EDEN テヒョン&ヒソン「今年は今まで準備してきたものを披露する年…期待してください」

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歌手が演技と歌を並行することが不思議に思われていたのも昔の話。多方面で活躍する芸能人を意味する“万能エンターテイナー”という肩書きがいらないほど、歌手が演技をしたり俳優が歌を歌う姿はもはやお馴染みの光景だ。

メンバーが一緒にいる時は間違いなくバンドだが、デビューは俳優としての方が先であり、役者としての活動時間の方がずっと長いユニークな男たちを紹介したい。彼らはバンドEDENのリーダーテヒョン(数え年28歳)と最年少メンバーのヒソン(数え年25歳)だ。EDENは昨年日本で先にCDを発売してデビューを果たしたバンドで、テヒョンとヒソンにドラムのヒョンジェ(数え年27)を加えた3人組だ。

現在中国で活動中のヒョンジェが不在の間、テヒョンとヒソンはKBS 1TV毎日ドラマ(月~金曜日に放送されるドラマ)「愛は歌に乗って」(脚本:ホン・ヨンヒ、演出:イ・ドクゴン)で共演中だ。出番に差はあるが、一緒に出演できるだけでとても幸せだという二人にデビュー秘話や演技の苦悩、そして今後の計画を語ってもらった。


ヒソン「俳優は夢の職業、ロールモデルはRAIN」

「愛は歌に乗って」でコン・ドゥリム(SISTAR ダソム)とパク・ヒョヌ(ペク・ソンヒョン)の愛を揺るがす“悪い男”ユン・サンヒョンを演じるヒソン。ドラマの中でユン・サンヒョンは自身の目標を達成するために無茶な行動をし、視聴者から叱咤の声が続いている。しかし、実際のヒソンはユン・サンヒョンとは正反対の性格と声、表情を持っている。前髪を下ろした彼の姿は間違いなく大学の新入生そのものだ。

さらに興味深いのはヒソンの前作での役柄だ。ヒソンは2012年よりTV朝鮮ドラマ「約束の恋人」(原題:韓半島)、KBS 2TV「花を咲かせろ!イ・テベク」「ドラマスペシャル-不寝番をしろ」、SBSドラマ「結婚の女神」などを通して着実に活躍してきたが、毎回演じる役のイメージが違う。そのほか、フランスへチェロの留学に行っていた彼がバンドを結成し、俳優として活動するまでの過程など、興味深い点がいくつかある。

ヒソンは6歳から10年以上続けてきたチェロを止め、医師を目指したが、突然家庭の経済状況が厳しくなり、留学生活を終えて韓国に帰国するしかなかった。「韓国に戻ってきた時、僕と同じ年頃の子たちは皆、修学能力試験(韓国のセンター試験)に向けて準備をする高校3年生でした。なのに、僕にはできることがありませんでした。突然道が塞がり、2年間途方に暮れていました」

ヒソンは「そしてふと『やらなかったら死ぬ時に後悔するような職業は何だろう』と職業について悩み、俳優になることを決意しました」とデビュー秘話を語ってくれた。「色々準備をしながらフランス語の通訳をしたり、レストランでアルバイトをしていた時期にバンドのオーディションのオファーが来ました。音楽と演技両方やっていくという新しい目標ができました」ヒソンはロールモデルとして歌手で俳優のRAIN(ピ)を挙げ、改めて成功への決意を固めた。


テヒョン「ミュージカル俳優としての情熱は半端ではない」

テヒョンのキャリアもヒソンに負けない。グループで唯一の韓国国内派だが、声楽家の祖父の影響もあって、中学時代に音楽に接してから10年以上音楽と共に生きてきた。テヒョンは作曲、ボーカル、演奏の実力を兼ね備えたシンガーソングライターだ。ここにO'live TV「マスターシェフ・コリア・セレブリティ(Masterchef Korea Celebrity)」シーズン2(以下「マスターシェフ・コリア2」)で準優勝するほどの抜群の料理の腕前まで兼ね備えている。

