「トガニ」実際の被害者、消滅時効により損害賠償訴訟で敗訴

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写真=映画「トガニ」ポスター
映画「トガニ 幼き瞳の告発」(以下「トガニ」)の実際の主人公として知られた光州(クァンジュ)インファ学校の性暴行被害者が政府と光州市、光州市光山(クァンサン)区を相手取って提起した損害賠償の訴訟で敗訴した。

先月30日、ソウル中央地方裁判所民事合意10部は「原告に対する国家賠償請求権が成立されたのは2005年6月だが、損害賠償訴訟はこれを5年超えた時点で提起された。国家賠償の消滅時効が5年を過ぎたため、原告の請求を受け入れることが難しい」と原告敗訴判決を下した。

続いて2009年に性暴行被害を被った事実を主張した原告2人に対して「国家や地方自治体などに過失があると認めにくい」と判断し、教育権・学習権侵害に対する国家賠償請求に対しては「提出された証拠だけでは教育部などで指導監督をおろそかにしたと認めることは難しい」と明かした。

訴訟の敗訴に対して弁護人たちは「被害者たちのトラウマを傷害と認めず、ただ消滅時効が過ぎたと判断されて残念だ」とし「必ず控訴し、再び判断してもらう」と強い意志を表明した。

「トガニ」は2005年に全羅南道(チョルラナムド)光州のある聴覚障がい者向けの学校で実際に起こった障害児童への性暴力事件に基づいた、作家コン・ジヨンの同名小説を映画化したもので、社会的な反響を起こした。それだけでなく、社会的弱者に対する性的暴力と虐待を公論化するきっかけになり、事件の再捜査と関連法律の改正につながるなど大きな変化をもたらした。

記者 : イ・ヒョニ