My Life」ではサビで投げキッスもプレゼント! ミンホが「オリコンウイークリーチャートで初めて10位に入り、生まれて初めて嬉しくて泣きました」と話す「ネバギバYeah!」を歌い終えた後は、ジンソクの「We Wish You A Merry Christmas」という歌に合わせて、メンバーがワルツ調に踊り、お茶目な面も見せた。
終盤は力強さ漲る曲の連発だ。ミンホが「本当に懐かしい」と振り返る「BOMB BOMB BOMB」はインソクが全身を使ってクラップ音を表現しながらクールにラップをキメ、その後、バックダンサーも合流。スタイリッシュナンバーの「Scream」はジンソクが「もっと、もっと。一緒に!」と煽り、大興奮の中、一部の幕を閉じた。


胸に染みるソロ曲と圧巻のノンストップ・メドレー

第二部はインソクの側転や、メンバーの艶やかな舞いが印象的な「Summer Sweet」から。さらにセクシー&ワイルドな「GLOW WILD」やバラード、韓国語曲を織り交ぜラストまで突っ走っていく。
また、ここでの目玉はそれぞれが思いを込め、一曲入魂の選曲でチョイスしたソロコーナーだった。
「2009年9月から6年以上、リーダーとして過ごした時間が永遠に忘れられない記憶になって、心のどこかに刻まれています。悩みだらけの毎日、見えない未来、そうした中で、僕たちがここまで来れたのは奇跡、運命だと思います。僕たちを支えて下さった皆さんのおかげです」。そう語ったインソクは一緒に歩んでくれたファンへの想いを綴った自作曲「ここまで」を披露した。

両手を広げて頭を下げたインソクが舞台袖に下がると、入れ替わるようにミンホが鼻歌交じりにステージに。「11月に歌った『ひまわりの約束』(原曲:秦基博) の反応が良かったので、メッセージ性のあるカバー曲を準備しようと思ったんですが、SHU-Iのミンホとして歌うのはこれが最後だから自作曲を歌いたい」として子供の頃から仲が良かった“お姉ちゃん”のために書いた「約束」を披露。語りかけるようなアカペラから始め、後半は思いの丈を込めるように熱唱した。

「僕は今後、独りで日本に残ってやる。日本でがんばりたい」。そう語ったジンソクは、これから独り立ちしていく自分を勇気づけるように綾香の「みんな空の下」をセレクト。自身初披露となるピアノの演奏を交えて歌ったが、最後は感極まって歌えなく場面も。でも、ファンの声援から勇気をもらい、歌声をファンにしっかりと届けていた。

チャンヒョンに余計な言葉は要らない。曲紹介なしに歌った「過ぎ去った風」は「彼女がまた私の元へ戻ってくるように」というもの。それは除隊後もファンと再び会えるように、との願いが込められたものだろうか。

こうして一人一人が個に立ち返ってファンに歌をプレゼントした後のメドレーも凄かった。約8分の間に6曲を詰め込んだノンストップミックスは限られた時間内に出来る限り多くの曲を聞かせたいという気持ちの表れ。ヒット曲のオンパレードに彼らの気合いを見た。
また、ミンホの「僕が皆を独り占めしたい」と語った後には、爽やかサウンドにアクロバティックなダンスを掛け合わせた「HITORIJIME」を歌い、後半ではメンバー全員がマイクをステージに置いて、ダンスに全力投球!

そして、遂にその時がやってきた。SHU-Iコンサートの本編最後のステージは、彼らにとって恒例の儀式からスタート。ミンホが「一番このことは言いたくないんですけど」と口火を切り、「皆さん! 次の曲が最後の曲です!」とインソク。チャンヒョンのエアー・タクトに合わせて、ファンが「え~! みーじーかーいー」が大合唱。“いつもの”やりとりはいつまでも続くかと思われたが、これが最後だ。ミンホは「最後の曲に行きたくないですね。次の曲がなかったら、ずっとここにいられるのに」と嬉しい言葉もかけてくれたが、解散は彼らが自ら選んだ選択。彼は気持ちを切り替えるように「最後の曲だから、もっともっと盛り上がらないと! それがSHU-Iです。全力で盛り上がっていきましょう」と呼びかけ、自分たちとファンとの明るい未来を切り開くように「未来へ」を歌い、第二部を終えた。


ファンの皆に心からのarigatou

アンコールはまずトリッキーな振り付けがポイントの「Brand New Page」を演じ、その後、「ファンへ恩返しをしなきゃ」(インソク) という気持ちから「arigatou」を。「詩的な表現はないけど、ストレートな気持ちを書いた。『あいがとう』という言葉を何千回言っても足りないから、この曲を発表しました」(ミンホ) と明かす、SHU-Iのラストシングル「arigatou」はラストライブにぴったりの曲だった。

もう本当の最後まで後1曲。次でラストという場面でジンソクは「涙で『行ってらっしゃい』じゃ悲しいですよね。何かを振り回す準備をしましょう。危ないものでなければ、何でも大丈夫ですよ」と語り、「ハジマリソング」に合わせて、場内は一つになってタオル・ヘリコプターで悲しみを吹き飛ばす。

そしてフィナーレはナマ声で「皆さん、本当にありがとうございました」! さらにダブルアンコールでは「陽のあたる場所」を歌い、エンディングは4人が肩を組んで体をぴったりつけながらーそこに彼らの結束力の強さを見た。

最後に「以上、SHU-Iでした!!」と挨拶した後も、4人は名残を惜しむかのように、手を振りながらファンの声援に応えていた。


ここから始まるSHU-Iの第二幕

今後、ジンソクを除く3人は韓国に戻って入隊し、ジンソクは日本で再び活動する予定だ。彼らは終盤でこう挨拶していた。

「僕たちが日本に来て、5年が経ちますが、時間が早いなと思います。仕事でもプライベートでもいい思い出がたくさん作れました。ファンの皆さんと会って、楽しかったです。永遠に最後、というのではなくて、また日本に戻ってきて、頑張って活動するので、応援してください」(チャンヒョン)

「完全なさよならではなく、僕らはしばらくの間、韓国に帰るだけ。特にジンソクは来年も日本で頑張るので、僕たちの分まで応援してくれたらな。SHU-Iは長い、幸せで夢のような時間でした。SHU-Iは永遠に忘れることができない夢で、僕はその夢を見ると、また皆さんと会って一緒に盛り上がりたいなと思います。僕のその願いが叶うまで皆さんが待ってくれたらな。みなさんの応援はこれからの熱い原動力になるので、応援よろしくお願いします」(ミンホ)

「お兄さんたちが軍隊に行くことで、僕も悩んでいた時期がありました。一人で立ち上がることって出来るのかなって。怖かったんですが、スタッフさんの応援で、勇気をもらいました。皆さんのおかげで今まで日本で活動することができたし、最後にもかかわらず、最近ファンになって僕たちを応援してくれる方もいました。そのことで可能性を感じたので、もう少し前に進んでみたいと思っています。韓国で準備をして、また日本で活動を再開する予定です。お兄さんたちが(兵役で) いない間、僕も寂しいですけど、前向きに考えて、2年間はあっという間だと思って、お兄さんたちを待ちましょう。今日ここに来られなかった方も心は繋がっていると信じています。SHU-I第二幕を楽しみにしていてください」(ジンソク)

「今まで、解散するかもしれない状況が何回もあって、色々なことがありました。でも、その度に皆さんのおかげでオリコンチャートにランクインし、それがチャンスになって、また日本で活動できるということが何回もありました。その時、日本で活動できるのは僕たちの力ではなくて、ファンの皆さんが応援してくださるから、と思いました。韓国に帰ると、実は不安になります。ファンの皆さんが僕たちのことを(忘れるんじゃないかって)……。それで落ち込むことがあるんです。でも2年間行かなきゃいけないので、その時間がプラスになるようにしたいと思います。5人の形は変わりますが、新しい形で日本で全力で頑張ります」(インソク)

K-POPアイドルグループは自然に解散するケースが多く、SHU-Iのように、自ら決めて解散する例は少ない。主体的に選んだ解散だからこそ、彼らは自分たちの進路に自信を持っているし、ファンもインソクの言葉に「忘れないよ!!」と声援を送った。ジンソクの言うSHU-Iの第二幕、それは既に確かな輝きを予感させている。

ライター:きむ・たく

【PHOTO】SHU-I、ラストツアー「以上、SHU-Iでした!!」完走…ファンの皆に心からの“arigatou”

「以上、SHU-Iでした!!」
日時:12月21日(月) 開場15:00 / 開演16:00
会場:【東京】Zepp DiverCity

【SETLIST】
01. STAR LIGHT
02. 虹をさがして
03. Please Help Me
04. Candy Rain
05. Forever my friend
06. Smile For Me
07. Ash gray sky
08. こんなに君を好きなのにどうして?
09. LOST LOVE
10. FOREVER WITH YOU ~僕らの未来図~
11. SO IN LUV
12. Kiss My Life
13. ネバギバ Yeah!
14. BOMB BOMB BOMB
15. Don't Be Down
16. Rolling Love ~飾らない愛のかたち~
17. Scream
18. Summer Sweet
19. Can't Let You Go
20. GLOW WILD
21. 約束の場所
22. Ghost/触りたい
23. HEY GIRL
24. インソク SOLO
25. ミンホ SOLO
26. ジンソク SOLO
27. チャンヒョン SOLO
28. 君を想う
29. メドレー
30. HITORIJIME
31. 未来へ
<ENCORE>
32. Brand New Page
33. arigatou
34. ハジマリソング
<ENCORE 2>
35. 陽のあたる場所

SHU-Iオフィシャルサイト:http://shu-i.info/

記者 : Kstyle編集部