「優しい男」刺激的な設定の塊…それでもドロドロではない

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イ・ギョンヒ脚本家、ドロドロな設定をドロドロしてない展開に

KBS 2TVの水木ドラマ「優しい男」は、ドロドロな設定が隋所にちりばめられているにも関わらず、なぜかそれほどドロドロしているようには感じない。これはドラマを執筆するイ・ギョンヒ脚本家の力によるものだろう。

これまでイ・ギョンヒ脚本家は「サンドゥ、学校へ行こう!」「ごめん、愛してる」「ありがとうございます」「クリスマスに雪は降るの?」などの作品を手掛けた。これらのドラマは作品性も評価されつつ、視聴率も好調だった。現在放送されている「優しい男」もそうである。

実は「優しい男」には記憶喪失、余命わずかな人生、悪い継母、不倫、痴情など、ありきたりな刺激的設定が次から次へと出てくる。主演を務めるソン・ジュンギでさえ、9月に開かれた制作発表会で「刺激的な設定が多すぎて、最初に台本を読んだときは驚いた。本当にイ・ギョンヒさんの台本なんだろうか、と思ったほどだった」と話したほどである。だが、その割にはドラマの内容はそれほどドロドロしてはいないような気がする。

それこそがイ・ギョンヒ脚本家の力であるだろう。ドロドロな展開だとよく批判されるドラマは、突然記憶喪失になったり、押されただけで死んでしまったり、いきなり不治の病にかかったりする。しかし、「優しい男」は刺激的な要素をいきなり展開するのではなく、十分な説明と伏線を張り巡らせ、納得のいくものに仕上げる。さらにイ・ギョンヒ脚本家のドラマで共通的に現れる“人間愛”をベースにしており、極端的な展開への違和感を軽減させた。

例えば、ソ・ウンギ(ムン・チェウォン)が交通事故の後、突然記憶喪失になるシチュエーションは、父親のソ会長(キム・ヨンチョル)の死亡とカン・マル(ソン・ジュンギ)が自身に意図的に近づいた事実を知った末、その辛さから来たものだという解釈ができ、ソ会長の死も他のドラマとは違って伏線を張っておいた。

さらにキャストたちの熱演も、ドラマの完成度の向上に繋がっている。ソン・ジュンギはこれまで可愛らしい少年のようなイメージから、ワイルドながらも限りなく穏和な男にイメージチェンジをしており、ムン・チェウォンはこれまでの上品なイメージから、口の悪いツンツンとしたキャラクターをうまく演じて、以前とは違う魅力を披露している。

もちろんカン・マルがいきなり病気になったり、ハン・ジェヒが継娘のソ・ウンギを様々な苦境に落とすなど、ドロドロな要素も全くないとは言えない。それにも関わらず、イ・ギョンヒ脚本家だからこそ、それをどう活かしてストーリーを展開していくだろうか、と関心が寄せられているのである。

先月31日に放送された第15話では、濡れ衣を着せられたカン・マルのため、ソ・ウンギがテサングループを諦めると爆弾宣言をした。ほぼ同じ状況で間逆な選択をしていたハン・ジェヒ(パク・シヨン)とは違うソ・ウンギのそのような選択が、どのような結果をもたらすのか、注目が集まっている。

記者 : イ・ヨングァン