韓国ドラマブーム再び!最新作から隠れた名作まで…今ネットで見たい実は面白い韓国ドラマ

Kstyle |

「愛の不時着」予告映像キャプチャー
Netflixで独占配信中の「愛の不時着」と「梨泰院クラス」が、連日TOP10の上位を占めていることで、再び注目を集めている韓国ドラマ。これまで韓国ドラマを見なかったり、苦手意識を持っていた若者層が興味を示したのが新しい流れだ。

2004年に「冬のソナタ」で巻き起こった韓国ドラマブームは、中高年女性を中心に広がった。そのため韓国ドラマに対する「おばさんが見るもの」「古臭い」「ワンパターン」との固定観念が広がってしまった。実はそれからの15年間で韓国ドラマは格段の進化を遂げており、幅広い視聴者の心をとらえる質の高い作品が生まれていたのだが、最新作を見るためにはCSの韓国専門チャンネルに契約するほか手段がなく、広がることがなかったのだ。

専門チャンネルで放送したのちに、DVD販売・レンタルを経て、本国放送から1年~2年が経った頃に、ようやく地上波放送やネット配信という流れだったのだが、Netflix の登場で状況は一変した。韓国で2月16日に終了した「愛の不時着」は、わずか1週間後の2月23日より配信がスタート。韓国での大ヒットがそのまま口コミで広がって上位にランキング入りすると、コロナ禍の巣ごもり需要効果も相まって、一気に人気が加速した。

そこでKstyleでは、次に見るドラマを模索している韓国ドラマ初心者のために、厳選した作品を紹介。これまでに2000本近くの韓国ドラマを視聴したライターが、今DVDやネット配信で見られる作品の中で、傑作・隠れた名作をナビゲートする。

【目次】
#やっぱりハズせない!!最新話題作
「愛の不時着」
「梨泰院クラス」
#殿堂入りラブコメ
「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」
「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」
#隠れた名作をジャンル別にピックアップ
◆胸キュンラブコメ
「ああ、私の幽霊さま」
「ショッピング王ルイ」
◆ハラハラ・ドキドキのサスペンス
「君を守りたい~SAVE ME~」
「SKYキャッスル」
◆感動のヒューマンドラマ
「ライブ~君こそが生きる理由~」
◆感涙必至のラブストーリー
「30だけど17です」
「運命のように君を愛してる」
◆背筋が凍る本格ホラー
「客―ザ・ゲストー」
「キングダム」


#やっぱりハズせない!!韓ドラ再ブームを巻き起こした最新作


北朝鮮に不時着した韓国の財閥令嬢と、堅物の将校とのラブストーリー
「愛の不時着」


写真= tvN
<あらすじ>
パラグライダー中に思わぬ事故に巻き込まれて、北朝鮮管轄の非武装地帯に墜落してしまった財閥の娘セリ(ソン・イェジン)。パトロール中の北朝鮮の軍人ジョンヒョク(ヒョンビン)に発見されるも、その場から逃げ出したセリはジョンヒョクの部下たちの監視もすり抜け、北朝鮮の街にたどり着く。セリが捕まると自分たち中隊のミスもバレてしまうことから、ジョンヒョクは仕方なくセリを自分の家にかくまうのだが……。



<見どころポイント>
ラブコメでヒット連発の脚本家のパク・ジウン。「星から来たあなた」では宇宙人を、「青い海の伝説」では人魚というように、異質のものに対するカルチャーショックの笑いと、ロミオとジュリエットのような結末が見えないラブストーリーを描くのがとてもうまい!! 本作では、韓国人から見た北朝鮮の人々の暮らしと、北朝鮮の人から見た先進国・韓国のカルチャーショックを双方の目線で描いたことでおもしろさも倍増しています。特に、脱北者たちへの入念なヒヤリングで謎のベールに包まれた北朝鮮の人々の暮らしぶりをリアルに再現したことは、世界中の人の興味を惹きました。

