「ザ・ウイルス」韓国版パニックドラマは成功するのか

OSEN |


「ザ・ウイルス」興味深いが限界も…題材尽きた地上波に輸血できるか

OCN「ザ・ウイルス」が、韓国パニックドラマの流行を牽引するのか、期待を集めている。

ロマンス、ラブコメディ、大型スパイものまで全て“大ヒット”を飛ばすことができず横ばい状態に陥っている地上波にも影響を及ぼすことができるのか、関心が高まっている。

これまで「神のクイズ」「ヴァンパイア検事」などアメリカドラマ型の捜査物を多数制作し注目されたものの、地上波までジャンルを拡散させることはできなかったケーブルドラマが、今回は“感染症”というカードを出したのだ。感染症は「コンテイジョン」などのハリウッド映画はもちろん、アメリカやイギリスなどで数回制作された人気の題材だ。感染症が拡散する緊迫感と、それを止めようとする人たちの死闘は魅力的なポイントとなる。

1日に韓国でスタートし、現在第2回まで放送された「ザ・ウイルス」は、ソウルを中心に犠牲者が増えていくウイルスを取り上げており、すでにお馴染みの鳥インフルエンザに致死率100%の変種ウイルスを加え、視線を引いている。

ストーリー展開は非常に早い。16話分のストーリーを10話に縮約しているだけに、無駄な詳細がなく、犠牲者が増え続け緊迫感が高まっている。

ただ、第一歩であるだけに惜しい点もあった。特殊感染病危機対策班の班長を演じるオム・ギジュンは、これまでの感染症が題材であったドラマや映画でのキャラクターとほとんど変わらない。これまではまだ、冷徹で仕事しか知らない、家族史に傷を抱える断片的な人物として描写されている。演出が途切れがちで自然に繋がらないのも目につく。

しかし、これまで海外映画やドラマだけで接してきた題材を、ソウルを背景として見られるだけでも、この作品は十分興味深い。もし上手くペースを維持できるのならば、題材が二番煎じされている韓国ドラマの“突破口”となることもできそうだ。

ここに、作品がもう一つ追加される。JTBCも感染症を取り上げたドラマを制作したのだ。「限りない愛」の後番組として編成された「世界の終わり」だ。ペ・ヨンイク脚本家の長編小説「伝染病」を原作にした「世界の終わり」は、原因不明の病気が無差別的に拡大しながら発生する人間の苦悩と葛藤を取り上げた作品だ。ユン・ジェムンが、疾病管理本部疫学調査課の課長役を演じる。

記者 : イ・ヘリン