「愛は歌に乗って」はテヒョンの役者デビュー作だ。テヒョンは劇団の先輩クム・ナリ(ハン・ミンチェ)がドゥリムに意地悪をする度にそれを咎めるコミン役を演じている。セリフの少ない小さな役だが、演技に初めて挑むテヒョンにとって夜に放送される毎日ドラマは良い刺激になっている。「よく人から僕が優しくて礼儀正しいイメージがあると言われますが、それを打ち破るような悪役を演じてみたいです」

演技には様々なジャンルがあるが、テヒョンの関心は今ミュージカルに向いている。テヒョンが「マスターシェフ・コリア2」で歌ったミュージカル「ジキルとハイド」のOST(劇中歌)「今この瞬間」は話題となった。テヒョンは「最近チョン・ソンファ先輩が主人公として出演したミュージカル『ラ・マンチャの男(Man Of La Mancha)』を見ました。チョ・スンウ先輩の出演する舞台もまた見たいと思います」と話した。テヒョンは最近鑑賞したミュージカル作品を複数挙げ、いつかステージに立つであろう自身の姿を想い浮かべた。

「明るく活気溢れる雰囲気のミュージカルも良いですが、『ラ・マンチャの男』を見て本当に格好良いと思いました。チョ・スンウ先輩のミュージカルの演技はインターネットで見たことがありますが、半端ではありませんでした。エネルギーを自由自在に操るところに本当に驚きました。どんな役でも良いので一度は是非ミュージカルに出てみたいです。舞台の上で歌を歌い、演技もできる一石二鳥の経験になると思います」


テヒョン&ヒソン「バンドEDENとして一生一緒にやっていきたい」

テヒョンとヒソンは約4年間同じ宿舎で生活している。実の兄弟同然にお互いの性格や長所、短所を全て知っている。ヒソンは「僕たちはお互いの目を見ただけで何を考えているのか分かります」とチームワークの良さをアピールした。「僕はクラシック音楽を長い間やってきたので割と繊細な性格です。少し音が聞こえただけで眠れないし、光を感じただけでも眠れません、ですが兄さんとは一度も喧嘩をしたことがありません。父親のように頼れる人です」

EDENの中で最も人気の高いメンバーについて聞いてみた。テヒョンが「弟たちに助けてもらっている」と答えると、ヒソンは「最初にテヒョン兄さんが『マスターシェフ・コリア2』でグループを引っ張り、ドラマに出演するようになってからは僕が土台を作り、ヒョンジェ兄さんはCMで頑張ってくれている」とし、「EDENには一人も劣っているメンバーがいない」と強調した。するとテヒョンは「午年生まれのヒソンが走れば僕も一緒に走る」と明るく答えた。競い合わず、お互い配慮し合う姿が美しかった。

二人は10年後の姿を想像しながらEDENのことも忘れなかった。テヒョンは「僕たちには出来ることがたくさんあるので、ヒョンジェがドラム、僕がキーボードとギター、ヒソンはチェロの演奏をしてジャズトリオとしても活動できそうだ」と語った。「チャンスがあれば『愛は歌に乗って』の後もドラマで共演したいです。対立関係でもいいし、兄弟役としてでもいいです。どんな役でもヒソンと一緒なら楽しいと思います(笑)」

最後に今年のEDENの目標を聞いてみた。ヒソンは「韓国でもバンドとしてデビューして活動したい。役者としての知名度を上げることが目標です。是非新人賞を狙いたいです」と明かして拳を強く握った。テヒョンも負けじと「ヒソンと同じく、新人賞の候補になりたいです」と言って大きく笑った。「今年は今まで準備してきたものを披露する年だと思います。EDENの活躍に期待してください」

記者 : イ・ウイン、写真 : ムン・スジ