「愛の不時着」予告映像キャプチャー
そしてもちろん、ヒョンビンとソン・イェジンのケミストリーなしではこのドラマは語れません。北朝鮮男性ならではの純朴さに加えて、セリが望む北朝鮮では手に入らない物資も手に入れてあげるなどの優しく紳士的な面、なおかつピンチの時には助けてくれる強さと包容力も持ち合わせたジョンヒョクは、これまでどんな役柄も自身だけの役作りで魅力的に作り上げてきたヒョンビンだからこそ輝いたのでしょう。ソン・イェジンは、北朝鮮に不時着してもメゲないセリをコミカルに演じてコメディエンヌぶりを発揮したかと思うと、せつない涙のシーンから、仕事のできるカッコイイ女まで、1つのドラマでいろんな顔を見せ、改めてトップ女優の実力を見せつけてくれました。いくら愛し合っていても、困難が予想される2人の愛の着地点のまとめかたも実にお見事でした。

「愛の不時着」Netflixで配信中:https://www.netflix.com/jp/title/81159258


なにも持たない主人公が大企業に立ち向かう
「梨泰院クラス」


写真=JTBC
<あらすじ>
警察官を目指す高校生パク・セロイ(パク・ソジュン)は、いじめを堂々と行う外食業界ナンバーワン企業「長家」の息子グンウォン(アン・ボヒョン)を殴って退学に。さらに数年後、セロイの父がグンウォンの運転する車でひき逃げされて死亡。グンウォンの父チャン会長(ユ・ジェミョン)が犯人をねつ造したと知ったセロイは、再びグンウォンを殴って前科者となる。10年後、セロイは飲食業界でトップの座に登りつめることを目標に、「長家」に復讐を開始。梨泰院に居酒屋をオープンさせる。



<見どころポイント>
復讐劇は数あれど、セロイのいう復讐は「長家」を超える業界トップになることであり、卑怯な手を使わない正攻法。中卒の前科者でも自分の未来をあきらめることなく、自分の未来は自分で切り開くとの信念を貫きとおすセロイの周りには、自然と信頼のおける仲間が集まってきます。ビジネスや経営を本でしか学んでいないセロイが、自分の力だけで成功するのは難しいですが、IQ162の天才でソシオパスのイソ(キム・ダミ)が、セロイの人間性にほれ込み、セロイの店「タンバム」をどんどん改善して繁盛させてゆくのは実に痛快です。

「梨泰院クラス」予告映像キャプチャー
他にも「タンバム」には個性的なメンバーばかりゆえに、いろいろ問題が多発するのですが、それを乗り越えるたびに絆が深まっていくのも感動的。また、最初からフランチャイズチェーン化を念頭に入れているセロイは、父の死亡保険金の運用をグンウォンからいじめを受けていたホジン(イ・デビット)に任せ、ホジンはセロイへの友情と信頼に応えて着実に運用させるというのも、セロイの人間性と先見の目を感じさせるエピソードです。このように経営者の資質やノウハウという目線からも楽しめ、非現実的なサクセスストーリーでないところが他のドラマとの差別化を図り、韓国ドラマを見たことがない日本人男性の心をもつかんだのではないでしょうか。もちろんラブ要素もあり、イソ、セロイの初恋の人スア(クォン・ナラ)、スアを好きなグンウォン、イソを好きなグンウォンの異母弟グンス(キム・ドンヒ)の複雑に絡み合う恋愛模様からも目が離せません。

「梨泰院クラス」Netflixで配信中:https://www.netflix.com/jp/title/81193309


#これを見れば間違いなし!殿堂入りラブコメ2選


国民的スターとB級アイドルに舞い降りた愛の奇跡
「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」


コンプリートシンプルDVD-BOX¥5,000 好評発売中(レンタル中)
<あらすじ>
国民的スターのトッコ・ジン(チャ・スンウォン)は、心臓手術を受ける。手術室ではアイドルグループ「国宝少女」のヒット曲「ドゥグンドゥグン」が流れていた。それから10年、「国宝少女」の人気メンバーだったエジョン(コン・ヒョジン)は、今では落ちぶれ、やっとのことで芸能界にしがみついていた。エジョンと最悪の出会いをしたジンだが、なぜか彼女といると胸がドキドキ。それを手術の後遺症だと考えるのだが……。



<見どころポイント>
「美男<イケメン>ですね」で知られる脚本家ホン姉妹の作品で、テンポのいい掛け合いや、楽しい仕掛けが満載。「ドゥグンドゥグン」は「ドキドキ」の意味で、トッコ・ジンの高鳴る心臓の音を表現しています。芸能界という興味津々の業界を舞台に、誰が見ても不釣り合いなカップルが繰り広げる恋の騒動。そして同時に常に世間の目にさらされて、根も葉もないうわさによって批判を受ける芸能人の悲哀も描かれて、いっそう興味をそそられます。韓国で実際に放送されている芸能番組が劇中で再現されたり、エジョンが好感度を上げるために流行のリアル恋愛バラエティに出演するなど、現場のリアルが伝わるシーンも満載。

