【PEOPLE】コ・スを構成する5つのキーワード

10asia |


コ・ス

「クリスマスは遊ぶより撮影しながら過ごした方が、より記憶に残りそうだ」とよく話していた俳優。お酒はいつも控えめで、タバコはやめたという健康で真面目な青年。そして、何をやっても優しそうに見える美貌を持つ男。今年のクリスマスを仕事で過ごすことになった彼は、既に何かが起きることを期待している。


コ・インス

コ・スの兄。
子供の頃、カッコよくて責任感の強い兄のせいで、いつも放っておかれたコ・ス。彼は、ダンスを始めてからやっと人々の関心を引くようになった。そんなコ・スにコ・インスはタレント募集の広告と共に「興味があれば一度挑戦してみて」というメモを書いて芸能界へのデビューを勧めた。そのメモを見て芸能界に興味を持ったコ・スは、友達がカメラで撮ってくれた写真でプロフィールを作った。そして親の反対を押し切って無計画で上京し、芸能人になるために1年ほどオーディションを受け続けた。その当時、親に頼るのが嫌だったコ・スは、お金が尽きて2週間ほどホームレスのような生活をしたこともある。結局、コ・スは路上でスカウトされ、雑誌のモデルを経て、ミュージックビデオでデビューする。


キム・ミンシク

コ・スの出演したMBCのシチュエーションコメディドラマ「ジャンプ」「家門の栄光」「ノンストップ」の監督。
新人時代、コ・スは演技力が乏しく「ジャンプ」では黙って笑うだけだった。その後「守るべきものは守らなきゃ」というキャッチコピーで有名な“バッカス”のCMで人気が出て、“純粋青年”のイメージで注目されるようになった彼は、CMを撮影した当時「走るんですか」という一言で20時間ほど走り続けたと言う。また、コ・スは上京前まで忠南論山(チュンナム ノンサン)に住み、軍人になりたいと思っていたし、注目された後も撮りたいCMを「国家広報CM」と言うなど、教科書のような模範的な姿を見せてくれた。
キム・ミンシク監督はコ・スについて、「『ジャンプ』に抜擢されたことに感謝の気持ちを忘れず、『家門の栄光』や『ノンストップ』まで続けて出演してくれた。そこまで義理堅いのはすごいことだ」と話した。


イ・チャンミョン

KBSのバラエティ番組「出発ドリームチーム」の司会者。
コ・スは一時期この番組にレギュラー出演し、270cmの高飛び記録を出したこともある。さらに高校時代は100m走で12.7秒を記録し、ボクシングやマウンテンバイク、インラインスケートなど様々な運動をしている。SBSドラマ「グリーンローズ」に出演した当時は、“560度の回転キック”をスタントなしでこなしたくらいだ。しかし、彼はその“きれいな”顔で、アクションよりも恋愛ドラマに頻繁にキャスティングされた。またコ・スは“バラエティ緊張症”のせいで「出発ドリームチーム」以降はバラエティ番組になかなか出演しない。


キム・ハヌル

SBS「ピアノ」で共演した女優。
コ・スはMBC「母よ 姉よ」で自分の演技力不足を自覚し悩んでいたが、「ピアノ」を通じて演技の面白さが分かるようになった。一番好きなドラマとしてMBC「ソウルの月」を挙げるコ・スだが、自分をインタビューした記者が「それほどのドラマはもう出なさそう」と言うと、「『ピアノ』がある」と言い返した。また「ピアノ」は俳優としての彼のイメージを作ってくれた作品でもある。正統派と言っても過言ではない端正な容貌の彼は、日常を舞台にした恋愛よりも、継母の娘に恋をする「ピアノ」のような男らしい恋愛ドラマで演じる時に輝く。「ピアノ」で見せてくれた彼の純粋なキャラクターは、ドラマで描かれている激しい感情の動きと共に大きくなった。その後、彼は全てのドラマで一人の女性だけを一途に愛するキャラクターを演じた。
そんなコ・スは小学校の頃「女の子たちに遊ぼうと誘われても避ける」性格で、中高生の頃は「女性とは友達になるのが気まずかった」ため、男子校に通っていたらしい。色々な意味で恋愛ドラマにぴったりな俳優だと言えるだろう。


チャン・ユンヒョン

コ・スの出演した映画「サム~SOME~」を演出した監督。
当時、コ・スはいくつかのドラマで“台本をもらってすぐにカメラが回る”環境の中、キャラクターをちゃんと理解できないまま演じたこともあった。そんな彼はチェ・ミンシクやゲイリー・オールドマン好きで、「ゴッドファーザー」を15回以上鑑賞し、「レイジング・ブル」のロバート・デ・ニーロの演技が一番好きだった。
しかし、その頃のドラマの制作担当者たちは彼に恋愛ドラマの主人公役だけを求め続けた。そんな状況の中「サム~SOME~」はコ・スの演技を変えるきっかけとなった。「サム~SOME~」の中で彼は麻薬関連事件を捜査する刑事役を演じ、7ヶ月間ジーンズと革ジャンだけを着てを撮影した。
残念ながらヒットはしなかったが、コ・スにとってはいつも同じ雰囲気しか見せられなかった状況から抜け出し、他のことにチャレンジするよい機会となった。だが、その当時コ・スは映画の撮影で必要な悪口をうまく言えず、スタッフが代わる代わる彼に悪口を教えたという。舞台「戻ってきたオム社長」で共演したオム・ヒョソプも、コ・スについて「悪口を言うシーンのたびに、照れくさがって不自然になった。普段の生活で優しいのはいいけど、俳優としては短所にもなる」と話した。


