索漠とした時代、ロマンチストの力は強いだろうか？

人気グループINFINITEが“世界最後のロマンチスト”を掲げ、21日に2ndフルアルバム「SEASON2」でカムバックする。タイトル曲の題名からして「Last Romeo」だ。索漠とした現実にしばらく忘れていたロマンチストを再現し、10代はもちろん、20～30代の女性の心まで捕らえるという戦略である。

カムバックの規模も大幅に拡大した。19日に日本で開催され、5千人を動員した初のショーケースを皮切りに、20日に台湾、21日に韓国と、3ヶ国でショーケースを開催する。「追撃者(The Chaser)」の際に、韓国の5都市を回ったINFINITEが、その活動領域を大幅に広げた点を誇っている。既にトップクラスに上がったと評価されているINFINITEが、それに楔を打ち込むという覚悟だと解釈される。

第2幕、新たなデビューだ

今回のニューアルバムのタイトルは「SEASON2」。過去3年間の活動をシーズン1と定義し、これから新しくスタートするとの意味だ。シーズン1の結末はワールドツアー。シーズン1は中小芸能事務所から“なんとか”出発し、じわじわと成長を続け、21ヶ国を回るワールドツアーまで成し遂げる人気グループに跳躍するなど、非常にドラマチックだった。そして、所属事務所のWoollimエンターテインメントがSM C＆Cのレーベルとなり、新たなシーズン2を予告した。

シーズン2のオープニングは、やはり“マンモス級”で準備された。3ヶ国を回るショーケースで、以前とは確実に変わった位置づけを見せつけながらも、変わらず熱いファン層を維持し、5月に期待される大型カムバックの一つに挙げられた。シーズン1がトップへの跳躍だったとすれば、今回のシーズン2はトップへの定着になる見通しだ。また、アメリカ、中国など、活動範囲をより広げる計画も入っている。

戻ってきた“オッパ”と対決する“ロミオ”

世界最後のロマンチストのライバルは、帰ってきた“オッパ”(お兄さんという意味で、女性ファンが年上の男性アイドルを呼ぶときによく使う)になる見通しだ。今月の頭にカムバックしたgodを皮切りに、フィソン、Fly To The Skyに続く“オッパ”たちのR＆Bブームが予想以上に強い。20日0時に9thアルバムをリリースしたFly To The Skyは、公開と同時に10つの配信ランキングを“制覇”し、底力を見せ付けている。旅客船セウォル号の沈没事故で傷ついた韓国のリスナーたちが、godなど昔の郷愁をくすぐる歌に大きく反応していると解釈されている。

「Last Romeo」にも勝算はある。ロックをベースにしたリアルサウンドには重みがあり「君しか見えない」と歌うメンバーたちは悲壮だ。INFINITEはデビューしてからずっと“強力な愛”を歌い“執着アイドル”と呼ばれて来たが、今回はその魅力を最大限に引き出した。年齢を問わず女性のロマンであるロマンチストを再現した上に、音楽にも80～90年代のレトロ感が溶け込んでおり、20～30代の女性からの支持が高いこともINFINITEの強みだ。いつにも増して索莫としたこの頃、いつにも増してロマンチックなINFINITEがどのようなシーズン2のオープニングを見せるのか楽しみだ。