そしてなんと言っても魅力なのは、チャ・スンウォンのはじけっぷり。世間的には好感度が高いが、実際は傲慢で偏屈なオレ様のトッコ・ジンを、ねっとりとした濃いキャラに作り上げ、独特のセリフで視聴者を爆笑の渦に。一方ではエジョンに対して少年のように一途な一面を見せ、ギャップがたまりません。そんなジンの身勝手かつ濃厚なアプローチをさらりとかわし、身の程をわきまえた行動に終始するエジョンは、嫌われ者という設定とは真逆に視聴者から大きな愛を受けました。また、エジョンが出演したお見合い番組で知り合った漢方医ピルジュ(ユン・ゲサン)がトッコ・ジンの強力なライバルに。視聴者が有能で誠実なピルジュを推す「ピルジュ派」と、「トッコ・ジン派」で論争を繰り広げるなど、甲乙つけがたい人気を得ました。

「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」U-NEXTにて独占見放題配信中:https://www.video.unext.jp/title/SID0003497


不滅の命を生きる鬼が主人公の極上ラブファンタジー
「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」


© STUDIO DRAGON CORPORATION/ブルーレイ&DVD好評販売中
<あらすじ>
高麗時代の英雄キム・シン(コン・ユ)は、若き王の嫉妬から逆賊として命を落とすが、神の力によって“不滅の命”を生きる“トッケビ”となってしまう。彼を永遠の命から解き放つことができるのは“トッケビの花嫁”と呼ばれるただ一人の女性。900年後、シンは女子高生ウンタク(キム・ゴウン)と出会う。ウンタクは、シンがトッケビであることを見破り、自分こそがトッケビの花嫁だと主張するのだが……。



<見どころポイント>
生と死や輪廻転生をテーマに、人間とトッケビ(鬼)の愛を描いた幻想的なラブファンタジー。脚本、演出、俳優の名演技、映像美、音楽すべてがハイレベルで“数年に一度、めぐり会えるかどうかの名作”と絶賛する声も。コン・ユが、長い人生を歩みながら大切な人々が死んでいくのを、ひとりで見送って生き続けるキム・シンの哀しみ、寂しさ、むなしさなどの複雑な感情を繊細に表現。かと思えば、初めて訪れた恋の相手ウンタクの前では、ドキドキしたり、落ち込んだり、やきもちをやいたりと、少年になってしまう姿に母性本能を刺激されます。鬼のシンは時空間を自由に行き来できる、未来が見える、感情によって天気を変えるなどの特殊能力も持ち、能力を使ったロマンチックなシーンの数々も美しく心に残ります。

© STUDIO DRAGON CORPORATION
そして視聴者に衝撃を与えたのはウンタクを演じたキム・ゴウン。平凡な顔立ちゆえに最初は「え?」と思うかもしれませんが、天真爛漫な表情や笑顔がとてもチャーミングで、見れば見るほどキュートに思えること間違いなしです。“不滅の命”を終わらせたいと願っていたシンが、ウンタクに会うことで一緒に生きたいと思うようになる展開は、切なくて涙なしには見られません。また、シンとイ・ドンウク扮する死神と繰り広げるブロマンスにも注目。天敵のふたりは顔を合わせば憎まれ口を叩き、幼稚な小競り合いを繰り返すも、実はお互いに一番の理解者であり、肝心なときには手を組んで問題を解決するのも感動的です。サブストーリーで、死神とチキン店の社長サニー(ユ・インナ)のラブストーリーも描かれ、輪廻転生をはらんだせつない恋に胸が痛みます。

「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」各サイトにて配信中
・Netflix:https://www.netflix.com/jp/title/81012510
・Paravi:https://www.paravi.jp/title/38767


#隠れた名作をジャンル別にピックアップ


◆胸キュンラブコメ


内気な女の子に超明るい幽霊が憑りついた!!
「ああ、私の幽霊さま」


コンプリートシンプルDVD-BOX¥5,000 好評発売中(レンタル中)
<あらすじ>
生まれた時から霊感が強く、幽霊に怯えながら暮らしているボンソン(パク・ボヨン)。カリスマシェフとして名高いソヌ(チョ・ジョンソク)のレストランで見習い補助をしているが失敗ばかりで、退職を決意した矢先、この世に未練を残した幽霊のスネ(キム・スルギ)に取り憑かれてしまう。



<見どころポイント>
自信家で一見冷たそうに見えるも、実は面倒見がよくて優しいソヌに憧れているボンソン。内気ゆえに告白などできるわけもないのですが、超積極的で明るい幽霊スネはボンソンの身体を借りて大胆かつ積極的にアプローチ。ソヌは、かつてのボンソンとの違いに戸惑うも、スネが離脱すると元の内気に逆戻りするので、魔性の魅力に翻弄されます。見た目は変わらないのに、今はスネなのかボンソンなのかが明確にわかるパク・ボヨンの演じ分けがお見事。小動物みたいに愛らしい彼女が表情をコロコロと変えるたびに、女性目線でも「かわいい~~」と、メロメロになってしまうことうけあいです。

また、ソヌがスネの人格が入ったボンソンを好きになるのではなく、ボンソンそのものに惹かれていくのもポイント。ボンソンがスネの影響で少しずつ自分を変えていくことや、ソヌのサポートで料理人として成長してゆくのが、とても微笑ましいです。もちろん、チョ・ジョンソク扮するソヌのツンデレぶりもたまりません。途中からはソヌのほうがボンソンに夢中になり、立場がすっかり逆転するのにも大いに萌えます。一方で、ボンソンに憑依しながらソヌを好きになってしまったスネのせつない片思いや、なぜスネが死んでしまったのか、成仏できないでいるのかの謎ときもあり。最後は、ボンソンとスネの友情に大いに泣かされます。

「ああ、私の幽霊さま」U-NEXTにて独占見放題配信中:https://video.unext.jp/title/SID0023799


記憶を失った御曹司と田舎の純朴娘のサクセスストーリー
「ショッピング王ルイ」


© 2016 MBC/DVD好評販売中
<あらすじ>
幼い頃に事故で家族を失ったルイ(ソ・イングク)は、裕福で過保護な祖母の元、ヨーロッパで暮らしている。寂しい毎日の中で、唯一の気晴らしは買い物で、いつの間にか“ショッピング王”との異名を持つまでに。15年ぶりに帰国することになったルイは、事故で記憶を失いホームレスに。一方、家出した弟を探すために上京した田舎娘のボクシル(ナム・ジヒョン)は、弟が着ていたジャージを着ていたルイを発見。なんだかんだと面倒を見ることに。



<見どころポイント>
田舎から身一つで出てきたボクシルは、上京するなり騙されて無一文に近い状態になってしまうのですが、それでもメゲずに状況を打開する方法を考えるたくましい純朴娘。ピュアなイメージのナム・ジヒョンがピッタリの役柄です。対して記憶を失ったルイは世間知らずで役立たずなうえに、浪費癖があるのでボクシルをたびたび困らせるのですが、ボクシルはルイを叱っても見捨てることはせず、ルイもそんなボクシルにぴったり張り付いて、子どものような姿が母性本能をくすぐります。ソ・イングクのキュートな笑顔は子犬のようで、ノックアウトされる視聴者が続出。一般常識も人を疑うことも知らないルイが巻き起こす騒動に爆笑しつつ、だんだんと庶民の生活に慣れて、ボクシルを守る男に変化してゆくのが見ものです。

© 2016 MBC
さらに、ボクシルに惹かれながらも、ルイとのゆるぎない関係に割って入れず、あしながおじさんのように支える通販会社の部長ジュンウォンを演じたユン・サンヒョンもいい味を出していて、ルイとの幼稚ないがみ合いを繰り広げるのが楽しいです。そして、このドラマの最大の魅力は、すべての登場人物に愛着が持ててしまうこと。ルイを事故に遭わせた悪役も悪事がバレないかとビクビクして、なんだか憎めないのです。制作陣が“純朴で温かいドラマを目指した”というように、見終わった後に幸せな気持ちになれる、おとぎ話のような作品です。

「ショッピング王ルイ」各サイトにて配信中
・Hulu:https://www.hulu.jp/shopping-king-louie/
・Paravi:https://www.paravi.jp/title/49448

