ユン・ヨジョン&キム・ヘスクの“美しき変貌”

OSEN |

2012年の映画は、特に俳優たちの異例の変貌が目立つ。「ウンギョ」のパク・ヘイルは70代の老人を演じ、「僕の妻のすべて」のイム・スジョン、イ・ソンギュン、リュ・スンリョンも映画の中で新しい役柄に挑戦した。

しかし、変貌を試みる俳優の中で、とりわけ“美しい”変貌がある。それはユン・ヨジョンとキム・ヘスクら中年女優の変貌である。

ユン・ヨジョンは、イム・サンス監督の7作目の新作「蜜の味 テイスト オブ マネー」で衝撃的な変貌を図った。劇中のチュ・ヨンジャクを演じるキム・ガンウとの濡れ場シーンを披露したのである。

ユン・ヨジョンは劇中でお金の味に毒されて生きてきたペク・グムオク役を演じ、貪欲と憤りだらけのペク・グムオクという女性を生々しく演じた。「貪欲」に満ちた人物を描こうとすると必ず出てくるのが濡れ場シーンである。同じ年頃の俳優との濡れ場シーンも難しいはずなのに、ましてや数十年も年下の若い後輩との濡れ場シーンである。

ユン・ヨジョンはこのシーンの脚本を読んだ時、不愉快だったと述べたが、思い切って変貌を試みた。これはユン・ヨジョン本人の演技への信念があったためである。彼女は「蜜の味 テイスト オブ マネー」の制作発表会で「絶えず変化しようと努力する。なのでやったことのある役を提案されると、なるべく避けるようにしている」と述べたことがある。また、イム・サンス監督への信頼も出演の決定に大きな影響を及ぼしたものと見られる。

いわゆる“国民の母”と呼ばれるキム・ヘスクも、異例の変貌を図った。韓国で7月公開を控えている映画「10人の泥棒たち」で、強靭な悪女の魅力を披露する予定。

「10人の泥棒たち」は、マカオのカジノに隠されている稀代のダイヤモンド“太陽のナミダ”を盗むために同じチームになった韓国と中国のプロ泥棒たち10人が繰り広げる物語。キム・ヘスクは劇中で相手を騙すことを専門とする演技派の泥棒ガム役を演じ、再び卓越した演技力を披露する。

これに先立って、映画「無防備都市」で伝説のスリの大母役を演じ、まわりを圧倒するカリスマ性を見せたが、セクシーさまで備えた役は今回が初めてとなる。

彼女らの変貌が美しい理由は、挑戦を恐れない精神からくるものである。中年の女優は、事実上、役回りが限られてしまう。30~40代になると、悲恋の主人公からおばさんに変わるのが現状である。そのため、テレビや映画で見る中年女優は、せいぜい母親か姑役である。

しかし、彼女らはそのような役柄に限られず、大胆な変貌を図った。「蜜の味 テイスト オブ マネー」は、韓国での公開後に順調に観客を動員しており、ユン・ヨジョンの変貌は成功したようである。キム・ヘスクの変貌も成功となるのかどうか、今後が注目される。

記者 : キム・ギョンジュ