Vol.2 ― ちゃんみな、韓国に行くと“帰ってきた”という感覚「韓国と日本の架け橋になりたい」

Kstyle |

日本語、韓国語、英語のトリリンガルラッパー&シンガーのちゃんみながKstyleに初登場! 今回は前作「Never Grow Up」から約2年ぶりとなる3rdフルアルバム「ハレンチ」のリリースを前に、最新アルバムについて、彼女のクリエイティビティの源について、そして彼女の出身地である韓国についてたっぷり話を聞いた。後編では、今年開催した東名阪ワンマンツアーの感想や今月15日に開催する日本武道館公演への意気込み、さらには恋しく思う韓国の食べ物やスポットについての話をお届けする。

Vol.1 ― 韓国をルーツに持つラッパー/シンガーちゃんみな、ニューアルバム「ハレンチ」ではJ-POPを意識!セルフプロデュースの背景にはG-DRAGONへの憧れも

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――ちゃんみなさんは日本語、韓国語、英語のトリリンガルアーティストとしても注目されています。

ちゃんみな:トリリンガルって実は意外といるんですよ、ただアーティストにはたしかにいないですね。何でなんですかね? 私の場合は勉強もしましたけど、バックグラウンドの影響が大きいんです。家では家族が韓国語を話して、英語はアメリカに住んでいたのもありますし。日本語は外でだけ。私の7割は韓国語で、3割が日本語ですね。いや、韓国語は8割かな? だから断然、韓国語の方が得意なんですよ、本当は。ありがたいことに、私は耳がいいから日本語の発音がすごくいいらしくて。結構勘違いされている方が多いんですけど、韓国語の方がもともと得意です。今は一人暮らしを始めたので、日本語の方が得意になりましたね。今は夢も日本語で見るようになりました。

――楽曲の制作では、日本語、韓国語、英語のどれで書くことが多いですか?

ちゃんみな:「CHOCOLATE」(2017年)という作品までは、日本語より韓国語の方が得意だったんです。当時は歌詞を書いても、日本語だと伝えたいことがうまく伝えられなかったんですよ。日本語で歌詞を書くのってすごく難しくて。当時の曲は、英語がほとんどだったりとか、英語と日本語が半々ぐらいの割合だったんですけど、日本で活動している以上、これじゃダメだと思ったんですよね。私が伝えたいことはこんなにあるのに、韓国語ではこんなに書けるのにっていうのがすごく嫌で、日本語を勉強したんです。そこからもう一回、本を読んだり辞書を持ち歩いたりして勉強して、日本語が得意になりました。だから、日本語はがんばった結果なんですよ。

――日本語、韓国語、英語の使いわけで意識していることや、言語によって伝わるものに違いはありますか?

ちゃんみな:歌詞をどの言語で書くかは、感じるままにですかね。英語の方がニュアンスが合っていたら英語にするし、日本語の方が合っていたら日本語にするしっていう。3言語ともネイティブ(得意)なのは珍しいかもしれないですね。ちっちゃい頃から話してたからなのかな? 私、日本語の方言を吸収するのがめっちゃ速いんですよ。言語能力がいいのかもしれないです。


コロナ渦でのツアー開催…感じたファンの愛

――今年は東名阪ワンマンツアー「THE PRINCES PROJECT 5」を開催されましたが、コロナ渦だからこそ感じたことはありましたか?

ちゃんみな:私のファンの子たちはわりと「キャー!」ってやってくれるので、コロナ渦になって本当にそれが恋しかったです。でも今回ライブを開催してみると、本当にマナーがいい子ばかりなので、誰も一切声を出さなかったんですよ。コンセプトもあえて声を出さなくても楽しめる物語性のある演出にして。2部制でライブをやったんですけど、脚本を書いて物語にして、振り付けもバンドアレンジも衣装も全部変えたんです。

1部と2部でどっちもまったく違う物語にして、最初から最後までセリフがないミュージカルみたいな感じで作ったんですよ。でも、それがもう本当に大変で! しゃべらないように作りはしたけど、本当に誰もしゃべらなくて、会場中が「シーン……」だから。本当にありがたかったんですけど、やっぱりそれなりに寂しさはありましたね。でも、同時に感謝もすごく大きかったです。こんなにルールを守ってくれてありがたいなと思いましたね。愛がありました。

――10月15日にはワンマンライブ「THE PRINCESS PROJECT - FINAL - 」を開催されます。初の日本武道館公演への意気込みを教えてください。

ちゃんみな:初の日本武道館、ありがとうございます! このライブはきっと今までの私の集大成になると思います。楽しみなのはやっぱりガンガンできることですかね。溜めておいていたものを、武道館にすべて出します。実は2年ぐらい前の、新型コロナウイルスの感染が拡大する前から準備をしていたんですよね。だから半分しか客席を埋められないのがすごく悔しいですけど、そこに来てくれる方に素晴らしい瞬間を届けたいなと思います。

――メジャーデビューから5年目を迎え、音楽的に変化した点はありますか?