◆ハラハラ・ドキドキのサスペンス


カルト教団に捕らえられた初恋の人を救え!!
「君を守りたい~SAVE ME~」


コンプリートシンプルDVD-BOX 1・2 各¥5,000 好評発売中(レンタル中)
<あらすじ>
郡守の父を持ち、成績優秀サンファン(テギョン)は、田舎町・ムジ郡では有名な高校生。ソウルからの転校生のサンミ(ソ・イェジ)に好意を抱くが、いじめを受けている兄を助けてほしいとのサンミの願いをある事情から断らざるを得なかったために悲劇が起きる。3年後、サンミ両親は、怪しげな集団組織“救船院”にのめりこみ、サンミは囚われの身になっていた。サンファンは今度こそ彼女を救おうと立ち上がるが……。



<見どころポイント>
2PMのテギョンがまっすぐで賢い青年サンファンを演じ、3人の親友たちとカルト集団に挑むサスペンス。サンミが、オ〇ム真理教を彷彿とさせるカルト集団“救船院”の霊夫こと教祖(チョ・ソンハ)に一方的に見染められてしまったことから悲劇は始まります。彼女を霊母(妻)に娶ろうともくろんだ教祖は、サンミの両親を洗脳。息子を失くして常軌を失った母とともに教団管理下の施設に入れられたサンミは、一度は脱出をもくろむも連れ戻されてしまいます。3年前にサンミの兄を助けることができず、助けに行ったために少年院に送られてしまった親友ドンチョル(ウ・ドゥファン)に負い目を持つサンファンは、出所したドンチョルと和解すると、YouTuberのジョンフン(イ・ダウィ)、大食いのマニ(ハ・フェジョン)に声をかけてサンミを救う計画を立てます。

すっかり洗脳されたサンミの父はサンミが霊母なればこそ世を救うと信じてうたがわず、エロ教祖の言いなりに。サンミの母は洗脳が解けないようにと怪しい薬を飲まされていて、こんな状況でも自分を失わないサンミの意思の強さがすごい。救船院の信者たちは「成されます! 信じます!」と連呼してマインドコントロールされるのですが、あまりにも耳に残るこのスローガンは韓国で流行語になったそう。警察に助けを求めても救船院の賄賂を受けてグルだったりと、先の見えない展開が続く中、途中からはドンチョルが変装して内部に潜入。信者のフリをして様子を探るのがスリリングです。テギョンがかっこいいのはもちろんのこと、ナイーブで孤独な影を持つドンチョルを演じたウ・ドゥファンも、本作で一躍脚光を浴びました。

「君を守りたい~SAVE ME~」各サイトにて配信中
・Netflix:https://www.netflix.com/jp/title/81167101
・U-NEXT:https://video.unext.jp/title/SID0034922


お受験戦争が過熱する韓国社会を風刺して大ヒット
「SKYキャッスル」


© Jcontentree corp & JTBC Content Hub Co., Ltd. all rights reserved./DVD好評販売中
<あらすじ>
富・名誉・権力を手にする者だけが住んでいる高級住宅街“SKYキャッスル”。ソウル医大を志望する娘を持つソジン(ヨム・ジョンア)は、隣の邸宅に住むミョンジュ(キム・ジョンナン)の息子がソウル医大に合格したことから、そのノウハウを得ようと躍起になる。が、その後、ミョンジュが謎の自殺を遂げ、空き家となったその家には新しくスイム(イ・テラン)の一家が引っ越してくる。



<見どころポイント>
“SKY”には韓国最難関のソウル大学(S)、高麗(コリョ)大学(K)、延世(ヨンセ)大学(Y)の頭文字を合わせた意味もあり、韓国の上流社会では“SKY”でなければ認めないという風潮もあるというほど、学歴社会の韓国を痛烈に風刺したドラマ。5つの家族の受験戦争を母たちの目線を中心に描くという興味津々な内容が口コミで広がり、1.7%からスタートした視聴率が23.8%まで上昇した話題作です。息子がソウル医大に合格して喜びの絶頂であるはずのミョンジュが猟銃で自殺するという衝撃的な幕開けの後、その空き家に、お受験よりも息子の主体性を尊重するスイム一家が引っ越してきたことで、教育熱心なSKYキャッスルの主婦たちには変化が生じ始めます。

