「ミス・コリア」花のような女性たちの犠牲を対価にした水着審査

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=MBC「ミス・コリア」スクリーンショット
すらりとした美人であふれる今とは異なり、10年前には欧米型の美人はそれほど多くなかった。90年代、人々がミスコリア大会に熱狂したのは、日常であまり見かけない8頭身の美女たちが集まって対決を繰り広げる珍しい光景を見ることができたからだろう。

水着審査はミスコリア大会のハイライトであり、象徴でもある。しっかりメイクと髪をいっぱい膨らませたヘアスタイルで青い水着を着たすべての参加者たちが、同じ条件の下で対決を繰り広げる。34-24-36インチ(86-61-91cm)、スリーサイズもほぼ同じであるため、競争はさらに激しい。「ワイキキ~」と人々に向かって明るく微笑む彼女たちだが、実際には戦争をしているのだ。

9日に韓国で放送されたMBC水木ドラマ「ミス・コリア」(脚本:ソ・スヒャン、演出:クォン・ソクジャン)では、水着審査の興味深い裏話が描かれた。単純に体つきを誇るための大会だと思うのは大間違い。視線やジェスチャーまですべてのことが徹底した計算の下で行われるのが水着審査だ。小さな水着の中には美女たちの切迫した気持ちが込められていた。

この日、オ・ジヨン(イ・ヨニ)は身体検査で不利益を被った。大会を後援するスポンサーがオ・ジヨンをサポートするキム・ヒョンジュン(イ・ソンギュン)のライバル会社だったからだ。大会関係者たちはスポンサーの要求により、オ・ジヨンのスリーサイズを偽造する不正行為をした。オ・ジヨンに死活をかけたキム・ヒョンジュンは不安になった。

しかし紆余曲折の末、オ・ジヨンはすっぴん審査で最も高い点数を受けた。キム・ヒョンジュンが工夫をして審査現場に記者を投入させたからだ。審査員たちは記者の存在を気にして正直に点数をつけるしかなかった。その結果、オ・ジヨンが最も高い点数を受けることができた。

しかし受難は続いた。オ・ジヨンが唯一のコンプレックスである小さい胸をバッドを入れてカバーしているのを知ったライバルたちが、水着審査の直前にパッドを奪ってしまったのだ。多くのライバルたちがオ・ジヨンをコーナーに追い詰め、彼女のパッドを取り出してハサミで切ってしまった。結局オ・ジヨンはそのままステージに立つしかなかった。

オ・ジヨンは生まれ持った美貌とすらりと長い手足で審査員の心を掴んだ。明るい笑顔から手のしぐさまで無事にパフォーマンスを終えたが、問題は小さな胸だった。優れたボディラインに比べて残念な胸がオ・ジヨンの短所として強調されたのだ。審査員たちは「腕や足は本当に綺麗なのに胸が小さすぎる」と点数をつけることに困難した。パッド一つでオ・ジヨンに試練が訪れたのだ。

ソウルで3位以内に入らなければ本選に進出できないオ・ジヨンは危機を直感した。結局、トップ5人の中には入ったものの3位には入れなかった。ソウル眞(1位)を超え、ミスコリア大会の眞を夢見たオ・ジヨンは、本選進出目前で挫折するしかなかった。今回の大会に人生をかけたオ・ジヨンの心境は複雑だった。脱落の苦杯をなめた瞬間にも笑顔を見せなければならない彼女の表情は視聴者を悲しませた。本選進出はオ・ジヨンの周りの人々の夢でもあったため、脱落はまさに衝撃だった。

特に視線を引きつけたのはイ・ヨニの演技だった。微笑みながらも涙ぐむ難しい演技を見事にこなした。微笑むように泣き、泣くように微笑む、難しい演技をうまく表現した。華やかな舞台の上に立っているものの、どの時よりもみすぼらしさを感じるオ・ジヨンの姿は、ミスコリア大会が華やかな外見とは異なり、どれほど切迫したものなのかを見せてくれた。

人々がお茶の間でゆったりと見ていた水着審査は、熾烈な競争と嫉妬、夢、挫折など、花のような女性たちの犠牲を対価にした舞台だった。そのため、ドラマ「ミス・コリア」は気楽な気持ちばかりで見ることができないドラマだ。14年前の物語だが、大会を巡る人々の切迫さは厳しい現実を生きている私たちの姿に似ている。

記者 : キム・ジヒョン