「ヴィジランテ」ユ・ジテ“人々に記憶される新たなキャラクターを作ることができた”

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写真=Walt Disney Company Korea
俳優ユ・ジテが、唯一無二のキャラクターを誕生させたと好評を得た。このような評価が得られるのは、彼ならではの完璧なキャラクター分析力と演技に対する愛情のためだ。

ユ・ジテはDisney+オリジナルシリーズ「ヴィジランテ」(脚本:イ・ミンソプ、監督:チェ・ジョンヨル)で、ヴィジランテを追撃する広域捜査隊のチーム長チョ・ホン役を務めた。

チョ・ホンは法に矛盾があっても究極的には正しい道に進むと信じながら、社会システムを維持することに対する人並外れた使命感を持って働く人物だ。ユ・ジテは怪力の持ち主チョ・ホンをリアルに表現するため筋肉量を増やし、3ヶ月で約20kg増量した。

ユ・ジテは原作である同盟のウェブ漫画の中のチョ・ホンと高いシンクロ率を誇り、犯罪者たちに無慈悲な暴力を加え、視聴者の視線を捉えた。特にユ・ジテは「今から僕がダメ口で話してもいいでしょうか」という名ゼリフを誕生させ、カタルシスを与えた。

ユ・ジテは最近、ソウル鍾路(チョンノ)区) 三清洞(サムチョンドン)のあるカフェで行われた「ヴィジランテ」に関するインタビューで「雰囲気がいいです。公開前は不安だったのですが、ファイトと言いながらやりました。『今回の作品はとても面白い。次の作品を楽しみにしている』『シーズン2が作られてほしい』という反応が一番嬉しいです」と明かした。

視聴者の間では、ユ・ジテが演じた怪力の刑事チョ・ホンが「犯罪都市」でマ・ドンソクが演じているキャラクターの相手ができる人物として取り上げられている。

ユ・ジテは映画「犯罪都市」の悪役など、マ・ドンソクと対決する役を演じることに対し、「僕が殴られると思います(笑)」と言いながら、「ドンソクさんは昔からの知り合いで、一緒に撮影したこともあります。実際に戦うシーンもあります。当時、僕が悪役だったんです。共演できればとても光栄でありがたいです。彼はかっこいい人生を歩いているので、嬉しくもあります。(でも)殴られるのは嫌です」と打ち明けた。

ユ・ジテはチョ・ホンの大人の面に魅力を感じたという。彼は「知れば知るほど、大人として立っている、精神的には最強のキャラクターだと思います。現実で描かれる姿は現実的ではないですが、彼の姿は現実的なものをたくさん抱いているので、魅力があるキャラクターだと思います」と話した。

心理的な面で最も力を入れた部分に対しても説明した。ユ・ジテは「完成した台本で撮影すればいいですが、脚色されたりもします。それが危ないんです。最初はこんな形で、彼らの痛みを慰めるドラマにすると言っていても、後で見てみるとジャンル的に、商業的に変わる、前後が異なるドラマにもなり得ます。そのようなドラマは中心をとる必要があります」と打ち明けた。

そして彼は「監督とコミュニケーションを撮る時、どうするのが望ましいことなのか、たくさん考えます。言葉は、結果が出た時に説明はできるものの、過程で言葉が多いのは役に立ちません」とし「船が揺れずに巡航するためには言葉を減らさなければなりません。言葉を減らしたらコミュニケーションが難しくなるじゃないですか。その時は文章やシナリオの形でレファレンスを提示することもあります」とし、積極的かつ望ましい方法で作品に参加していると話した。

「今から僕がダメ口で話してもいいでしょうか」というセリフに対しては、「チョ・ホンにとってはキーワードのようなセリフです。多くの人々が期待するだろうと思いました。コミカルバージョンのミーム(Meme)が作られることもあり得るだろうと思って、最大限事実に沿って言おうと努力し、同じセリフを言っても他の方式でやろうと準備しました。わざと力を入れないようにしたんです。そういった努力が視聴者に拒否感なく届いたのだと思います」と伝えた。

ユ・ジテは現在、建国大学校の媒体演技科専任教授として在職している。独立映画の発展のため、自腹で観客を招待して映画を一緒に観覧するなど、映画や演技産業に対する人並外れた愛情を示している。

彼はこれまで活動しながら、韓国の映画システムを把握したとし、「僕が出演した映画は約600個の劇場で上映されるのに、僕が演出した映画は上映してくれる劇場を探すことが難しかったんです。劇場の配給システムがどのような形で、どういったポリシーを追求しているのかを考えるようになりました。韓国は文化ではなく産業です。そのため、ある企業が配給システムの最初から最後までを牛耳っています。なので文化的な価値や作品的な価値があっても、劇場での上映が難しいシステムがあります」と説明した。

そして「このようなシステムの中で俳優、監督して活動をしてみると、すべての人々が美味しいお菓子を作らなければならない職業人になります」とし「『オールドボーイ』のような作品が各授章式とアカデミーを総なめにしたじゃないですか。それだけ作家が養成されなければならないのに、システムのせいで能力を持っている人々が表現できていない状況です」と伝えた。

ユ・ジテは「政策を変えるためにデモをしなければならないのでしょうか。みんながそうするわけにはいかないと思います。僕は自分の方式がより有効だと思っています。僕が行動で見せれば、他の俳優たちも『こんなものがあったんだ』と知り、良い種子が芽生え、社会運動などが作られるのです。僕がいなくなっても、誰かが独立映画を支援するシステムになるのです。それを願っています」と明かした。

最後にユ・ジテは「ヴィジランテ」がどのような意味を持つ作品として記憶に残ると思うという質問に「たくさんの作品に出演し、僕を記憶させるあるキャラクターがすでにある状態で、新しいキャラクターを作って好反応を得るのは簡単なことではないと思います。チョ・ホンの場合は、人々が記憶してもらえる新しいキャラクターを作ったことで格別な意味があります」と話した。

記者 : ハ・ジウォン