© Jcontentree corp & JTBC Content Hub Co., Ltd. all rights reserved.
もう一つこのドラマで需要な役割を果たすのは、受け持つ生徒の合格率100%実績を持つ受験コーディネーターのキム・ジュヨン(キム・ソヒョン)。実はミョンジュが自殺を図った裏には彼女の存在があったのですが、ソジンはそれを知りながらも危険を承知で契約をします。さらに、夫の隠し子ヘナ(キム・ボラ)が突然訪ねてきて、ソジンの家をかきまわします。そんな中、SKYキャッスル内でヘナが殺害される事件が発生。犯人捜しのサスペンスまで加わり、ますます目が離せません。一方で、世間体に振り回される親たちを滑稽に皮肉るエピソードも多く、笑えるシーンが満載なのも、視聴者の心をつかんだ要因。加熱するお受験戦争に問題提起をしつつも、これからも学歴社会は変わらないだろうという皮肉を感じさせる結末も強烈な余韻を残します。ちなみに「梨泰院クラス」のグンス役で人気のキム・ドンヒは、この作品でライジングスターになりました。

「SKYキャッスル」各サイトにて配信中
・U-NEXT:https://www.video.unext.jp/title/SID0045041
・FOD:https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4n48/

◆感動のヒューマンドラマ


警察官たちのリアルな日常を描く
「ライブ~君こそが生きる理由~」


発売元:博報堂DYミュージック&ピクチャーズ/クロックワークス/販売元:クロックワークス/©STUDIO DRAGON CORPORATION/DVD-BOX好評発売中
<あらすじ>
就職難の中、安定した生活ができる警察官を志願したジョンオ(チョン・ユミ)とサンス(イ・グァンス)。2人は熾烈な競争を勝ちぬいて警察大学を卒業し、韓国国内で最も忙しいと言われる「ホンイル交番」に配属されるが、描いていた夢とは違う過酷な現実を目の当たりにする。



<見どころポイント>
これまでの警察ドラマとは違い、派手な事件も捜査も華麗なアクションもない、警察官のリアルな日常が描かれたヒューマンドラマです。パトロール中に酔っぱらいにからまれたり、パトカー内に吐かれた嘔吐物を掃除したり、通報で向かった現場で命の危機にさらされたり、市民に罵倒されたりと、「警察官ってこんなに過酷な仕事だったのか~」と実感するとともに「いつも市民のためにありがとうございます」という感謝の気持ちがわきあがります。

©STUDIO DRAGON CORPORATION
新米警察官の2人の成長ストーリーを中心に描いていますが、主役はホンイル交番の警察官全員といってもいいほど。常に命の危険にさらされている警察官たちは、署全体が1つのチームといった感じで、仲間を大切に思い、お互いに支え合う姿は胸アツです。最初は嫌な奴だと思ったキャラクターにも、実はそれなりの理由があったりして、すべての人物に感情移入してしまいます。こんなに現場が使命感を持って頑張っているのに、幹部たちの保身で処分されるなど、理不尽な面が描かれているのも実にリアル。男性が好きそうなドラマですが、交番という身近で日常的な場所が背景になっているだけに、女性にも共感してもらえるのではないでしょうか。

「ライブ~君こそが生きる理由~」各サイトにて配信中
・Rakuten TV:https://tv.rakuten.co.jp/content/298003/
・FOD:https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4n46/

◆感涙必至のラブストーリー


13年前の空白の恋が動き出す
「30だけど17です」


©SBS 発売元:PLAN Kエンタテインメント
<あらすじ>
17歳のときにバスの事故で初恋の人を失ったウジン(ヤン・セジョン)は、それを自分のせいだと責め、心を閉ざして生きてきた。一方、17歳のときに事故に遭い昏睡状態のまま眠り続けたソリ(シン・ヘソン)は、30歳になったある日目を覚ます。バイオリニストの夢も家族も失ってしまったソリは、自分が住んでいた家を訪ねるが、その家にはウジンと甥っ子のチャン(アン・ヒョソプ)が住んでいた。行くあてのないソリは、ウジンの家に居候することになるが……。



