「良くも、悪くも、だって母親」イ・ドヒョン“ラ・ミラン先輩との共演で新たな演技の方法を身につけた”

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写真=YUE HUAエンターテインメント
出演作品がいずれも人気を集め、自身の役を完璧に演じこなす。まさにドラマ界の“ミダスの手”とも言える。しかし、自分はとにかく最善を尽くして努力するだけだとし、“演技天才説”を否定する。今日より明日がもっと輝かしい俳優イ・ドヒョンのことだ。

イ・ドヒョンは、江南(カンナム)のあるカフェで行われたJTBC「良くも、悪くも、だって母親」放送終了インタビューで、「幸せな時間でしたし、結果もすごく良くて幸いに思っています。ですが結果が悪かったとしても、僕としては本当に楽しかったですし、すごく勉強になった作品でした。生涯大切にしたい作品です。僕の人生の価値観も変わりましたし、演技の新しい道も開かれました。サポートしてくれた制作陣の皆さんと共演俳優たちに感謝しています」と語った。

続けて彼は「僕にとっては新しい挑戦でした。事務所では僕に台本を渡したくなかったようですが、僕に見せて『やりたいなら、やって』と言いました。読んでみたら台本がすごく面白かったんです。本当に難しいと思ったんですけど、やりこなしたいという気持ちが湧いてきました。僕じゃないとできないと言ってもらいたかったですし、チャレンジしたいという気持ちが湧いてきたので決めました。満足度は、昔だったら残念な気持ちで自分では60~70点だと言ったと思いますが、先輩たちに自分自身を褒めて励ましてあげるようにと言われたんです。自分には厳しい方ですが、でも褒めてくださる方々のために100点にします」と恥ずかしがりながら笑った。

写真=JTBC
「良くも、悪くも、だって母親」は、子供のために悪い母になるしかなかった母親のヨンスン(ラ・ミラン)と、予期せぬ事故で子供になってしまった息子のガンホ(イ・ドヒョン)が、失った幸せを追い求めていく感動的なヒーリングコメディだ。チェ・ガンホは、母親もないがしろにして、成功のためだけに走ってきた冷徹な検事だ。しかし、不慮の事故で一夜にして7歳になり、失われた純粋さと家族愛を取り戻す人物である。

イ・ドヒョンは、「チェ・ガンホは簡単ではないキャラクターでした。7歳の幼い知能に戻ること自体が難しかったです。そのため、チェ・ガンホの役作りのために周りの協力を得ました。37歳のガンホと7歳の知能になったガンホは同じ人物なので、それを表現する上で視聴者の方々が『どうして別人になったの?』と思わないようにトーンを調整しました。急に若くなるのは変だと思いましたし、だからといって37歳の口調のままだと共感できないと思ったので、そのギャップの調整について監督やラ・ミランさんらとたくさん話しました」と明かした。

続けて彼は「今もラ・ミラン先輩をお母さんと呼んでいます。僕が何かをしようとしなくても、お母さんが与えてくれる力が大きかったです。お互いの“涙ボタン”になって、見るだけでも涙が出ました。僕が何かをしようとしなくても、お母さんによって自然に進む部分が多かったです。本当に不思議な方です。涙のシーンが多い現場で、踊りながら遊んだ後、撮影が始まったら目の色が変わるんですね。それがラ・ミランという女優のやり方です。一緒に撮影しながら自分もそのような演技の方法を身につけましたし、おかげで終盤にたくさんある感情的なシーンを表現しやすかったと思います。キャラクターの感情に支配されないために振り切ろうとしたんですけど、そのように演技する方が目の前にいたんです。ラ・ミランお母さんが僕をそちらの世界に連れて行ってくれました」とし、先輩ラ・ミランを絶賛した。

