疑問が絶えない大鐘賞、青龍映画賞で治癒することができるのか?

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写真=大鐘賞映画祭、青龍映画賞
昨年の大鐘賞映画祭と青龍(チョンリョン)映画賞授賞式は、全く正反対の姿を見せた。

実際に、昨年の大鐘賞映画祭では「王になった男」が最優秀作品賞を獲得した反面、青龍映画賞ではベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞した「嘆きのピエタ」が最優秀作品賞の栄光を手にいれた。

大鐘賞映画祭の監督賞と主演男優賞、そして助演男優賞もそれぞれ「王になった男」チームにその栄光が与えられたが、青龍映画賞では「折れた矢」のチョン・ジヨン監督が監督賞、「悪いやつら」のチェ・ミンシクが主演男優賞、「僕の妻のすべて」のリュ・スンリョンが助演男優賞を受賞した。特にリュ・スンリョンは、同じ助演男優賞であるにもかかわらず、大鐘賞映画祭では「王になった男」で、青龍映画賞では「僕の妻のすべて」でトロフィーを手に入れて注目を集めた。

また大鐘賞映画祭の場合、「王になった男」の15冠王、青龍映画賞の場合は多くの作品に分け与える形の授賞となり、視線を集中させた。

このように、昨年の大鐘賞映画祭は青龍映画賞と全く異なった。それゆえに、青龍映画賞がもっと公正さがあったように見えたのも事実である。今年もやはり、別段異なることはない。11月1日に行われた第50回大鐘賞映画祭は、受賞の可能性があった作品がノミネートされず、疑念を抱かせた。

ベネチア国際映画祭に招待されて、海外で好評を受けた「メビウス」(韓国封切り:9月5日)の場合、「2012年7月9日~2013年8月31日までに制作・完了されて、映像物等級委員会の等級を済ませた韓国映画として、劇場で上映されたり、出品対象期間内に上映予定中の劇映画に限る」という大鐘賞映画祭の出品基準を満たすことができず、候補作に名を上げられなかったとしても、神がかり的なハ・ジョンウの演技力と彗星のごとく現れた新人監督により話題になった「テロ,ライブ」のような作品が候補者、または候補作リストになかったという点は異様である。

もちろん出品をしなかったという理由のために大鐘賞映画祭では「テロ,ライブ」が除外されたとは言うが、十分に受賞の可能性がある作品が大鐘賞映画祭に出品しなかったという理由だけでも、映画祭に対する信頼感を落とすのに十分だった。

これと共に、KBS 2TVを通じて生中継される予定であったが、突然「2013 プロ野球韓国シリーズ」第7戦の中継によって録画放送が決定されただけでなく、授賞式の司会者がパク・チュンフンだと発表された後、シン・ヒョンジュンに交代されるなど、主催側の準備不十分によりよくない視線も受けた。

何よりも受賞者と受賞作が発表された後、一部で大鐘賞映画祭が作品性ではなく興行性を基準に賞を授与するのではないかという不満の声も上がり、映画祭のプライドにもう一度打撃を受けた。

今年もやはり、青龍映画賞は大鐘賞映画祭と異なる動きを見せている。大鐘賞映画祭で候補に名を掲げなかった、あるいはできなかった作品も目立つ。候補を選定する基準が異なるという点を無視することはできないが、(大鐘賞映画祭は出品作、青龍映画賞は上映作を対象に行われる)「テロ,ライブ」「怖い話2」「だれの娘でもないヘウォン」「ミスターGO!」などがスポットライトを浴びた。ここに大鐘賞映画祭で候補の基準を満たしていなかった「メビウス」「ファイ 悪魔に育てられた少年」なども候補に上がって、激戦を予告した。

もちろん青龍映画賞が100%公正性を維持している映画祭だと見るわけにはいかない。誰もが満足できるような受賞の結果などはありえず、また昨年の青龍映画賞も予想を覆した多くの作品の受賞により、「大鐘映画祭を意識したのではないか」という疑惑を生んだ。

しかし作品性ではなく興行性という基準で受賞者を決定したのではないかと、ひんしゅくを買った第50回大鐘賞映画祭の後に続く韓国映画界を代表した授賞式であるだけに、22日に開かれる第34回青龍映画賞ができるだけ多くの人たちが納得できる、公正性を巡る論議が提議されない授賞式になることを期待したい。

記者 : キム・ミリ