ミュージカル「雨に唄えば」の評価は?楽しめる作品だが余韻が残らない

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写真=マイデイリー DB
ミュージカル「雨に唄えば」(原題:Singin' in the Rain)は、目と耳で楽しむことはできるが、余韻が残らない印象だった。

ミュージカル「雨に唄えば」は1952年に公開された同名映画が原作で、1983年にロンドンで初めて公演が行われてから、これまで愛され続けてきた作品である。ハリウット映画界が無声映画から有声映画へと転換される時期を舞台に、有名な映画俳優ドン・ロックウッドと女優を夢見る才能のある女性キャシー・セルドンとのラブストーリーを描く。

あの名曲「Singin' in the Rain」や「Good Morning」と感覚的なタップダンスで有名な「雨に唄えば」は、男性主人公ドン・ロックウッドが雨に打たれながら歌って踊る姿を通じて、恋に落ちた一人の男の感情をそのまま観客に伝える名シーンがよく知られている。

ます、「雨に唄えば」は目と耳で楽しむことができる。映画俳優に関する話であるだけに見どころが多い。当時のハリウット俳優のエピソードはもちろん、無声映画から有声映画へと変わる時期を舞台に、その過程で起こるエピソードが現代風に表現されており、見応えがある。

華やかなタップダンスも欠かせない。長時間にわたってダイナミックなパフォーマンスと華麗な演技で観客を魅了する。オーケストラの演奏も観客の耳を楽しませる。また、暑い夏にふさわしく、1万5000リットルの水を使うスペクタクルなシーンも見せてくれる。

「雨に唄えば」は、古典映画を筆頭に、最もベーシックなミュージカルを描く。洗練されたステージの上の若い俳優たちの華やかなパフォーマンスは確かに面白い。TRAXのジェイ、SUPER JUNIORのキュヒョン、EXOのベクヒョン、少女時代のサニー、天上智喜The GraceのSundayなど、SMエンターテインメントのアイドルが多数登場するのも見どころの一つだ。

しかし、目と耳で楽しむということ以外には、原作の余韻が残っておらず、多少残念に思う点がある。映画「雨に唄えば」は、古典映画ならではの雰囲気が際立つ作品。時代の流れに合う題材で当時の若者の夢と愛を描き、ロマンチックでエネルギー溢れる独特な雰囲気で愛されていた。

しかしミュージカル「雨に唄えば」は、こうした古典映画独特の雰囲気をうまく表現できなかった。古典という枠の中で現代的な感覚を表現したのは良かったが、古典作品を選んだ理由、その特有の余韻を伝えようとした部分が、やや表現不足だった。

ミュージカル「雨に唄えば」は見どころ満載の作品だ。だが、その伝わるべき余韻が上手く伝わらなかったという点は残念だ。

「雨に唄えば」は8月3日までソウルの忠武(チュンム)アートホールの大劇場で公演される。

記者 : ホ・ソルヒ