Vol.2 ― 「DREAM CONCERT」20周年、K-POPと共に成長した20年間…そして未来へ

10asia |

「DREAM CONCERT」が今年、20周年を迎えた。毎年当代最高のアイドルグループが総出演するお祭りの場である「DREAM CONCERT」は、20年以上続いている唯一の公演だ。そのため、「DREAM CONCERT」は“アイドルグループの聖地”と呼ばれるほど象徴性を持つ。「DREAM CONCERT」は多くの人気アイドルグループのステージを見れるというメリットがあり、公演会場をぎっしりと埋め尽くす風船とペンライトの風景はもう一つの壮観を演出する。座席を埋め尽くした色さえ見れば、その年の最高の人気アイドルグループが誰なのか分かるほどである。K-POPの発展につれ、「DREAM CONCERT」も韓流の中心として共に成長している。今回、20周年を迎えた「DREAM CONCERT」の意味について、もう一度振り返ってみた。

前向きな影響力の見本

1995年から始まった「DREAM CONCERT」は“青少年のための公演”いうモットーのもと、主権回復50周年を記念して開催された合同コンサートだ。現在は「INCHEON KOREAN MUSIC WAVE」など、「DREAM CONCERT」以外にも合同コンサートが大きく発展したが、当時は青少年が一緒に楽しめる文化イベントやコンサートがほとんどなかった時代であるため、「DREAM CONCERT」は大きな話題を集めた。

「DREAM CONCERT」は単に当代最高の歌手が集まる合同コンサートだけに意味を置かなかった。毎年、「国を愛する心」「暴力は悪いこと」「愛する大韓民国」など、社会的な教訓をコンサートのテーマに選定し、メッセージを伝えようとした。テーマの選定においても、その年の最も大きな話題と関連したものを選んだ。主権回復50周年を記念した初年度は、「国を愛する心」、IMF(1997年に起こった韓国の経済危機)で大変だった時のテーマは「お父さん、愛しています」だった。今年のテーマは「頑張れ!大韓民国」だ。旅客船セウォル号の沈没事故をはじめ、無気力に陥った韓国社会に投げかけるメッセージとみられる。

「DREAM CONCERT」は収益事業も行わない。蚕室(チャムシル)オリンピック主競技場で開催された1995年から2008年までは無料で開催され、その後ソウルワールドカップ競技場に会場を移した後は1枚当たり5000ウォン(約500円)のチケットを販売した。収益金の全額は社会団体に寄付している。「DREAM CONCERT」は青少年に最も大きな支持を得ている歌手たちの人気を活用し、社会に前向きな影響力を与えている。

成熟したファン文化

「DREAM CONCERT」の長い歴史につれ、成熟されたファン文化も「DREAM CONCERT」の自慢である。当代最高のアイドルグループが出演するため、公演が開催されるたびにファンダム(特定のファンの集い)の競争も激しかった。垂れ幕をかけるために客席の争奪戦が起きたり、ライバルグループのステージでは揶揄を浴びせることもあった。その中で、ファン座席の配置図はファンダムの最も大きな関心事だった。公演の前からファンの間でファン座席の予想配置図が作られるなど、風船の文化とファン座席の配置は「DREAM CONCERT」のユニークな文化になった。

このようなファン文化は「DREAM CONCERT」の主催側である韓国芸能制作者協会が主導的に乗り出したのではなく、ファンダムの間で自主的に作られた文化という点で意味深い。歌手をより効果的に応援するため、ファンたちが先に団結したものの、韓国芸能制作者協会はこれを補助する形でファン座席の配置が行われた。2000年代後半からは企画事務所との協議を通じてファン座席の配置を決めるなど、もう少し有効な公演文化を作り始めた。今年は企画事務所と協議せず、自主的にファン座席を決めたと知られ、もう「DREAM CONCERT」は単に主催側が行うだけのイベントではなく、観客であるファンも一緒に参加して作っていく公演として発展している。

K-POPの未来は「DREAM CONCERT」で探せる

「DREAM CONCERT」はK-POPを広く知らせることにも役立っている。今は海外のファンたちの韓流への愛情が広く知られているが、韓流がまだブームじゃなかった1世代アイドルの時代にも「DREAM CONCERT」を訪れる海外のファンがいた。S.E.Sがジャニーズ事務所所属のV6と一緒に「DREAM CONCERT」のステージに立った時も、多くの日本のファンたちが一緒に韓国を訪れ、公演を観覧した。韓国芸能制作者協会の関係者は、「最近は海外からの観光客やファンが韓国を訪れるルートが便利になった。海外のプロモーションを通じて海外から観客が来れるように主催側も努力している」と伝えた。

「DREAM CONCERT」は人気アイドルだけでなく、音楽界をリードしていく有望株を発掘することにも力を注いでいる。昨年は公演が始まる前に「Dream Rookie Stage」を設け、Tiny-G、DASONI、アリバンド、TOXIC、24K(ツーフォーケー)、GLAM、OFFROADといった7チームを紹介した。また、オープニングステージでは16ヶ国の多様な国籍を持つ51人のK-POPのファンたちがカバーダンスを披露し、K-POPの可能性を示した。

グループの成長を見守るのも「DREAM CONCERT」の妙味だ。昨年、2番目にステージに上がったEXOは今年最も大きなファンダムの規模を誇るほどに成長した。新人グループとして紹介されたVIXXも、今は大きな人気を博している。今後、またどんな歌手が威容を見せ付けるのか気になる人は「DREAM CONCERT」を見ることをお勧めする。

記者 : パク・スジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン