B.A.P デヒョン「ミュージカルに初挑戦…アイドル出身への偏見は簡単になくすことができる」

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B.A.Pのデヒョンは率直だった。あえて自身を飾らず、率直に認めた。アイドル歌手としてデビューして6年目に、ミュージカル「ナポレオン」を通じてミュージカルに初めて挑戦することになっただけに、最初から学ぼうとする気持ちが大きい。

ミュージカル「ナポレオン」でナポレオンの弟ルシアン役を演じるデヒョンは、ミュージカル俳優として成長するために努力している。一緒に舞台に上がる同僚たちのサポートを受け、一から十まで勉強しているという。

アイドル歌手たちのミュージカル進出が活発な現在、デヒョンはなぜ今になってミュージカルに出演することになったのだろうか。彼は「時を待っていたようだ」と答えた。「事務所でチャンスを与えられ、本当に挑戦してみたくなった」と話した。

ルシアンの出演シーンは多くないが、チャンスを取っただけに感謝する気持ちばかりだ。彼は「出演量に対する欲はない。今、これほどの出演量だけでも僕は十分に多くのことを得ることができる。この役割を通じて観客たちに感動であり、ストーリーであり、明確に伝えることができるなら、それで十分だと思う」と話した。

「『どういう風にルシアンを表現したらいいだろう』ということさえ考えられなかったが、同じ役割を演じる先輩たちを見たら、みんな違う。初めは、本当にセリフと歌を覚えることが全てだった。しかし、演技しながらルシアンと僕の性格が似ていると感じた。当然、基本的なセリフを覚え、僕が思った通りにやってみようと思った。分別はないが、早く現実に目覚めた16歳の少年であり、正義感が強く、優しいが時にはバカみたいに無知なルシアンだ」

デヒョンは、ルシアンと似ている点について聞かれると「僕が無鉄砲な性格だから、意見を明確に表現する方だ。しかし、そのように表現してしまうと問題が生じるということを今の僕は知っているが、16歳のルシアンは知らないと思った。セリフや演技の流れを見るとそうだ。心から出る感情を最大化すべきだと思う」と説明した。

デヒョンはミュージカルに挑戦することで、多くのことが変わったと話した。「すべてが変わった」と表現したほどだ。「価値観も変わり、音楽的なスタイルもかなり変わった。今は完全にミュージカルに没頭している状態だ」と伝えた。

しかし、デヒョンはミュージカルに対してまだ知らないことが多い。まだ鑑賞した作品も少なく、もっぱら映像を通じて確認した。「まだ挑戦できる段階ではない」と考えたのもその理由だろう。

彼は「映像をたくさん見ているが『ジーザス・クライスト=スーパースター』や『デスノート』『キンキーブーツ』『ヘドウィグ』などの映像を見た。音楽がいい作品が良いが、僕が足りない部分が多いということをよく知っている」と告白した。

しかし、デヒョンは「いつかチャンスがあったら『ジーザス・クライスト=スーパースター』にぜひ出演してみたい。歌唱力にも自信がある。とても有名で完璧な作品でしょう。歌も素晴らしいからぜひ出演したい。イエスとユダ、二つのキャラクターに挑戦してみたいが、今はユダという役割をより探して見ている」と語った。

ミュージカルに挑戦しただけに、デヒョンにはミュージカルに対して深く悩むこともあるようだ。歌手活動とミュージカル俳優活動を並行する選択をする場合は、よりそうだろう。どんなことも簡単に思ってはいけない。二兎を追うためには、上手に調整する必要がある。

デヒョンは「歌唱法に対しては長時間が必要で、欲を捨てなければならない。先輩たちと比べることはできないが、ある程度の基本的な知識を持っている状態では、発声と歌唱法を変えること自体が難しい。時間がかかる」と説明した。

「アイドルの中で、ミュージカルに出演する先輩たちを見ると本当に認めるしかなく『僕もそうしないと』と思うきっかけになる。今は少しずつ変えようと努力する段階で、それが本当に助けになる。レッスンも受けたいが、それも悩んでいる。レッスンを受けてしまうと、僕だけの歌唱法が消えてしまうような感じがする。しかし、足りない部分はレッスンを受けた方がいいだろう。しかし今、僕がいるところで、見て、聞いて、感じることだけでも勉強になる。確信をもって練習している」