ちゃんみな:変化というか、成長はありましたね。単純に日本語がうまくなったっていうのもそうだし、私の曲を聴いてくれる人がどんどん増えたことはすごくうれしかったです。日本武道館にも立てることになって、私ができることは本当に感謝しかないと思います。


幼少期に暮らした韓国「帰るという感覚」

――ここからはバックグラウンドである韓国について掘り下げたいと思います。ちゃんみなさんは3歳までは韓国で暮らしていらっしゃいましたが、その当時から現在のちゃんみなさんにつながるものはありますか?

ちゃんみな:韓国には3歳まで住んでいて、その後は7歳まで韓国・アメリカ・日本を行き来していたので、幼少期は韓国にいる期間が長かったです。だから、私にとって韓国はそのまま「幼少期」ですね。あの頃はずっとピアノを弾いてました。ピアノとバレエをやってましたね。その後、アメリカに行ったり日本に行ったり韓国に行ったりしたんですけど、日本には7歳の頃、アメリカの後に来たらしいんです。その時、お母さんの話では、私が一切話さなくなっちゃって、半年ぐらい黙ったままだったんですって。なんでしゃべらないんだろうと思って、お母さんはずっとがんばって話しかけていたらしいんですけど。ある日、急にお父さんには日本語、お母さんには韓国語、外では日本語、おばさん達には英語っていう風に使いわけてしゃべるようになったらしいです。その半年間、私の頭の中では自分なりに言語の整理をしてたみたいで、真面目な子だったんだなと思います(笑)。

――韓国に行くと「帰ってきた」という感覚になりますか?

ちゃんみな:なりますね、なります。匂いと空気感と人の感じと。全部において「帰ってきた」と感じますね。

――日韓を行き来することが難しい現在、日常の中で韓国が恋しくなる瞬間はありますか?

ちゃんみな:ありますよ、お母さんに会った時とか、電話してる時とか、日本で韓国料理を食べてる時とかですね。あと、韓国っぽい風景のところに行った時にも思います。恋しいのは家族ですね。今、みんなは韓国に住んでいるので。

――韓国に行くと必ず訪れるスポットは?

ちゃんみな:実家ですね。実家ではひたすらゴロゴロしてます。お母さんが作ってくれたごはんを食べたり。あとは、ホームプラスっていう超大型マートが実家から近いので、そこにずっといますね。

――韓国に行くと必ず食べるものはありますか?

ちゃんみな:トッカルビ(韓国式のハンバーグのような料理)です。ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」みたいな世界観のお店があるんですよ。そこは私が韓国に行くと家族が絶対に連れて行ってくれるお店なんですが、そこが本当においしくて! スタッフみんなと行った時も、おいしすぎてみんなが叫んでました。その時、たしか夜の8時ぐらいにお店に入って、モールが9時までだけど先にごはんを食べようってなったんですね。でも、そのトッカルビ屋さんのおばさんたちは準備が早いから、なんと15分で全部食べ終わっちゃって(笑)。その後、モールにも行きました。


韓国でいま気になるスポットは?

――韓国に行くと必ず買ってしまうものは何ですか?

ちゃんみな:タルギウユ(いちご牛乳)です。ピルクルみたいな形をしたやつですね。バナナウユ(バナナ牛乳)も好きです。

――ちゃんみなさんはファッションも話題ですが、好きな韓国のファッションや韓国コスメブランドはありますか?

ちゃんみな:私は好きなファッションが結構幅広いので、挙げるときりがないなって感じですね。コスメは、イニスフリーが一番好きですね。肌が弱いので、普段はそればっかり使ってます。あとFEMMUEのパック! あれに勝てるパックはないと思います。愛用してます。

――韓国旅行の定番ルートがあれば教えてください。

ちゃんみな:韓国に行く時は旅行っていう感覚はなくて、帰省って感じです。でも、絶対に行くのはロッテワールド。ロッテワールドはちっちゃい頃から大好きです。あそこの絶叫マシーン、最高なんですよ! 信じられないくらい怖いんですけど、それも大好きで。ロッテワールドは私が韓国に行ったら絶対に行くし、友達が来ても絶対に連れて行きます。あとは東大門。あ、済州島は旅行で行ったことがありますね。

――韓国に行けるようになったら、真っ先に何をしたいですか?