<見どころポイント>
しぶしぶ同居を始めたものの、17歳のままのピュアな心を持つソリに影響されて閉ざした心を開いてゆくウジン。30歳になった自分に適応できずに戸惑うも、ウジンや周囲の人々に支えられて現実を受け入れ、精神的にも大人になってゆくソリ。お互いに癒し合う2人の関係に見る側も癒されるドラマです。心を閉ざして人との関りを持たない冷血漢でありながらも、根は優しくて繊細なウジンには柔らかいほほえみを持つヤン・セジョンがハマり役。親しみやすさと卓越した演技力を持つ実力派シン・ヘソンも、心と身体がちぐはぐなソリをある時は天真爛漫に、ある時は繊細に表現して大いに愛されました。

©SBS 発売元:PLAN Kエンタテインメント
また、高校ボート部のエースのチャンは、中身は17歳のソリと意気投合。チャンの親友たちもソリと親しくなり、わきゃわきゃと遊ぶシーンにも癒されます。本作出演後、チャン役のアン・ヒョソプは主演俳優に成長。チャンの親友ヘボム役のイ・ドヒョンも「ホテル・デルーナ」でIUの過去の恋人を演じて注目を集めました。さらにソリを想う医師役でユン・ソヌも出演。イケメンだらけで、目も幸せになれるドラマです。果たして13年の間になにがあったのか? 徐々に明かされていく真実に興味津々。そして13年前に起きた交通事故の裏に隠された真実が明かされたとき、涙が止まらなくなるでしょう。

「30だけど17です」各サイトにて配信中
・TSUTAYA TV:https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/vod/artDetail.do?pT=0&sc_ext=tsutaya_movie_musbutton&ttvArtCd=101027681


できちゃった婚から始まる真実の愛
「運命のように君を愛してる」


©2014MBC
<あらすじ>
チャンイン化学のCEOイ・ゴン(チャン・ヒョク)は、短命の家系のため周囲から結婚と跡継ぎを急かされているが、恋人のセラは世界的プリマになる夢のため結婚に踏み切れない。そんな中、ゴンを陥れようとする者たちの策略で、媚薬を飲まされたゴンは、ひょんなことから同じ薬を飲んだ平凡なOLミヨン(チャン・ナラ)と一夜を共にしてしまう。のちに妊娠が発覚し、仕方なく結婚を決意した2人だったが……。



<見どころポイント>
大ヒット台湾ドラマ「ハートに命中」を原作に、韓国らしい情緒を加えたハートフルドラマ。派遣社員のミヨンは、必要だが大切ではない存在という意味で“ポストイット”というあだ名を持つほど、いいように使われるお人よし。チャン・ナラが自分に自信がなくておどおどしたミヨンを愛らしく演じ、自然と応援したくなります。一方のゴンは、「ちびまる子ちゃん」の花輪くんをほうふつとさせる奇抜な髪形に、ねちっこい話し方、「ウムハハハ」と独特の高笑いうかべる強烈キャラで、最初は苦手~と思うかもしれませんが、傲慢なようで根は優しく、なんだかんだとミヨンをいつも助けてくれる人柄を知るにつれ、ゴンが愛しくてたまらなります。恋人がいるためにミヨンを遠ざけようとしますが、やがてミヨンとお腹の子を愛しく思い、変わっていくゴン。コミカルとシリアスを一瞬で行ったり来たりできるチャン・ヒョクの演技力が光ります。

©2014MBC
また、ミヨンをあしながおじさんのように影から支えるダニエル役のチェ・ジニョクも魅力的で、後半のせつない展開からの三角関係が見もの。また、良家の子女ではない嫁ミヨンを優しく迎えるゴンの祖母(パク・ウォンスク)や、ゴンを溺愛するミヨンの家族など、結婚によって生まれる家族の絆にも心が温かくなります。ちなみに、映画「パラサイト」で一躍脚光を浴びたチェ・ウシクもゴンの異母弟ヨン役で出演。ちょっとおまぬけなキャラで笑わせてくれます。

「運命のように君を愛してる」各サイトにて配信中
・FOD:https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/drama/ser4h00/?img_frame=0

◆背筋が凍る本格ホラー


因縁で結ばれた3人が悪霊と闘う
「客―ザ・ゲストー」


発売元:ACM 販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント/(c)STUDIO DRAGON CORPORATION/DVD好評レンタル中
<あらすじ>
20年前、小さな村でパク・イルドと呼ばれる悪霊による残忍な殺人事件が発生した。悪霊が見えたせいで母親を失い、タクシー運転手をしながら事件の謎を追うファピョン(キム・ドンウク)。同じ事件で家族全員を失って司祭になったユン(キム・ジェウク)。ユンの兄に母親を殺害された刑事のギルヨン(チョン・ウンチェ)。3人はやがて運命に導かれるように出会い、パク・イルドとの闘いに挑んでゆく。



