EXO、シンドロームを起こしたもう一つの怪物 ― アイドル新三国志

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写真=SMエンターテインメント

“お兄さん”が“おじさん”になれば、大衆はまた違う“お兄さん”を求め始める。さらに時間が経てば、また違う“弟”や“妹”を求め始めたりもする。悲しいけれども冷静な、アイドル市場の摂理である。このようにアイドルグループは、彼らなりの世代交代を繰り返しながら約20年もの間、10代の市場を制覇してきた。第3世代のアイドルたちが音楽界に続々と登場している今、彼らを誕生させた先祖格の第1、第2世代のアイドルグループを振り返ってみよう。

「K-POP」が韓流のもう一つの名前として命名された中、韓国音楽界でもやはりアイドルの勢いが強くなっている。一日おきに一チームが作られるという、アイドルの洪水時代であるためだ。しかし、そこで生き残ることさえできれば大衆から絶対的な支持を受け、“ホットルーキー”として定着することができるため、今日も音楽界は依然としてアイドル探しに、またアイドルになるために動いている。

韓国音楽界の3大事務所であるSMエンターテインメント、YGエンターテインメント、JYPエンターテインメントもやはり、王座を引き継ぐルーキーづくりに余念がない。そして、変わらず東方神起、少女時代、BIGBANG、2PM、2NE1、Wonder Girlsなどその名も轟くアイドルグループを制作した3社もまた、野心に満ちた刀を準備している。SMエンターテインメントのEXO、JYPエンターテインメントのGOT7、YGエンターテインメントのWINNERがその中核だ。

SMのEXO ― 神秘主義アイドルを作れ

1996年、イ・スマンが制作した神秘主義アイドルグループH.O.T.の誕生は、言葉通りのシンドロームだった。彼らのコンサートがある日は、ソウルの電車が運転を延長し、数十人のファンが気を失ったことも既によく知られている事実だ。5年間の短い活動だったが、「Candy」「I yah!」「光(Hope)」「Outside Castle」など多くの名曲も彼らの人気を代弁している。彼らに続いてデビューした神話(SHINHWA)は、現在韓国の最長寿アイドルグループとして活動している。その後SMエンターテインメントは2003年東方神起をデビューさせ、事実上アイドル王国体制を稼働させた。韓流と共に海外進出が加速化されたのも、この頃だ。その後SUPER JUNIOR、少女時代、SHINee、f(x)が連打席本塁打を飛ばし、現在EXOが第3世代アイドルの先頭に乗り出している。

もう一つの怪物、EXO

チームの構成からして斬新だ。母体はEXOだが、韓国で活動するEXO-Kと、中国で活動するEXO-Mに別れ、2012年4月にそれぞれデビューした。2013年のように例外的に12人が一緒に活動することもあるが、2チームの個別活動が中心となっている。韓国のメンバーチャンヨル、ベクヒョン、ディオ、カイ、スホ、セフン(以下、EXO-K)、チェン、シウミン(以下、EXO-M)などの8人に、中国のメンバールハン、タオ、クリス、レイ(以下、EXO-M)など4人を加え、デビュー当初から中国市場を狙っていることがわかる。

2012年デビュー当時EXOの底力は大きく際立たなかった。しかし、1年間のブランクを経て2013年本体での活動が始まると、情勢は逆転した。「Wolf」で地上波3社の音楽番組で1位を総なめにし、後続曲の「Growl」で地上波3社の音楽番組で3週間連続1位を達成するなど、大ブレイクしたのだ。スペシャルアルバムのタイトル曲「12月の奇跡」で披露したユニット活動でも1位を手にし、“シンドローム”と呼ぶに足りる活躍ぶりだった。

全国的な人気の結果は眩しいものだった。MBC「無限に挑戦」のメンバーたちは、動かない体で「Growl」のダンスを踊り、KBS 2TV「ギャグコンサート」のアン・ソミもやはりセクシーダンスを踊りながら「Growl」を再誕生させた。一般人もUCC(User Created Contents、ユーザー作成コンテンツ)を通じてパロディ隊列に参加した。幾何級数的に膨れ上がったファンダム(特定のファンの集い)も、彼らの人気を代弁している。2013年の締めくくりも充実したものとなった。MMAベストソング賞、MAMA今年のアルバム賞、ゴールデンディスクレコード部門大賞、ソウル歌謡大賞の大賞などが全てEXOの手に入った。彼らは、韓国音楽界の“ワントップアイドル”の勢いをさらに強固なものにしている。

記者 : チョン・ジウォン