「車輪」チョン・スビン、放送終了の感想を語る“短い準備期間でも共演者が助けてくれた”

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写真=J WIDEカンパニー
作品と役者の出会いに“運命”という修飾語をつけることはよくあるが、女優のチョン・スビンにとって「車輪」との出会いは、言葉通りに“運命的”で特別に感じられた。

「私が務めることになったキャラクターの名前が、同じスビンでした。いつか役者としてスビンという名前で演じる時が来るんじゃないかなと思っていましたが、それがこんなに早くなるとは予想もできなかったです。スビンに会って、スビンがスビンだったので、私がさらに愛情を持って演じることができたと思います」

SBS月火ドラマ「車輪」を通じて、可能性を現実に変えたチョン・スビンに会った。同作で彼女は、ミステリアスな少女キム・スビン役を務めた。キム・スビンはナム・ジュンド(パク・ヒスン)とキム・ヘジュ(キム・ヒョンジュ)夫婦の息子ナム・ジフン(チョン・テクヒョン)が死んだ後、ナム・ジフンの子どもを妊娠したと夫婦のもとを尋ねてきた人物だった。

キャスティングの過程から劇的だった。当初、キム・スビン役はキム・セロンが務める予定だったが、キム・セロンが飲酒運転により降板したことで、チョン・スビンは作品に最後に合流することになった。

「3回くらいオーディションを受けて、最後の面接で監督さんに『スビン役を準備するのに時間が1~2週くらいしかないけれど大丈夫か』と質問されました。当時、私がスビンという人物に大きな愛情を持っていたので、『別の役者の方が務めるとしても、準備期間が1~2週じゃなく1~2日だとしてもたぶん責任感を持ってやり抜くでしょう』と答えました。そのように最後の挨拶をして出ましたが、家に帰る車の中で連絡をもらいました。『スビンさんが演じるスビンを応援してみたい』と言われました」

もちろん、短い時間内にキャラクターに完全になりきって演技することは簡単ではない。そんな時、チョン・スビンを助けてくれたのは、現場で一緒にした出演陣だった。

「心配しなかったと言ったら嘘でしょう。最初は一人だと思ってとても怖くて、不安も感じました。ですが、現場に行って『スビンさん、こんにちは』という挨拶を聞いて、(劇中の)スビンに助けてもらった部分かもしれませんが、とてもありがたかったんです。この作品を通じて、一人ではなく一緒にするのがどれだけ暖かくていいことか、そして頼れる誰かがいるというのがどれだけ幸せなことが、感じることが出来たんです」

キム・スビンという人物を理解するための彼女の努力は続いた。

「作品自体が時間の流れに沿って公開されるのではなく、過去のストーリーが一番最後に公開されます。なので、スビンのセリフの中で私が真実と嘘を分けて理解してこそ、確信を持って演じることができる作品でした。例えば、スビンがいつ妊娠したか、その時期への理解が必要だったんです。ジフンが死んだ時期、その家に入る時期など色んな事件を整理するため、韓国史を整理するようにタイムラインを作って大きな流れを理解しようとしました。また、私がこれまで傷があるキャラクターをよく演じてきましたが、流産という題材も誰かにとっては傷になる可能性があるので、産婦人科に諮問を求めましたが、喜んで助けていただいて嬉しかったです。産婦人科の諮問を通じて、身体的な痛みについても分かるようになり、YouTubeなどを通じて流産後の心理的な痛みも探してみるなど、スビン役のため色々頑張りました」

インタビューを聞いて気になった。チョン・スビンという俳優は、いつもこのようにすべての作品と役割について深く勉強するタイプなのかと。

「これまで自分が務めてきた役割が触法少年、校内暴力、韓国社会でよく起こるデジタルによる傷を持つ人物、流産など重い事情を持っているため、そのような痛みを持っている方々に、再び傷を与えるのではないかと心配になってもっと深く勉強したようです」

また彼女に「元々キム・セロンが出演する予定だったが、プレッシャーにならなかったのか」と質問した。

すると彼女は「私がありがたかった部分が、そのように感じるたびに先輩の方々と脚本家さんが『スビンさんを応援したい』と『キャスティング前のことは忘れて、スビンさんが描き出すスビンについてもっと知りたい』と言ってくれたことです。そのおかげで“その方”が演じたスビンから離れて、『自分に集中して、自分が描き出すスビンをもっと愛してあげよう』と思うことができました」と答えた。

記者 : イ・スンギル