「京城クリーチャー」ハン・ソヒ“役との共通点を信じて飛び込んだ”【ネタバレあり】

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=Netflix

Netflix「京城クリーチャー」は、時代の闇が一番色濃い1945年の春、生きることがすべてだった2人の若者たちが、貪欲が生んだ怪物に立ち向かう物語を描いた。ハン・ソヒは、亡くなった人を探し出す有名なトドゥクン(行方不明になった人を探す人)のユン・チェオク役を演じた。ユン・チェオクは父親と一緒に10年前に消えた母親を探しており、京城で質屋の大主チャン・テサン(パク・ソジュン)に会ってオンソン病院に潜入する。ロマンスとアクションを行き来しながらイメージチェンジを果たしたハン・ソヒは、望むことがあれば必ず自分でやり遂げる、まっすぐなユン・チェオクを通して、その時代の苦しみと痛みを描いた。ユン・チェオクの目を通して“クリーチャー”を見る視聴者のため、チェオクになるために絶えず努力したというハン・ソヒ。彼女は、「自分だけの色を出せる女優になりたい」という願いを叶えるために絶えず努力し続けている。

―― 「京城クリーチャー」が大きな関心を集めていますが、いかがですか?

ハン・ソヒ:一般の方々の関心を注意深く見ているところです。人生においてここまで注目されたのは初めてなので、不思議な気持ちですしすごく緊張しています。全世界に公開される作品なので、より不思議な気持ちになります。まだ、実感が沸かないですし、現実味を帯びないような気がします。

―― シーズン1が終わって残念ではないですか?

ハン・ソヒ:シーズン1を撮影する時は、「これで終わるの? 終わらないよ。嘘でしょう」と思っていたのですが、本当に終わってしまったんですよね。2年間も撮影したせいか、むしろ一度も泣かなかったんです。シーズン2でまた会えるから、悲しくはなかったです。シーズン2まで終わって、公式スケジュールで会うことがないと言われたら、その時は悲しいと思います。

―― 「京城クリーチャー」を選んだ特別な理由はありましたか?

ハン・ソヒ:京城時代を描いた作品は、以前から私たちがいつも取り扱っていたテーマなので、題材については全く考えませんでした。私が出演した「夫婦の世界」と「ストーブリーグ」の時期が重なったことがありましたが、監督が「ストーブリーグ」で賞を受賞されたのを見て、その後に作品を見ました。監督が演出をされると聞きましたし、「夫婦の世界」の時に私を自分の娘のように可愛がってくださった脚本家さんの作品だと聞いて、やらないわけにはいきませんでした。時代劇というのは私の頭の中になかったんです。私にとって作品は、人と人の間のものなので、その人が好きじゃないとできないのですが、監督と脚本家さん、そして俳優の皆さんまで、みんな大好きな方々なので、やらないわけにはいきませんでした。

―― パート1が公開された後、SNSにアップしたアン・ジュングン義士の写真が話題になりましたよね。

ハン・ソヒ:「なぜ物議を醸すのだろう」と思いました。ちょうどその時、安城(アンソン)牧場に一人で旅行に行ったのですが、アン・ジュングン義士の絵があったので、撮ったんです。そしてその後、作品に関連する写真をアップする時、それを一緒にアップしました。チェオクとテサンには愛がありますが、それは男女間の愛だけでなく、戦友愛もあると思うんです。作品が伝えたいことは、その時代を生きてきた人物の人生を見せることだと思いました。テサンとチェオクだけに焦点を当てずに、様々な人生に焦点を当てて見てほしいと思ったのでアップしましたが、物議を醸しました。

―― チェオクとして2年以上生きましたが、似ているところは多いですか?

ハン・ソヒ:私は現場で“クムチョギ(問題児)”と呼ばれたんですけど、ハハ。そこは似ているかもしれません。チェオクを演じるには、女優である私自身が共通する部分を見つけなければならないと思ったので、それを見つけるのに時間がかかりました。チェオクは自分の人生を投げ捨ててまでお母さんを探すのですが、そこが私と違うところだったと思います。でも、1つだけ一致したのは、願うことがあれば、どんな困難も恐れずに飛び込むことです。その1つの共通する部分を信じて飛び込まなければならないと思いました。視聴者の皆さんは私を通してセイシンという怪物を見るわけですから。だから、自分自身がチェオクになるために本当に努力しました。「一体なぜ10年間も母親を追い続けたのだろうか?」それをずっと問い続けました。

―― なぜそうしたと思いますか?

