パク・ボヨン、国民の妹を越える10年目の女優「片方に偏らず、丸く成長していきたい」
TVREPORT |
写真=チョ・ソンジン記者
デビュー10年目だ。青少年ドラマでデビューした2006年、パク・ボヨンは「過速スキャンダル」で“国民の妹”のタイトルを手に入れた。その後、パク・ボヨンは国民の妹という居心地の良い場所に安住せず、スクリーンとお茶の間を行き来し、毎回異なるジャンル、キャラクターに身を任せた。その結果、20代の女優としては珍しく自身だけの領域をしっかり築きあげた。映画「恋するインターン~現場からは以上です!~」(監督:チョン・ギフン、制作:パンチャクパンチャク映画社)で帰って来たパク・ボヨンに会った。今回の映画は芸能部の見習い記者(パク・ボヨン)が時限爆弾のような上司ハ・ジェグァン(チョン・ジェヨン)に会って経験する奮闘を描いた映画だ。パク・ボヨンはどこに飛ぶか分からない社会人一年生のト・ラヒ役を演じ、肩の力を抜いて水が流れるような自然な演技を披露する。
どこから教えていいか、ため息が自然に出るト・ラヒがハ・ジェグァンに出会って本当の記者に成長するように、テレビに自分の姿が映ることが不思議だった17歳の少女は、いつのまにか作品を率いる頼もしい女優になった。「スクリーンを通して観客と会うのは結局自分自身」であるため、「演技に対する責任もすべて自分でとるしかない」と話すパク・ボヨンから、国民の妹を越える10年目の女優の老練さが感じられた。
パク・ボヨンは少し遅くても片方が尖った俳優ではなく、丸く成長していきたいと話した。結果がいい作品でも、そうでない作品でも、結局、女優パク・ボヨンにとっては頼もしい糧になることを信じるため、作品ごとに新しいチャレンジを恐れないというパク・ボヨン。以下はパク・ボヨンとの一問一答である。
―普段からマスコミに関心があったのか。
パク・ボヨン:今のようにインタビューを受けるのが楽しいが、いつも難しい。先ほどもチョン・ジェヨン先輩にインタビューがあまりにも難しいと話したら「当然のこと。これが易しくなることはない」とおっしゃった。3ヶ月間、見習い記者を演じただけでも記者についてすべて分かっているとは思わないが、少しは分かるようになった。
―映画でのようにインタビューをしたいアイドルがいるとしたら?
パク・ボヨン:インタビューはとても難しいと思う。インタビューの対象についてたくさん勉強しないといけないじゃないか。難しいと思う。
―実際に芸能部の記者になってみるのはどうか。
パク・ボヨン:今の職業で本当に幸せだ(笑)
―ト・ラヒのように言いたいことは言う方なのか。
パク・ボヨン:ラヒほどではない(笑) でも、今は少しずつ意見を言えるようになった。昔は違うと思った状況でも言えなかったが、いつの間にか私が意地を張るのも少しは必要だと思えてきた。スクリーンでの私の姿はすべて自分が責任をとらないといけないじゃないか。とにかく演じるのは私。出来るだけ自分の意見を言おうとする方だ。
―この映画でも監督に意見を話したことがあるのか。
パク・ボヨン:実は(取材)手帳ではなくノートパソコンを使いたかった。監督に「最近の記者さんは手帳を使っていません」と話したが、監督は「ラヒは何があっても手帳さ!」とおっしゃった(笑) 記者懇談会で質問するシーンでも発表するように、「スポーツドンミョンのト・ラヒ記者です!」と話さないでしょう。監督の前で愚痴ったりもしたが、受け入れてもらえなかった(笑) 映画の設定のため、ある程度大げさに演じるのが必要だったからではないかと思う。
―新米記者を演じて、新人時代のことをかなり振り返ったのではないか。
パク・ボヨン:職場生活をしたことはないが、社会生活は経験してみた。自分なりの共感ポイントを見つけようとした。見習い社員も私が新人のときに経験した苦悩と似ているものを経験していた。例えば少ない出演料、新人だから果てしなく待つしかなかったこと。似ていた。あえて私の新人時代じゃなくても、高校の友達で会社勤めしている子が多い。この映画のためじゃなくても、友達に会うといつも会社生活について話したりする。友達の悩みを思い浮かべて演じたりもした。
―会社員の苦悩を間接的に経験した。
