長編アニメーション「豚の王(The King of Pigs)」がカンヌ国際映画祭の監督週間に出品され、世界の注目を浴びたヨン・サンホ監督の新作長編アニメ映画「サイビ(The Fake)」(制作：スタジオDadashow)がトロント国際映画祭に正式出品されることが決定した。

今年で33回を迎えるトロント国際映画祭は、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭に次ぐ北米最大規模の映画祭で、北米市場進出の橋頭堡と言われるほど、商業的な重要性も高く評価されている。

「サイビ」の海外配給を担当しているファイン・カットは「『サイビ』はトロント国際映画祭で上映される映画の中でも“挑発的で、誘惑的で、革新的な若い映画”というスローガンを掲げたヴァンガード部門に出品される。これは映画の作品性だけでなく、商業性も認められるようになったという意味を持つ」と伝えた。

ヨン・サンホ監督は「サイビ」の制作動機について「自身が信じている価値の根拠を揺さぶる物語を作ってみたいと思った」と明かした。

「サイビ」は水没予定の村に住んでいる、誰もが優しいと思っている牧師と、酔っ払いのギャンブラーある男の姿を描いた社会告発的なアニメーション映画。第38回トロント国際映画祭で世界初の公開となる。トロント国際映画祭は9月5日に開幕し、9月15日まで行われる。