ちゃんみな:実家に行きたいです。あと、ホームプラスに行きたいですね。絶対に行きたいです! 特に何も買うものはないんですけど、ただ行くのが楽しいんですよね。めっちゃ面白いんですよ、一生いられます。地下でおでんを食べて、タルギウユを買って手に持ちながら上の階に行って、ちょっと買い物したら外に出てアイスクリームを食べて、みたいな。本当に一生いられますね!

――今、気になっている韓国のスポットはありますか?

ちゃんみな:クラブですね。私、韓国のクラブは行ったことがないんですよ。たしか韓国はクラブに入れるのが、21歳からですよね。私が21歳になったばっかりの時に新型コロナウイルスが発生してしまったので、行けてないんですよ。日本でもクラブには普段めったに行かないんですけど、韓国のクラブはみんなが面白いっていうじゃないですか。だからちょっとどんなものか見てみたいです。


お家で楽しむ韓国「鍋から直接ラーメンを…」

――ステイホームが続く中、お家で韓国を楽しむことはありますか?

ちゃんみな:やっぱりラーメン食べることじゃないですか、鍋から直で(笑)。あの銀(金)の鍋から直接ラーメンを食べるのが、一番実家感がありますね。あの瞬間が大好き! ふたの上でラーメンを食べるのが大好きなんですよ、夜中に「1泊2日」を観ながらね。あの番組にはいつもラーメンが出てくるんですけど、それを観ながらラーメンを食べるのが本当に……その瞬間は実家にいるような気分です。辛ラーメンとか、韓国のラーメンを夜中に食べるのがおすすめですね。やっぱり夜中に食べるのがいいんですよ、ラーメンは。

――最後に、Kstyleをご覧の皆さんにメッセージをお願いします。

ちゃんみな:KstyleはK-POP好きな方が見てるんですよね。私には韓国の母がいて、日本の父がいて、いろんな日韓の問題も経験してきたけど、こういう風に韓国が好きだと言ってくれる人がいて、それが私にはすごくうれしいんです。そういう人が増えるのもうれしいし、日韓をもっと仲よくつなげられるような、そんな関係を築けるようなアーティストになりたいって私はずっと思っていて。韓国と日本の架け橋みたいな存在になりたいと思ってるんです。なので、いつかそうなれるように私もがんばるので、これからも応援していただけたらうれしいです。私がいつかK-POPの分野で活動するようになったとしても、その時はまた応援してくださいね。

取材:尹秀姫 / 撮影:朝岡英輔

■リリース情報
3rdフルアルバム「ハレンチ」
2021年10月13日(水)発売

・〔初回限定盤〕(CD+DVD) WPZL-31896/7 定価:4,620円(税込)
・〔通常盤〕(CD) WPCL-13326 定価:3,300円(税込)

<収録内容>
【通常盤・初回限定盤共通CD】
01.太陽
02.Angel
03.君からの贈り物
04.ハレンチ
05.ボイスメモ No. 5
06.ホワイトキック
07.ピリオド
08.Picky
09.想像力
10.東京女子
11.ディスタンス
12.Morning mood
13.^_^
14.美人
15.花火
16.Never Grow Up(Acoustic Version)

【初回限定盤付属DVD】
「THE PRINCESS PROJECT 5 @ Nakano Sunplaza Hall 2021.05.25」

-Day-
01. Angel
02. LIGHT IT UP
03.Very Nice To Meet You
04.Needy
05.美人
06.ダリア
-Night-
07.Rainy Friday
08.Princess
09.Never Grow Up
10.ダリア

■イベント情報
「THE PRINCESS PROJECT - FINAL - 」
日程:2021年10月15日(金)開場 17:30 / 開演 18:30
会場:日本武道館
金額:7,800円(税込)
※チケット受付終了

「ハレンチ展」
ちゃんみなのこれまでのライブ「THE PRINCESS PROJECT」の軌跡や、3rdアルバム「ハレンチ」の世界観を堪能できる「ハレンチ展」が渋谷で期間限定開催決定!

開催日時:2021年10月13日(水)~10月17日(日)
・10月13日(水)13:00~20:00
・10月14日(木)~15日(金)12:00~20:00
・10月16日(土)、17日(日)11:00~20:00
※最終入店19:30

開催場所:渋谷PARCOギャラリースペース「no-ma」
入場料:500円

「ハレンチ展」詳細はこちら:https://chanmina.com/news/detail/474

■関連サイト
ちゃんみなオフィシャルサイト:https://chanmina.com/

記者 : Kstyle編集部