ハン・ソヒ:最初は衝撃でしたし、2番目は怒りだったと思います。その次は逃げたわけではないと思うので、悲しかったと思います。4番目は母を連れて行った人たちへの怒りがあったと思います。最後の最後に到達した感情は“超然”です。おそらくチェオクは、「この人生は、お母さんを探すことに捧げる」そのような考えだけだったと思います。チェオクの台詞は、「自分のことは自分でやる」という、誰も信じられないニュアンスの台詞が多いんです。そのためお母さんに出くわした時、その感情は形容しがたいものがあったと思います。まともなお母さんが目の前に現れたら、怒ることもできたと思いますが、怪物になったお母さんを見て、ショックが大きかったでしょうね。怒ることもできない姿で現れたお母さんのことを思い出しながら、自分をチェオクへと追い込むために努力しました。

―― クリーチャーをどのように想像して演じましたか?

ハン・ソヒ:監督が、人間の形から大きく離れていないと説明してくださり、参考映像もある程度は存在しました。想像とぴったりの形が存在したので、ある程度はその形に頼って演じることができました。アクションチームの先生が、CG用の衣装を着て怪物のように演じてくれたのですが、衣装の後ろの表情をつい想像してしまって、それがちょっと難しかったです(笑)。

―― 撮影中に怪我をされたこともありましたよね。

ハン・ソヒ:文字通り事故でした。チェーンを足で蹴るシーンだったんですけど、それがよりによって目に落ちてきたんです。そういう日ってあるじゃないですか。「今日は感情の面で調子が良いな」と感じる日だったんですけど、その時に怪我をしたんです。あざのメイクをした場所に怪我をしたので、そのまま続行したらいけないかと聞いたんですけど、血が出ていました。撮影が続けられない状況だったので、すごく残念でした。監督はびっくりしたと思いますが(笑)。

―― 劇中でテサンがチェオクに惚れた瞬間は明確に見えますが、チェオクはいつテサンに惚れたのでしょうか。

ハン・ソヒ:チェオクは一瞬で好きになったというよりは、染み込んでいくような感じだったと思います。テサンが自分はそんなことはできないと言いながらもやり続けます。またチェオクがショックを受けた時は、自分の方から動いて解決しようとします。チェオクはいつも自分の人生を自分で決めて、自分で収拾するのに精一杯だったのに、自分とは違う道を行く人が自分と同じ道を歩んでくれる姿を見て、彼が違って見えるようになったのだと思います。そのように好きになっていったと思います。

―― 「京城クリーチャー」が公開されて、好き嫌いもはっきりと分かれたと思います。

ハン・ソヒ:そのためパート2と分けたのは少し残念でした。でも、私は真剣に撮影に取り組みました。ただ、視聴者の意見は尊重すべきだと思います。それが私の仕事ですから。真心が伝わらなかったら、自分が見逃している部分があると思いますし、伝わったら良かったと思うのです。悔しいと思うのではなく、「何を見逃したんだろう」「なぜ嫌われたのか」それを研究して質問しなければなりません。視聴者がくれるさまざまな反応も最高のフィードバックですので、悪質コメントだと思って無視するのはナンセンスです。

―― ハン・ソヒさんが持ったバッグはあっという間に品切れになりますし、着用した服は売り切れになりますね。このような関心と人気の高さが怖かったり、プレッシャーになったりはしませんか?

ハン・ソヒ:怖くはないんです。そうなれば、私がもっと良い本を読んで、もっと気軽に持てるバッグを持って、もっと簡単に手に入る服を着なければならないと思うようになります。私が普段から着ている服は高価なものではなく、簡単に手に入るものなので、好んでくださる人がたくさんいます。好きな人の真似はしたいものですから、簡単に真似できたらいいじゃないですか。私もファンの皆さんと同じアイテムを持てるのがすごく嬉しいです。

―― 演技をしながら試練に直面したこともあるんでしょうね。

ハン・ソヒ:私はまだテクニカルな演技のスキルがないんです。だから思い出したくない記憶を取り出して泣かなければならないですし、感情を引っ張ってきて演技をしなければなりません。そうやって1つのシーンを撮ったら、胸がすくような気分になりますが、実は体がダメージを受けるんです。だからどう見ても悲しい状況なのに、体が危険を感じ取って、わざと私を泣かないようにするんです。そういう時は本当に大変だったんです。キャラクターを理解しようと努力しても、悲しくならなかった時期がありました。もちろん今はとても良い状態です。

―― シーズン1の最後には、ナジンを得て目を開けるチェオクが登場しますが、彼女も能力者になるのでしょうか?

ハン・ソヒ:目は開けるんですが、それが悪い目なのか良い目なのかは……、ハハハ。

―― チェオクに伝えたいことはありますか(笑)。

ハン・ソヒ:気楽に生きなさい(笑)。

―― これからどんな女優になりたいですか?

ハン・ソヒ:私だけが出せる色を持った女優になりたいです。少し生意気な言い方をすると、代替不可能な人になりたいです。役者としてだけでなく、あらゆる面で。

記者 : パク・スンヒョン