最高密度のサスペンスがついに上陸!「世界の終わり」徹底分析 ― 3つの鑑賞ポイント

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「君の声が聴こえる」の脚本家パク・ヘリョン、「密会」の演出家アン・パンソク、そして「Three days」で圧倒的な存在感を示したユン・ジェムンがタッグを組んだ「世界の終わり」がいよいよ日本に上陸する。
物語の舞台となる疾病管理本部には、総製作費20億ウォン(日本円で約1億9千万円) が投下。よりリアルで密度の濃いサスペンスとスリリングなストーリー展開が話題となった。本作の鑑賞ポイントをピックアップした。
 

1.次が見たくてたまらない!計算された謎解きと人間ドラマの素晴らしい融合

「世界の終わり」は致死率100%の謎のウイルスをめぐる人間模様を描くヒューマンサスペンスだ。「ウィルス」と聞くとパニックもののように思われがちだが、「世界の終わり」は緻密なサスペンスと重厚な人間ドラマが見事に融合した作品になっている。
物語は深刻な感染症の疑いがある一人の男の登場により動き始める。鋭い観察眼と洞察力で“シャーロック・ホームズ”の異名をもつカン・ジュホンが率いる疫学調査チームは、感染源の割り出しを急ぐ。やがて遠洋漁船の乗組員オ・ギヨンという青年が浮かび上がってくるが……。
物語の展開はスピーディに、かつ毎回視聴者の予想を軽々と超えていく。「いったいどうなっていくのか!?」1話見終わるたびに、次が見たくてたまらない。しかも、面白いのは謎解きと巧妙に絡み合っていく、人間模様だ。謎のウィルスの正体が少しづつ露わになっていくにつれ、人間の持つ本質が浮かび上がり、変貌を遂げていく人間関係。それが、まるで映画のような映像美で表現された静謐な世界の中で描かれていくのだ。クォリティの高さは、映像・脚本ともにトップクラスだろう。最先端の韓国ドラマを見たい方にぜひおすすめしたい作品だ。


2.“いぶし銀”すぎる実力派俳優たちの演技合戦

「世界の終わり」には華やかな韓流スター・K-POPアイドルは出演していない。主役も脇役もすべて実力派の俳優で固められた、まさに“いぶし銀”なキャスティングだ。
ただ、この渋すぎる俳優たちの演技合戦は一見の価値ありだ。緊迫した状況で展開される複雑な心理合戦を、ちょっとした表情やしぐさで表現できるのはやはり実力があるからこそ。また極限状態で感情を爆発させていくシーンでは、視聴者を圧倒し、物語の世界に引き込むパワーがある。
特に注目すべきは、ユン・ジェムン、チャン・ヒョンソン、キム・チャンワンの3人だろう。“韓国のシャーロック・ホームズ”カン・ジュホンを演じるユン・ジェムンは近年「キング~Two Hearts」「根の深い木」などで強烈な印象を残し、JYJ ユチョン主演「Three days」でも注目を集める演技派俳優だ。「世界の終わり」では主演として、緻密に計算された完成度の高い演技を披露した。(海辺で愛の歌を歌う、なんて貴重すぎるロマンチックなシーンもあり!) 「Three days」のチャン・ヒョンソンと「密会」のキム・チャンワンはライバル同士の科学者と医師を演じた。2人が、互いへの嫉妬や苛立ちゆえに人間の本質をむき出しにしていく様子は、ドラマに素晴らしい効果を与えている。
まさに韓国ドラマの地盤を支える“いぶし銀”俳優たち。「世界の終わり」がみせる彼らの饗宴をぜひ楽しんでほしい。


3.今、最もホットな脚本家と演出家がタッグを組んだ作品

韓国では、信頼できるドラマの事を<ミッコ ボヌン ドゥラマ>と呼ばれるが、この「世界の終わり」もそういった作品のひとつである。「白い巨塔」「妻の資格」そして、ユ・アイン、キム・ヒエ主演で大ヒットを記録した「密会」の演出を担当し<ミッコ ボヌン ドゥラマ>の代表格と言われる演出家アン・バンソク。徹底的な医療リサーチを行い細部までこだわったディテール、登場人物たちのキャラクターを繊細に描写する独自の演出スタイルは本作でも遺憾なく発揮され、単なるウイルスパニックものでは終わらない、人間本来の欲望と喜怒哀楽を描きだす重厚感溢れるヒューマンドラマに仕上げている。
また、脚本は「君の声が聴こえる」で2013年最も輝いた脚本家のひとりに選出されたパク・ヘリョンが担当。
最後まで練りに練られたスピード感溢れるストーリー展開は、この脚本家の力なしには成し得なかったといえよう。
演出家アン・パンソクは、「人間は世界の端にたった時、人生を振り返る。何気なく生きている時は自分が何を好きで何を嫌いなのか良く分からない。しかし、極限状態で最後の選択肢の岐路に立った時、このドラマが視聴者に自分の人生を振り返るきっかけなってもらえれば嬉しい」と語った。


「世界の終わり」
<シンプルBOX 5,000円シリーズ>

●発売日:6月4日(火)
 ※6月3日(月) レンタルリリース
●価格:5000円+税
●発売元・販売元:エスピーオー
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「世界の終わり」公式サイト:
http://cinemart.co.jp/sekai-owari/

記者 : Kstyle編集部