パク・ボヨン:氷のようにじっとしているだけでも周りのことが気になり、自分のことが塵のように感じられた。これを毎日どうやって耐えるのか?私は会社生活できなさそうだった。部長が何も言わないのがより気になるし。記者さんもオフィスの外にいる方がまだいいでしょう?(座中爆笑)
―ト・ラヒのようにパク・ボヨンも新人時代にたくさん怒られたのか。
パク・ボヨン:もちろん。本当にたくさん怒られた。怒られなくなってあまり経っていない。今も怒られているが、昔に比べて回数、強度、深さが減っただけだ。
―ト・ラヒは初の給料で97万6900ウォン(約9万7690円)をもらう。パク・ボヨンの初出演料はいくらだったのか。
パク・ボヨン:20万ウォン(約2万円)。高校2年生のとき、EBS青少年ドラマ「秘密の校庭」の出演料だった。20万ウォンを所属事務所と分けて、税金を払って、すべて母に渡した。あのころはテレビに出るだけでも不思議なときだったから。「ママ、友達とカラオケに行きたいから5000ウォン(約500円)ください」と言ったりした(笑)
―パク・ボヨンも辞職願を出したい瞬間があるのか?だから、演技をやめたい瞬間のことだ。
パク・ボヨン:女優が私と合うのかに対する悩みは作品が終わるたびする。だからと言ってすぐに止めたいという気持ちだけで止めるにはあまりにも大きな責任を伴う職業だ。
―チョン・ジェヨンとの共演はどうだったのか?
パク・ボヨン:先輩の演技を一つも逃さずすべて受け止める!という気持ちで演じた。撮影前からときめいた。私が映画でしか会ったことのない先輩と共演できることに感謝した。チョン・ジェヨン先輩だけでなく、千万妖精(彼が出演すれば千万観客を動員することが多いということから)オ・ダルス先輩もいたし。映画でしか会ったことのない先輩と共演できて不思議で楽しかった。
―もし、本人が芸能部の記者ならチョン・ジェヨンに聞きたい質問はあるのか。
パク・ボヨン:そうだな。こういうのはあらかじめインタビュー相手について勉強しないと。
―もう経歴10年目の女優だ。自分はどんな先輩だと思うのか。
パク・ボヨン:私がもう10年目だなんて。まだ作品数も少なく、演技の成長も遅いし、否定したい(笑) 私が以前考えていた26歳は少なくとも今よりはとても大人っぽくなっていると思った。今は、年齢だけ変わって、デビュー初期とたいして変わらない。いつごろ大人になるんだろうと思う。まだ先輩に頼っている方だが、後輩が私を見て頼りたいとは思わないと思う。ハハ。
―作品選びの基準があるとしたら。
パク・ボヨン:最初はシナリオの楽しさ、二つ目はやったことのないこと。結果がよくても悪くてもすべてが積み重なって私の経験として残るじゃないか。いい土でも良くない土でも結局は自分の糧になる。だから、できるだけやったことのないことをやってみようとしている。
―ドラマと異なりとりわけスクリーンではラブライン以外の挑戦をしているような印象を受ける。意図したものなのか。
パク・ボヨン:やっているうちにそうなったというのもあるが、まだ恋について分からない。だからか、ラブストーリーをしっかり表現できるのか疑問がわく。「ああ、私の幽霊さま」ぐらいはいいが、それ以上は大変じゃないかな。もちろん、こんなこと言っといて後で出演するかもしれないが。
―恋について分からないというのは、まだ恋をしたことがないということなのか。
パク・ボヨン:したことがないわけではないが、良く分からない。姉が結婚した。「お姉さん、ところで愛って何?」と聞くと「胸がドキドキする何か」と答えた。私は一度も胸が揺れたり、しびれたことがなくて。深い、切ない愛はまだしたことがないと思う。
―「フィッシュマンの涙」の悪口演技、「ああ、私の幽霊さま」の淫乱な幽霊の演技まで。最新作を見ると国民の妹のイメージを脱皮しようとしているように見える。逸脱を夢見ているのか。
パク・ボヨン:片方に偏りたくはなく、少し遅くても丸く大きくなりたい気持ちが大きい。こんなこともやってみたり、あんなこともやってみたりして自分の中にあるものを引き出してみたい。国民の妹のイメージが固まるんじゃないかは大して心配していないが、そのイメージが固まるのもやはり良くないと思う。だからといって、敢えて観客を裏切りたいとは思わないし、毎回新しい姿を見せたい意欲はある。パク・ボヨンが今度はどんな姿で出てくるだろうか?と思わせる女優になりたい。
記者 : キム・スジョン