Vol.1 ― 韓国をルーツに持つラッパー/シンガーちゃんみな、ニューアルバム「ハレンチ」ではJ-POPを意識!セルフプロデュースの背景にはG-DRAGONへの憧れも

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日本語、韓国語、英語のトリリンガルラッパー&シンガーのちゃんみながKstyleに初登場! 今回は前作「Never Grow Up」から約2年ぶりとなる3rdフルアルバム「ハレンチ」のリリースを前に、最新アルバムについて、彼女のクリエイティビティの源について、そして彼女の出身地である韓国についてたっぷり話を聞いた。前編では、若者世代からの絶大な人気やセルフプロデュースを務める理由、過去にコラボした韓国アーティストとのエピソードをお届けする。

Vol.2 ― ちゃんみな、韓国に行くと“帰ってきた”という感覚「韓国と日本の架け橋になりたい」

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新曲のタイトルは全て日本語に「私なりのJ-POPを落とし込んだ」

――10月13日にリリースする3枚目のフルアルバム「ハレンチ」はどんなアルバムになりましたか?

ちゃんみな:今回は私なりのJ-POPを落とし込んだ作品になっています。新曲はタイトルを全て日本語表記にしたんです。私はJ-POPはもちろん好きではあったけど、これまで自分ではやってこなかったんですよ。もちろん日本語で歌詞は書いていますが、J-POPみたいな特有の空気感を自分のものにすることはなかったので、今回そういうものに挑戦してみたいなと思って。私は音楽においてやりたいことが常にいっぱいあるタイプなんです。なので、このタイミングでやりたかった曲の雰囲気が、今回はたまたまJ-POPだったっていう感じですね。

――リード曲の「ハレンチ」が9月24日に先行配信されましたが、どんな感情を込めた曲ですか?

ちゃんみな:「何だかよくわからない」「何も感じない」っていうことかもしれないです。歌詞の「あなたを失ったから」の“あなた”が何かはそれぞれの解釈次第ですけど、そういう大切なものを失って、感覚がなくなってしまったっていう曲です。「ハレンチ」は、もともとは「麻酔」っていうタイトルだったんですよ。私もそうだったんですけど、ふらついちゃってる女の子は何をしても何も感じないし、特に今のコロナ禍で刺激があまりないからこそ、すべてに疎くなってしまっているっていうのがあって。泣いているんだけど、なんで泣いてるのかわからないとか、悲しいんだけど何が悲しいのかわからないとか、そういう風に自分がよく見えない時に書いた曲ですね。



――ミュージックビデオもかなり刺激の強い内容だと思いました。

ちゃんみな:私自身もそうなんですが、人間ってわりと心がふわふわしてる時とか、どっちつかずだったりとか、自分に劣等感があったりだとか、そういう時ってファッションや髪型がコロコロ変わったりするんですよ。何かを変えたいと思うとそうなったりするので、ミュージックビデオでは色んな服装をしたり、髪型やメイクをいっぱい変えて撮りました。移り気だし、落ち着きがない女の子を表現しています。

――アルバムには16曲が収録されていますが、お気に入りの曲は?

ちゃんみな:「太陽」はすごく気に入ってますね。あと「花火」と「東京女子」もすごく好きです。「東京女子」の、冷静に時代を切っていく感じがすごく好きなんですよね。「東京女子」のイメージは都会です。都会のホテル街というか、そういうところを歩きながら聴くとすごくぴったりな曲です。


若者から人気の理由は“等身大の歌詞”

――10代~20代から圧倒的な支持を受けていらっしゃいますが、ご自身ではそのポイントは何だと考えますか?

ちゃんみな:同じ時代を普通に生きているからじゃないですかね。わりと等身大のものを書いてますし、私自身がそんなに突拍子のない生活もしてないので。わりとみんなと一緒っていうか、同じものを知ってるし、同じものを聴いてるし、触れてるし。同じ問題に取り組んでるし。言っちゃえば、同世代ですよね。あまり背伸びをしない歌詞を書くので、そういうところだと思います。素直に書いているから、共感が生まれるんじゃないかなって思います。

――等身大の歌詞は曲を聴く側にとってはすごく共感できるところではありますが、歌詞を書く側として、すべてをさらけ出すことを怖いと思ったことはありますか?

