「九尾狐伝1938」ウ・ヒョンジン“キム・ボム先輩は後悔のない演技ができるまで待ってくれた”【ネタバレあり】

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=ミン・ギョンビン記者
「私にとって『九尾狐伝1938』は、色々な意味でチャンスでした。大先輩たちと同じ現場にいるだけで大きなエネルギーをもらいました。肩越しに先輩たちを見て、女優として進むべき道を学びました」

韓国で最近放送が終了したtvN「九尾狐伝1938」で昼は量販店の職員、夜はクラブ・パラダイスの無名歌手として働くチャン・ヨヒ役を演じた女優ウ・ヒョンジンは、このように語った。

ウ・ヒョンジンが演じたチャン・ヨヒは、とても明るく純粋だが、本音は読めない人物だ。全てを打ち明ける演技は簡単だけど、それを適度なラインまで表現するのは難しいという名俳優たちの言葉から評価すると、新人女優のウ・ヒョンジンがその難しい演技をこなした。

彼女は「ヨヒの内面を理解するために絶えず悩みました。作品を準備して撮影をする約1年の時間は、ウ・ヒョンジンではなくヨヒとして生きました。半魚人というキャラクターだったので、水中での撮影を完璧にこなす必要がありました。さらに劇中のヨヒは歌、乗馬、アクションまで上手だという設定だったので、少しの隙も見せてはいけないと思いました。水中での撮影があるという話を聞いて、プールに住んでいるような感じで過ごしました」と話して笑った。

ウ・ヒョンジンは「九尾狐伝1938」でデビューした新人女優だ。ミュージックビデオ2本に出演したこと以外に、正劇(シリアスで深みのある内容を扱った作品)に挑戦するのは今回が初めてだ。デビュー作から主役に次ぐ役を務め、プレッシャーがないと言えば嘘になる。しかし、そのプレッシャーが女優ウ・ヒョンジンをさらに強くした。

彼女は「オーディションに合格した時、『絶対に上手くやらないと』と自分に言い聞かせました。プレッシャーですか? もちろんありました。けれどプレッシャーよりも、しっかりと気を引き締めなければならないと思いました。シナリオで表現されている分だけ、ヨヒを演じようという姿勢で作品に臨みました。最初の読み合わせで、先輩とドラマ関係者の前で演技をする時に一番緊張したと思います。ですが、読み合わせが終わってから作家さんが『あなた、物怖じしていなかったよ』と言いました。その言葉が大きな力になりました」

劇中でウ・ヒョンジンはイ・ラン役を演じたキム・ボムと切ないラブストーリーもあった。特にイ・ランとヨヒの水中でのキスシーンは、ドラマの名シーンとして挙げられるほど視聴者から大きな関心を受けた。

これについて彼女は「最初は心配が大きかったです。ですが、キム・ボム先輩がイ・ランそのものだったので、すぐに集中することができました。現場でキム・ボム先輩は先輩としてアドバイスをするよりは、私が用意してきた演技を思う存分発揮できるように待っていてくれました。ヨヒはイ・ランのための、イ・ランによるキャラクターです。ヨヒを上手く演じるのも重要ですが、イ・ランをより目立たせるという任務がありました。キム・ボム先輩が待ってくれたおかげで、後悔のない演技ができました」と回想した。

すべてが初めてだったウ・ヒョンジンにとって、「九尾狐伝1938」の現場は良い学びの場だった。作品のために集中するスタッフたちをはじめ、イ・ドンウク、キム・ソヨンなどドラマを率いる先輩俳優たちと同じ位置で演技をし、彼らの演技を見守った経験は、実際にカメラの前に立つのと同じく、価値のあることだった。

ウ・ヒョンジンは「キム・ソヨン先輩の台本は、メモがぎっしりとありました。文章ごとに先輩が研究した内容がそれぞれ入っていました。先輩の出演作がすべて絶賛されている理由がすぐに分かりました。さらにキム・ソヨン先輩は、撮影開始直前までリハーサルをやめませんでした。常に練習をする方です。そんな中でも、スタッフの方々まで配慮する繊細さに感動しました。これから私がどのように演技し、現場でどのように振る舞えばいいのか勉強になりました」と明かした。

記者 : キム・ヨンジュ、写真 : ミン・ギョンビン