グループ活動と並行しているため、本格的な練習には殆ど参加することができなかった。「率直に言って、ミュージカル練習に入る時から、きちんと練習をしたことが殆どない。休んだこともない。作業が厳しい。収録もして、ダンス練習に海外ツアー、他のスケジュールもある。ミュージカル練習もしなければならないので、今回は練習が一番大事だと思ったのに、一度も満足したことがない」と率直に話した。

続いて「ミュージカル練習に参加するたびに、申し訳なかった。大先輩の方々も朝早く来て練習するのに、スケジュールのため行ったり来たりするのが申し訳なかった。一人で練習してみたら、声が出ない時もあって、ケミ(相手との相性) も確認することができなかった。逆に公演がスタートしてからはより余裕ができたが、その残念な気持ちは絶対に忘れない。今も覚えている」と話した。

「僕にもう少し練習できる、集中できる時間があったら、より上手くやることができただろうと思うが、これは僕の意志とは関係なく、できなかった。だからと言ってそのスケジュールに対して悪いと思ったり、やりたくないという気持ちはなかった。全部やりたかった。しかし欲が多かった。練習量が足りなかったのが一番残念だった」

残念な気持ちは残るが、それでもミュージカルに出演しただけでも満足した。「確実にミュージカルは見れば見るほど、魅力的だ。ミュージカルに出演してからは、何かをすること自体が楽しかった。僕の仕事は殆どが音楽と関係があるから、コンサートに参加する時にも実験し続けた。ミュージカルで学んだことをコンサートでやってみて、またコンサートで感じた感情をミュージカルで演じたりした。大変なこともなく、結局僕一人でやっているのだが、自ら実力が伸びていると感じたので、何かをするたびに楽しかった」と語った。

「率直に言って、アイドル出身ではなかったら、ミュージカルで僕をキャスティングしなかっただろう。確実にファンの方々がたくさん訪れ、アイドルに対する期待感があっただろう。ファンダム(特定ファンの集まり) を確保していて、チケットパワーも強くないが持っているから。カンパニーも僕をキャスティングしたことは冒険だったかもしれない。それで感謝している。率直に申し訳ない部分が多いから、ありがたいと言われる状況ではない。スケジュールの変更が多く、そのような点で問題がたくさん生じたから。より頑張らないといけない」

デヒョンはアイドル出身だから、ミュージカル舞台で活動することに謙遜する気持ちを持っているが、アイドル出身に対する偏見は全然怖くない。「それは本当に簡単になくすことができる」と自信を示した。

「そうじゃなくてもそのように言われたが、僕が皆に礼儀正しく行動し『僕はアイドルだ』と誇示しなければ、十分に偏見をなくすことができると思う。今は先輩との関係で不便なことは全くない。僕の行動によって変わるだろう。どうしても、経歴がない状況で僕が大事な役割を演じるので、誤解される可能性もあって、そう思われることは理解もできる。その中でもきちんと表現すればいいと思う」

デヒョンはミュージカルに出演することで、視野が広くなったと話した。以前は厳しくて大変だと思ったことを、大したことではないと感じるようになったという。「今回、ミュージカルに出演することで考えが変わり、すべてが面白かった。辛いことも楽しく、できないことも楽しかった。すべてが楽しかった」と笑った。

彼は「今、僕の原動力は僕の欲心しかない。家族、事務所、このようなことは基本だ。歌も僕の欲によって始めたので、その意欲が強くなった時にはいつも悪い結果を招いた。今はその意欲を押さえることができる」と説明した。

「人間デヒョンは本当に魅力がない人だ。もどかしい部分が多い。歌謡界で活動する僕の姿は、以前よりは上手になり、良い姿と確実なコンセプト、イメージを見せることができる、プロフェッショナルになっていくデヒョンの姿だ。ミュージカルでは新人だ。バカみたいに頑張ることしかできない新人の姿だと思う」

ミュージカル「ナポレオン」の公演時間は170分で、韓国で10月22日までソウル松坡(ソンパ) 区シャーロッテシアター(CharLotte Theater) で上演される。

記者 : ホ・ソルヒ、写真 : クァク・ギョンフン