ちゃんみな:私は逆にさらけ出さない方が痛いですし、もどかしいです。音楽ってそういうものだと思っているので。自分が音楽のそういうところで救われたし、そういう音楽を聴いて、共感して、理解をして育ってきたから。音楽で色んなものを学んできて、私は音楽をそう聴いているから、そういう風に作るのかもしれないですね。特に誰のためとかっていうことでもないんですよ。自己救済に近いんですよね、私が音楽をやっている意味って。

――“Z世代の代弁者”や“Z世代の歌姫”と言われることもありますが、そのキャッチフレーズについていかがですか?

ちゃんみな:実はZ世代って何なのかわかってないんですよ。Zって何のZなんだろう?って(笑)。よく言われるんですけど、勝手に言われてる感じがしてて。Z世代って何なのかも認識してないし、よくわからないですよね。私はミレニアル世代って言われたんですけど、今はZ世代って言われてるから、ちょっと混乱してるんですよ。いつの間に世代が変わったんだろう、みたいな。デジタル・ネイティブと言われれば、たしかにそれはありますね。でも曲を書く時は基本的にピアノとノートだけで作っていて。それで曲を作り始めたし、今でも作っているので、曲作りに関してはアナログですね。

――若者の共感を得られる歌詞は、どのように書いていますか? 歌詞に合わせて曲を作るタイプですか?

ちゃんみな:詩は毎日書いてます。少ない時だと二行ぐらいですけど、毎日書いてますね。曲を書く時にその詩が使われることもあるし、その場でバーっと書く時もあるので、時と場合によります。詩は10歳ぐらいからずっと書いていて、なんかもう習慣化してるっていうか。歌詞は常に書いてるので、それで言うと曲が先ですね。でもほぼ同じタイミングだと思います、曲と歌詞ができるのは。


セルフプロデュースの理由「G-DRAGONへの強い憧れが…」

――楽曲制作、振り付け、ライブの演出など全てをセルフプロデュースされていますが、その面白さや難しさを教えてください。

ちゃんみな:もともとなぜ私が全部セルフプロデュースをしてるかと言うと、BIGBANGのG-DRAGONさんにずっと憧れてたんですけど、彼のことを調べたら、全部自分でやってるじゃないですか。作詞も作曲もやってるし、振り付けもやってるし、自分で衣装も選んでるし。そういうのを子供ながらに見てたんですよ。だから私、こうなるには全部やらなきゃいけないんだと思って、面倒くさいなと思いながらやってたんです(笑)。「これをやらないとG-DRAGONみたいになれない」と、それが当たり前だと思ってたんですよね。

でも、人間ってみんなそうじゃないですか。自分で着たいものを着て、やりたいことをやってっていう。人間は選択できる生物なんだから、それをするのが当たり前っていう感覚でやってきたので、特に大変さはないですね。逆に、みんながみんなはやらないんだっていう感じでした。じゃあどうしてるんだろう、それって楽しいのかなって。自分で作り出した方がやっぱりアーティストとしては楽しいですね。

――8月に出演された音楽番組「MUSIC BLOOD」(日本テレビ)では、ちゃんみなさんが敬愛するBIGBANGの「HaruHaru - Japanese Version -」のカバーを披露され、話題を集めていましたね。

ちゃんみな:ずっと好きだった曲なので、カバーするなんて本当に滅相もないし、できないと思ったんですよ。それに、例えば私のファンの子だけが聴くとか身内だけが聴くとかだったらいいんですけど、地上波に流れてみんなが聴くとなった時、BIGBANGのことが大好きで私のことを嫌いな人もいるかもしれないし、BIGBANGのことが大好きで私のことを知らない人もいるかもしれないし。そういう人たちが聴いた時に、この曲がよく聞こえるように歌わなきゃいけないっていう感覚は初めてだったんです。