<見どころポイント>
東洋シャーマニズムと西洋エクソシズムとサスペンスを融合させ、多くのマニアを生み出したドラマ。「“客”と呼ばれるその悪霊は、東の海の深いところから来て人に乗り移り、残忍な殺人を犯す」という言い伝えが、この風変わりなタイトルにつながっています。霊媒師一家に生まれたファピョンは霊感が強く、韓国のあちこちで起きた犯罪が悪霊パク・イルドの操る下級霊のしわざだと気が付きます。20年前の因縁でお互いをよく思っていないものの、パク・イルドの正体解明と退治のためにファピョンと手を組むようになった司祭ユンと女刑事のギルヨン。ファピョンが霊感で事件を推理し、捜査はギルヨンが担当、下級霊に憑りつかれた人間を司祭のユンが退魔するという絶妙なチームワークが築かれていきます。

発売元:ACM 販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント/(c)STUDIO DRAGON CORPORATION
捕まった悪霊はユンが命がけともいえるほど全力を尽くして退魔をするのですが、成功した場合は「パク・イルド~」と叫びながら大量の水を吐くとともに正気に戻り、失敗すると自分の右目を突き刺して憑りついた人間ごと自害するので、いずれの結果にしても怖いシーンが待っています。さまざまな事件を解決しながら、パク・イルドの真の宿主である人間に近づいていく3人。正体が見えないだけに「パク・イルドっていったい誰なのよ?」と思いつつ、周囲の人物がみんな怪しく思えて、怖いけど続きを見ずにはいられない。最後にはあっと驚く結末が待っています。

「客―ザ・ゲストー」U-NEXTで配信中:https://www.video.unext.jp/title/SID0042567


朝鮮時代が舞台の傑作ゾンビアクション
「キングダム」


Netflix
<あらすじ>
権力を牛耳るチョ氏は崩御した王を秘術で生き返らせる。チョ氏の娘は王の子を妊娠しており、庶子であるチャン世子(チュ・ジフン)に王座を渡すことを阻止するため、出産までは王を存命させる必要があったのだ。父との面会を許されず、不穏な空気を感じとったチャン世子は、父の主治医に会うべく旅に出るが……。



<見どころポイント>
ホラーの中でも人気のゾンビと朝鮮王朝の陰謀渦巻く人間模様に加え、謎解きのミステリー、アクションまで堪能できる作品。Netflixが約200億ウォン(20億)ウォンをかけて制作した初のオリジナル韓国ドラマとあって、映画並みの迫力と映像美が恐ろしさに拍車をかけます。多くのゾンビ作品では、ゾンビに噛まれた人間はいったん死ぬかゾンビとなって蘇生しますが、本作では、ゾンビに噛まれただけではゾンビ化しなかったのに、ある若者が飢えた病人たちにゾンビに噛まれて死んだ人間の肉を与えてしまったことで、一気に大量のゾンビを生み出してしまうのに背筋が凍ります。

「キングダム」予告映像キャプチャー
朝鮮時代には逃げるための車も、情報を伝達する電話もないため、パニックぶりはすさまじく、普段はカリスマあふれるチャン世子も、ゾンビに追いかけられると死に物狂いで全力疾走。クールなイメージのイケメン俳優チュ・ジフンの、こんなにもビビった顔を拝めるとは意外でした。また、このドラマのゾンビたちは夜になると動き出し、日が昇ると動かなくなる特性があるので、昼と夜のシーンでの緊張感の違いもいい味付けになっています。1話あたりが韓国ドラマにしては短い40~50分で、サクサク見られるのも魅力ですが、そもそもこの緊張感に耐えられる限界がそのくらいの時間なのかも。現在はシーズン2まで配信され、ゾンビの生態や謎も少しずつ明かされていますが、果たしてシーズン3ではどんな謎が明かされるのか、先が気になってたまりません。

「キングダム」Netflixで配信中:https://www.netflix.com/jp/title/80180171

ライター:安部裕子

記者 : Kstyle編集部