イ・ダヘ

SBS「グリーンローズ」で共演した女優。
「グリーンローズ」以前のドラマでコ・スは、純愛キャラクターを繰り返し演じることで演技の幅が狭くなり、逆に映画「サム~SOME~」では本来の彼とはかけ離れたイメージで、コ・スの魅力を充分に見せられなかった。
しかし「グリーンローズ」のイ・ジョンヒョンは、貧しい生活の中でも母親を大切にし、一人の女性をこよなく愛するという点が、それまで彼が演じてきたキャラクターに似ていたが、殺人未遂犯の濡衣を着せられた後に経験する苦しみや復讐の流れは、それまでコ・スが見せられなかった強さを表現できた。
コ・スは「イ・ジョンヒョンが私か、私がイ・ジョンヒョンなのか、分からなくなった」と話すほどキャラクターへの愛着を見せ、「グリーンローズ」の視聴率は着実に上昇し続け、一般の人々とマニアの両方の心をつかむことができた。「バカみたいな役柄、いつも損ばかりしているけどずっと笑える役柄をやってみたい」と話したコ・スが、優しいキャラクターを維持しながらも、違った一面を見せられたのが「グリーンローズ」だった。


チョ・ジェヒョン

「ピアノ」にコ・スの父親役として出演した俳優。
「ピアノ」の撮影を始める頃、コ・スの夢にチョ・ジェヒョンが出て来て「君は舞台に立つべきだ」と話したという。それ以降、彼のことをそれまで以上に特別な先輩だと思い始めた。親しくなった後はチョ・ジェヒョンの勧めで舞台「戻ってきたオム社長」に出演した。公益勤務期間中、チョ・ジェヒョンと共に劇団コルモッキルの舞台をよく観ていたコ・スは、「生きていると自然に人との関係を分類して決めていくのに、コルモッキルではそんなことを感じられなかった」と話し、そのチラシ貼り、練習室の掃除まで一緒にやりながら劇団の一員のように行動した。彼は「ト書きもない脚本」を見ながら演技に新たに目覚め、「いつのまにか人々の前に出され、気付けば自分でも知らないうちに流されてここまで来ていた」と、自分を振り返る機会を与えてもらったという。そして彼は映画「白夜行」とSBSドラマ「クリスマスに雪は降るの?」で本格的な復帰をした。これから、彼自身が考える演技を見せることができるのだろうか。


ソン・イェジン

映画「白夜行」で共演した女優。
「白夜行」で彼が演じたヨハンは、誠実に一人の女性を愛し、彼女のために連続殺人犯になる。コ・スの従来のイメージに沿いながらも、彼に他の一面を求めるキャラクターだった。
ただ「白夜行」のシナリオはキャラクターの内面を深くまで表現するには物足りず、ほとんど何も喋らないコ・スの演技も、キャラクターが持つ心の傷を雰囲気だけで表現しきれてはいなかった。しかしコ・スは、感情を見せずとも、ガラスのように透明で中が見えそうに感じさせる表情を何度か見せ、心が読めない殺人犯と恋愛ドラマの主人公の両方をうまく演じた。「白夜行」は改めて、彼がどれだけきれいな顔を持っているかということに気付かせてくれた。そして「白夜行」はコ・スが長年築いてきたイメージに変化が見えてきた、初めての作品かもしれない。


ハン・イェスル

SBS「クリスマスに雪は降るの?」で共演した女優。
この作品でコ・スは高校時代好きだった女に10年ぶりに再会する男、チャ・ガンジン役を演じた。コ・スが一番得意な役柄をもう一度演じたわけだが、同時に彼はそれまでの経験で変わった自分の演技をキャラクターに反映させる必要もあった。コ・スには外見や性格がまっすぐな模範的青年の役が一番合っている。そんな役柄を演じるうちに、それが彼のイメージとして固まった。そして、いろんな作品を経て、自分の演技の幅を少しずつ広げながら再び恋愛ドラマに復帰した。

人々からの期待と新鮮さの間で、そして演技力を確実に認められる必要がある30代を目の前にして、「自分の生活はすごく楽しいと思っているが、他の人にとってはそう見えないらしい」と言う彼が、今後どのように人々を楽しませてくれるのだろうか。

記者 : カン・ミョンソク