いつもは自分の曲だから、自分の好きなように歌うし、自分なりの気持ちを込めて歌うけど、今回はひとの曲だったから。だからこそ、すごく不思議な感覚でした。G-DRAGONさんも見てると思って歌わないといけないし、失礼がないようにと必死で、緊張もしました。でも、おかげさまで反響はすごくよかったです。あまりSNSは見ないのでわからないんですけど、みなさんが「見ました」って言ってくださいます。脱毛サロンに行ったら、みんな見たって言ってくれました(笑)。


過去には少女時代 テヨン、BlockBともコラボも

――これまでに少女時代のテヨンさんやBlock Bともコラボされました。それぞれのアーティストと作業をする中で印象に残っていることは?

ちゃんみな:Block Bとのコラボの時は韓国まで行って撮影したんですけど、仕事で海外に行くのはそれが初めてだったんですよね。なので緊張したけど、すごくよくしてくださって。テヨンちゃんとは、彼女自身が本当に気さくな方なので、私はずっとジャージャー麺を食べてましたね(笑)。韓国語を話せるからコミュニケーションも取れるし、今後も機会があれば是非韓国アーティストとのコラボもやれたらなと思っています。日本からアーティストを迎えるといっても、韓国語が話せないと大変じゃないですか。でも、フィーチャリングはやっぱり新しい刺激があるので楽しいですね。

――日本アーティストとのコラボも活発ですよね。

ちゃんみな:私ってやっぱりソロアーティストで、自分の作品にひとを入れたことがほぼないんですよね。今回のアルバムもノーフィーチャリングで、それって珍しい方だとは思うんですけど、やっぱり自分の作品に呼ぶのは恐縮しちゃいますね。でも、それぐらい自分の作品にひとを入れないので、呼ばれるっていうのはすごくうれしいんですよね。私を必要としてくれてるっていうことだから。

取材:尹秀姫 / 撮影:朝岡英輔

■リリース情報
3rdフルアルバム「ハレンチ」
2021年10月13日(水)発売

・〔初回限定盤〕(CD+DVD) WPZL-31896/7 定価:4,620円(税込)
・〔通常盤〕(CD) WPCL-13326 定価:3,300円(税込)

<収録内容>
【通常盤・初回限定盤共通CD】
01.太陽
02.Angel
03.君からの贈り物
04.ハレンチ
05.ボイスメモ No. 5
06.ホワイトキック
07.ピリオド
08.Picky
09.想像力
10.東京女子
11.ディスタンス
12.Morning mood
13.^_^
14.美人
15.花火
16.Never Grow Up(Acoustic Version)

【初回限定盤付属DVD】
「THE PRINCESS PROJECT 5 @ Nakano Sunplaza Hall 2021.05.25」

-Day-
01. Angel
02. LIGHT IT UP
03.Very Nice To Meet You
04.Needy
05.美人
06.ダリア
-Night-
07.Rainy Friday
08.Princess
09.Never Grow Up
10.ダリア

■イベント情報
「THE PRINCESS PROJECT - FINAL -」
日程:2021年10月15日(金)開場 17:30 / 開演 18:30
会場:日本武道館
金額:7,800円(税込)
※チケット受付終了

「ハレンチ展」
ちゃんみなのこれまでのライブ「THE PRINCESS PROJECT」の軌跡や、3rdアルバム「ハレンチ」の世界観を堪能できる「ハレンチ展」が渋谷で期間限定開催決定!

開催日時:2021年10月13日(水)~10月17日(日)
・10月13日(水)13:00~20:00
・10月14日(木)~15日(金)12:00~20:00
・10月16日(土)、17日(日)11:00~20:00
※最終入店19:30

開催場所:渋谷PARCOギャラリースペース「no-ma」
入場料:500円

「ハレンチ展」詳細はこちら:https://chanmina.com/news/detail/474

■関連サイト
ちゃんみなオフィシャルサイト:https://chanmina.com/

記者 : Kstyle編集部