しかし、そんなイ・ドヒョンも同僚から“天才”と言われる俳優だ。tvN「メランコリア」で共演したイム・スジョンは、「後輩俳優としてイ・ドヒョンの前作を見て、『魅力的だし、本当に演技が上手だ』と思っていました。内面に深い感性を持っていて、年齢や時空を超えた演技力を兼ね備えていました」とイ・ドヒョンに対する称賛を惜しまなかった。KBS 2TV「五月の青春」のソン・ミンヨプ監督は、「イ・ドヒョンは僕より若いのに、尊敬するほど努力派です。最初は才能のある人だと思っていましたが、無数の研究と努力があったんです。激しく生きる人です」と絶賛した。

イ・ドヒョンは、“代替不可能、演技の天才”と言われていることに対して「演技が上手な人は本当に多いです。僕は今回も力を出し切りましたので、後悔はありません。最善を尽くしたので後悔はありませんが、まだ自分自身を褒めることは簡単ではありません。周囲で良い話をたくさんしていただき、嬉しい限りです。周りの友達や演技の勉強会をしているお兄さんに頻繁に聞くのですが、今回演技がすごく伸びたと言ってくれました。演技の勉強回は今もやっています。5日前にもしてきました。デビューした兄さんもいますし、俳優を目指している人もいます。5人でソースを共有して意見を交わします。そのような方法で演技力を鍛えています」と謙虚した。

続けて彼は、「僕は誰よりも一生懸命です。誰かが自分より努力していると聞けば、目を剥きます。『ホテルデルーナ』の時、監督が僕にコ・チョンミョン役をやってみないかと言ってくれました。その時にした話が、これまでの心構えです。『どんな役を与えられても、ベストを尽くして頑張る自信があります』と言いました。それが今でも続いています。たくさん研究して、練習して、観察します。そのように努力しています。大学の時に、生まれながらの演技の天才をたくさん見ました。自分は違います。彼らが羨ましくて、彼らの生活パターンを真似して、彼らの話し方やトーンを全部やってみました。でも自分とは全然合いませんでした。人によって個性が違いますし、僕は自分だけの色を探そうと思いました。『オーケー、認めよう。兄さんたちは天才、僕は努力!』俳優イ・ドヒョンは、天才とはかけ離れています」とつけ加えた。

それでもイ・ドヒョンが歩んできた6年間の俳優人生は、申し分のないほど素晴らしい。イ・ドヒョンは2017年tvN「刑務所のルールブック」でデビューし、「30だけど17です」「とにかくアツく掃除しろ!」「ホテルデルーナ」「スカウティングレポート」「18アゲイン」「Sweet Home -俺と世界の絶望-」「五月の青春」「メランコリア」「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」(以下「ザ・グローリー」)で活躍した。今回の「良くも、悪くも、だって母親」も話題性と視聴率、演技力をすべて認められている。

しかし彼は、「『ザ・グローリー』が成功して嬉しかったですが、自分としては納得できませんでした。脚本家さんや監督、スタッフの方々が『本当によくやってくれた』と言ってくれましたが、僕は納得できませんでした。どっちつかずの曖昧な演技を見て、『どうして褒めるんだろう』と思ってすごくもどかしかったんです。どうして褒められるのか分からないと質問もしました。そうしたら、『そのように演技するのがすごく難しいんだよ』と言われました。中立の曖昧な演技は難しいのだと。かえって怒って泣く演技は簡単だけど、難しい演技をきちんとこなしたので好評したのだと言ってくれました。それを自分がしっかりやり遂げたんだと思って、それなら自分も認めて受け入れようと思いました。あの時は本当に大変でした」と当時を振り返った。

特にイ・ドヒョンは「事務所の方々ともずっと話しています。僕たちは今登山中であり、山頂に着いた時に留まっていたら凍死すると。だから早く下山して、他の山を登る準備をしなければならないと。山頂に着いたら、下山する準備をしないといけないということです。もともと登山も下山の方が大変ですから。力が抜けて事故につながることもありますから」と話した。

写真=YUE HUAエンターテインメント

記者 : パク・ソヨン